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2006年11月30日

『地下経済-この国を動かしている本当のカネの流れ』 宮崎学


地下経済 宮崎学.jpg



いわゆる、裏社会と呼ばれる世界、存在していることは間違いないのですが、それがどの程度、表の社会に食い込んでいるのか、あるいは、それによってどれほど、現実の経済や政治に影響を与えているのでしょう。

少なくとも、私のような塾講師という仕事には、表面上、まったくその影響はありませんが、『東京アンダーワールド(ロバートホワイティング)』、などを読みますと、例えば、不動産などでつながっていても不思議ではないという気がします。


著者は、グリコ森永事件で キツネ目の男ではないかと疑われた宮崎学氏です。あの時は話題になりましたが、それ以降、時おり、マスコミに登場する程度でしたね。ところが、最近になって、ラスプーチン、『国家の罠』 などを書いた、あの佐藤優氏との関係で著作まで出しており(近々、UPします)、興味を持って本書を読みました。

佐藤氏は、日本の政界、官界の権力構造などを知っているだけでなく、ロシアの裏の裏まで知り尽くしている印象です。


読んでみますと、本書は、高校生にも充分読めるわかりやすい内容です。ただし、地下経済を高校生に教えるというのも変な話しですし、夢を抱く若者には、積極的に薦められる本だとは思いませんが…。


おもしろくて、どんどん読めるのですが、論理的に説明しているのではなく、やや乱暴で、断定調で書かれていますので、全部を真に受けてもらっては困るかなと…(大人の世の中、すべてが腐敗していると思ってしまう)。

まったく知らなかったのですが、宮崎氏はヤクザの組長の息子として生まれ、裏の世界にも詳しく、自分自身がわいろを渡した政治家や、起こした事件などについても、警察や検察の動きを紹介しています。鈴木宗男氏や自身の逮捕を、国策捜査だと指摘した佐藤氏とこのあたりは共通した認識があるのでしょう。


学生運動や裏の活動で警察ににらまれたりした経験から、この日本の置かれた、地下経済が支配するという状況を憂い、読者にも被害者シンドロームに陥ることなく、なんだったら加害者になるくらいの意気込みで生きて抜いて欲しいそうです(笑)。

そんなぁ〜。これでは身も蓋もありません。 


おや?と思ったのは、中坊公平氏に対する指摘です。

中坊氏は住専回収機構の社長に就任した瞬間、それまでの「国民の側」から「国家の側」に寝返ったというわけです。その理屈がいまだにわかりません。国民の税金を取り返そうとしている、正義感に燃えるヒーローだと思っておりましたから。


本書を書いた時点では、あの中坊氏を批判するのは、タブーといっても良いくらい、中坊氏は(神格化といえば大げさですが) 庶民、または正義の味方だと思われていたはずです。NHKでも特番が組まれたり、民主党の党首候補にしようという動きまであったと記憶しています。


ところが宮崎氏は 「わたしに中坊批判をやめさせるのは、フセインに写経をさせるより難しいのだ」 とまで、憎悪むき出しで書いています。本書を読んでも詳しい事情はわかりませんでしたが、中坊氏は、しばらく前、検察の取調べを受けて弁護士を辞めましたよね。いつか真相は明らかになるのでしょうか。


こんな調子で歯切れがよく読みやすくておもしろいのですが、ではどういう社会が良いのか、そこが描かれていないのが悔やまれます。





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『地下経済-この国を動かしている本当のカネの流れ』 宮崎学
青春出版社:199P:700円



P.S. 当教室(中川校) の生徒諸君、ご父母のみなさま、また、ご心配頂いた方々へ。

昨日、
伊藤先生と一緒に、Pochi 先生の見舞いに行ってまいりました。数年前に私が入院したのと同じ、かつての国立病院でした。(私も、Pochi先生も世田谷区在住です) みなさまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを心から悔やみ、大変恐縮しておりました。現在は、大変元気で、早く復帰したいという様子でした。容態に心配がなくなったので、看護師さんや、先生のお子さんもあまり相手にしてくれないそうです(笑)。ただし、検査に時間がかかるとのことで、復帰の時期はまだ決まっておりません。その間、またご迷惑をおかけすることになるかと思いますが、最善を尽くしますので、なにとぞ、ご理解を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

また、本来ならば、コメントなどを入れていただいたブロガーのみなさんの方へ出向いてお礼を申し上げたいのですが、なかなかそれができずにおります。多くの方から、VIVA、Pochi ガンバレと励ましのメールまで頂戴しておりますのに、本当に申し訳ございません。お許し下さい。

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2006年11月29日

『夢は大衆にあり』 青山淳平


【夢は大衆にあり】 青山淳平.jpg


坪内寿夫という人物の生涯を描いた一冊ですが、坪内氏をご存知でしょうか。かつては、倒産しそうな企業を次々と建て直し、再建王と呼ばれ、松下幸之助本田宗一郎中内功などと並び称されたほどのカリスマ経営者です。



もともとは映画館など、娯楽施設などの事業で得た金を、人から頼まれ、地元の倒産寸前の造船会社に注ぎ込み、大発展させます。とても会社とは呼べないような企業でしたが、 “人を助ける” という信念で、猛烈に働き、動き回ります。

みなの反対を押し切って、犯罪者の厚生施設までその近くに、自分の金で建ててしまうほどですから、その人格がわかろうというものです。仕事の尊さを知って欲しい、雇用を提供したいということですね。



そうした再建の手腕で、実績を上げ有名になり、扱う企業も地元の小規模業者から、どんどん大きな会社へと移っていきます。すると、マスコミや政治家などを使った卑劣な妨害や、労働組合との激しい戦いも出てきます。そのあたりの攻防も読み応えがありました。あらん限りの知恵を出し、それでも敵をうらまず、すべてを成し遂げるのです。



やがて、晩年をむかえ、自分の再建した企業が造船不況のあおりで、苦境に追い込まれた時も、責任をすべて自分ひとりで引き受け、個人資産一切を会社の負債の肩代わりに当て、裸同然で表舞台から身を引いてしまうのです。

ダイエーの中内氏のような経営者とは、対極にある生き方だと感じます。


造船不況の深刻さは、河本敏夫 氏を覚えている方はご存知だと思います。かつては、自民党三木派をついで、総理候補にもなった超大物政治家でしたが、三光汽船という、自分が実質的オーナーであった会社が倒産に追い込まれたことで、事実上失脚、夢を絶たれました。

戦後最大の倒産と騒がれ、当時の業界を象徴するような出来事でした。田中角栄には、“自分の会社をつぶすような人間に国政をゆだねられるか”と、強烈に皮肉られたものでした。


業界全体が、塗炭の苦しみにあえいでいる、こういう厳しい時代、やがて政府までも、坪内氏の経営手腕に期待し、氏を担ぎ出そうとする案件が出てきます。


そして、そこに登場するのが、あの白洲次郎です。以前、『英語達人列伝』では、すごいエピソードをご紹介しました。まさに国士とも呼べる人物です。場面はわずかですが、坪内、白洲の両氏の、思いもしなかったつながりに驚きました。マッカーサーと互角に渡り合った、あの白洲氏までも動いたのかと…。


このように、その人格に多くの人々がひかれて、数々の協力を得るのですが、やはり企業がらみ、政治がらみですから、嫉妬や利害関係の不一致は常にあります。時代の流れと、高齢には逆らえず、ついには上記のような結末にいたるのですが、もっとも深く関わった会社、来島ドックは生まれ変わって今もあります。


実に読み応えのある一冊で、深く感動しました。また、日本の造船業界は今やものすごい勢いで復活を遂げました。その影にこうした先人の努力があったことに、歴史の重みや、経営の大切さを学びました。ビジネス書としても、骨太の人物伝としても読めると思います。




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P.S. 今日、本書を紹介しましたのは、相互リンクの yumamiti さん が白洲を取り上げておられたからです。“ブスかわいい” って知ってます???

ねえさん、Thank you!



『夢は大衆にあり』 青山淳平
中央公論新社:298P:1890円

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2006年11月28日

『禅的生活』玄侑宗久


『禅的生活』玄侑宗久.jpg



玄侑 (げんゆう・そうきゅう)氏は、芥川賞作家であると同時に、臨済宗のお寺の副住職でもあります。ご自分のサイトもお持ちです。


あるラジオ番組に出演され、禅についてお話しされているのを聞き、おもしろそうだと思い、本書を購入しました。私自身は、“座禅” とか “無” と言われると、興味を覚えますが、“禅” に関して何らかの知識があるわけではありません。


本書は、座禅なしで、禅の考え方を身に付けようという主旨です。忙しく、住みにくい現代を少しでもリラックスし、楽に生きられるように、というわけです。


忙しいとか、住みにくい、ということは、常に相対的な概念ですから、いつも何を基準にそう判断すればよいのだろうと思っておりました。ただ、日本に確かに自殺が多いとか、私自身もストレス性潰瘍を患ったことがあるので、そう言われると、すぐに、やってみようと思ってしまうんですね。


私が、その手術で入院していたおり、ストレスに関する本を何冊も読みました。その時に、わかったことは、自分ではそう思っていなくとも、つまり無意識であっても、日々の絶え間のない緊張(ストレス)は、人の健康に影響を与えているのだということです。



そうか、たまにはカラオケやゴルフでもして、ストレス発散しなきゃダメだぞ、などと人に言っても、人前に立つのが嫌いな人にとっては、それが大変なストレスになりますから、逆効果なわけです。


そこに難しさがあって、要するにストレス要因も人それぞれですから、解消方法は自分で見つけるしかない。人にアドバイスするとすれば、のんびりお風呂につかるとか、好きな音楽を聴く、というぐらいしか、最大公約数的な具体策はないんですね。



ところが、禅のテクニックを利用すると、悲しみや怒りなどの“感情”や、“無意識”と思われているものでも、それによってはコントロールできるというのです。


もちろん、本来、禅は大変、奥深いもので、勉強も修行も必要でしょうから、感情のコントロールが完全にできてしまうのは、いわゆる “悟り” を開くということです。そこまで行かずとも、禅の考えを知ることによって世界観を広げることを手助けします。 



手始めに、最初の章で、無意識に出てくる “あくび” だって意識的にできますと、以下のようなテクニックが紹介されています。 


 


まず直前に軽く一息吐いてから、口を開き、意識をのどの奥、というより両耳を結んだ中心点あたりに置く。


それだけでしばらくすると後頭部が締まりだし、口が更に開いて見事なあくびが出る。 


意識の置きどころさえ間違わなければ、必ず出るはずで、何度やっても出る。




私もやってみました。最初はできませんでしたが、何度も、“こんな感じかな?おっ、出そう、いや違う” なんて感じで、しばらく練習すると、確かにあくびが出るんです。興味があれば、お試し下さい。


ただし、こうした簡単な健康法の紹介ではなく、思想的、宗教的な話ですから、読み応えのある一冊です。 ここで言いたいことは、あくびの仕方にとどまらず、眠たいと思う『心』も、眠ろうとする『体』も実は、意識的にけっこう誘導できるということです。


“無可無不可” “一切唯心造” “六不収” “廊然無聖” “応無所住而生其心” “柳緑花紅真面目” “一物不将来” “日日是好日” “随所作主立処皆真” “平常心是道” “知足” “安心立命” “不風流処也風流”


こういった概念の説明ですから、筆者の、”一人でも多くの人に楽で元気になってほしい”という願いで書かれた一冊ですが、気楽に読めるわけではありません。健康法というより、思想に興味のある方にお薦めです。



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P.S. Pochi先生のことに関しまして、暖かいお言葉をいただき、本当にうれしかったです。本人にも伝えます。さいわい心配したより軽い症状のようで、確定はしておりませんが、早期復帰が可能との印象を受けました。心よりお礼申し上げます。



『禅的生活』玄侑宗久
筑摩書房:237P:756円

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2006年11月27日

『ブンナよ、木からおりてこい』水上勉


ブンナよ、木からおりてこい.jpg



水上勉氏の児童文学です。


本書は舞台でも上演され、数々の賞を受賞している名作です。舞台になる作品というのはほぼ間違いなく、メッセージ性のある、おもしろいものが多いと思います。映画だと、ストーリーが単純でも、映像テクニックで見せる場面がありますが、舞台は装置プラス “感動”がないと、ロングランはできませんよね。


主人公はトノサマガエルです。そのトノサマガエルが椎の木のてっぺんまで登り、得意になっていました。

その木の頂上は広場になっていて、土もあり、まるで天国のようでした。そこで一晩過ごそうとしたのですが、実はそこは鳶(トビ) がエサを運ぶ中継所だったのです。


スズメ、百舌(モズ)、ヘビ、ネズミ、牛がえるつぐみなどといった鳶に捕らえられた瀕死の状態の小動物が次々に運び込まれ、そして、鳶のえさとなるべく連れ去られていきます。

これら捕らえられている動物たちは、逆に、すべてトノサマガエルを食べてしまう小動物たちです。恐ろしくてじっと土の中に隠れ、小動物たちの会話を聞くことになります。

その会話こそが、いろいろ示唆に富んだ内容であり、著者の思いが込められているメッセージです。単純に食物連鎖の勉強にもなるでしょうし、今、いじめの問題、食育にも関わってくるように思います。、


最後に著者が、“母たちへの一文”  ーあとがきにかえてー で、どういう思いを持って本書を書いたのか説明しています。


子どもたちはもちろん、小さいお子さんを持つお母さん、お父さん、幅広い世代に読んでもらいたい一冊です。



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気が付いたら、ランキングがぐっと低下。当然とはいえ厳しい〜。最後までお読みいただきありがとうございました。いくらかでも参考になりましたら、クリックしていただけるとありがたいです。                     
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『ブンナよ、木からおりてこい』水上勉
新潮社:229P:460円
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2006年11月25日

『私の「戦争論」』吉本隆明・田近伸和

 

私の戦争論 吉本隆明.jpg


今、日本全体が右傾化していると危惧する声が聞こえます。確かにその通り、小泉首相の訪朝以来、テポドン、ノドンなどのミサイル発射を受け、国防意識は急速に高まり、憲法改正を堂々と掲げる安倍総理大臣がついに登場、麻生外務大臣や中川昭一政調会長は核武装まで議論しようとしています。


“何とかして この動きを止めたい”、というのも、もっともな感情で、少し考えれば、現在が “異常事態” だと感じるはずです。戦後の政治史において、こんな急激な変化はあったでしょうか。川の水が一気に逆流しているようなもので、のんびりしていると呑み込まれてしまう危険を感じます。


実際、よく見るとすでに、自民党だけなく、二大政党のもう一方、民主党の小沢党首も憲法改正論者ですし、首都東京の知事は石原慎太郎氏。護憲、平和で完全理論武装していたはずの公明党も改憲を否定しませんし、社民党、共産党は見るも無残な凋落振り。どうすれば良いのか、拠るすべがありません。

 
一方で、そもそも今までがあまりにも自虐的、土下座外交ばかりで、お金だけは貯めたけれど、日本人の誇りも何もあったもんじゃない。矜持を失った民族の末路は歴史が証明している。ここに来て、やっといくつかのタブーがはずれ、ついに日本人が生き返ったのだという高揚感があります。


まるで60年ずっと耐えてきた魂に、やっと灯がともったかのようです。


また、高校生以上の生徒にも、変化を感じます。彼らと話していますと、拉致事件もそうですが、むしろそれ以上に、中国人による反日デモ。生卵を投げたり、大使館を襲ったり、さらにサッカーアジアカップ時の暴動が、あまりにも衝撃的だったようです。

なぜ自分たち日本人はこんなに嫌われているのか。過去の戦争で日本がどれほど悪いことをしたとしても、少なくとも、サッカー選手は関係ないだろうという感じでしょうか。どこかおかしいという戸惑い、素朴な疑念をいだいたと思います。本能的な、逆の危機感とでもいうようなものです。


いくらこちらが、東アジアの人たちに、“仲良くしましょう” と言っても、相手にされないし、政治的、軍事的な仲間であるはずのアメリカ、ブッシュ政権は、そうすることがまるで当然のようにイラク戦争をはじめてしまい、日本の自衛隊は法律まで変えてでも、それを助けざるを得ない。


ハンチントンは大著、『文明の衝突』 の中で、日本は将来、アメリカにつくか、中国と手を組むか、迷ったあげく、中国側につくと予言しました。歴史的に見れば、放っておけば、日本はそうなってしまうので、アメリカはそれを必死にくいとめろと主張しているわけです。

今の日本は、アメリカにせよ、中国にせよ、どちらかについていけば、本当に平和があるのか、という悩みを抱えているようにも見えます。


いずれにしろ、小泉、安倍政権と続いたことによって、今までの大きな流れが変わったという認識では一致しているように思います。米中、どちらも信頼できない以上、他の国がどうであれ、自律神経を使って、自国のことを考えなければならない段階に意識が高まってきたと思います。


もう、かなり前から、右と左、あるいは、保守VS革新や進歩主義で語る時代ではなくなったと感じられますが、本書の著者、吉本隆明氏 (よしもとばなな氏の父上です) の生き方自体が、それを象徴しているのではないかと感じます。


『言論統制列島 (鈴木邦雄森達也斎藤貴男)』 という本の中で、どなたかが

“昔は、天皇万歳と言っていれば、誰でも右翼になれた。左翼になるには、プロレタリア革命などの勉強が必要で、インテリの多くは、それに惹かれ学生運動をした。今は逆で、権力批判をしていれば、進歩的であるという時代が終わり、国の歴史や文化を語ることのできるものが右翼になれる”、というような趣旨のことを言っていました。


確かに、慰安婦問題南京事件など、教科書の記述だけを鵜呑みにしていて、反対意見を勉強していなければ、今、日本で起きていることが、理解できません。


吉本氏はマルクスを信奉し、かつては新左翼の教組と呼ばれていたかと思うと、あとになっては小沢一郎氏を絶賛。氏の全集でも購入し、部屋にこもって勉強しなければ、正直、本書を読んだだけの、私のような凡人にはとうてい理解を超えています。



本書で、氏はあざやかに、右も左もバッサバサ斬ってしまいます(わかりやすいので、右・左と使いますが…)。「右」は、小林よしのり西部邁・石原慎太郎・西尾幹二新しい歴史教科書をつくる会江藤淳司馬遼太郎 など。「左」=「進歩的民主主義」者は、久米宏・筑紫哲也・岩波書店・朝日新聞 などなど。


編集者の田近氏を、かなり挑発的な聞き手として、戦中、軍国少年だった吉本氏が、どう考えてきたかをべらんめえ調で語ります。どこにもおもねることなく、ご自分で考える姿勢には感心しますが、どうしても未来像が共感を持って響いてきません。 


内田樹氏も、私は非常に好きですが、やがて国家という枠組みはゆるやかに弱まるとどこかに書いていたような気がします(不正確です)。吉本氏も先進国が、工業化から第3次産業に移ることで、国家の解体というものを論じます。


確かに、今、日本と中国が一時的にでも仲直りせざるを得なかったのは、経済的側面、つまりグローバリズムの影響を抜きには考えられません。

国際競争が、これだけ激しくなってくると、利害の一致するものに関しては、時にこうして、靖国問題など、政治を脇においてでも、協力するでしょうが、やがて資源などで、利害が背反する問題が起こった時 (すぐにそうなりそうですが)、競争が激しい分だけよけいに結束しようという動きにならないでしょうか。 


“思想界の巨人” と帯にあります。影響力が強い言論人、世論をリードする知識人と呼ばれる人々が、国境の弱体化を予言しますが、今のところ、韓国も中国も、ロシアも、こと領土問題に関しては、極めて強行です。


国家が解体されるのは日本だけかもしれない、そんな印象をもたざるを得ない一冊でした。



 


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『私の「戦争論」』吉本隆明・田近伸和 
筑摩書房:249P:735円 


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2006年11月24日

『兎の眼』 灰谷健次郎


兎の眼 灰谷健次郎.jpg



小説家の灰谷健次郎氏が、お亡くなりになりました。大変残念です。灰谷氏の作品は 入試にもよく出題される ことで、このブログでもご紹介したことがあります。今日は、氏の代表作、“兎の眼” を取り上げます。



“真の教育とは何なのか” と帯に書かれたこの一冊。涙なくして読めない、多くの感動を与えてくれる名著だと思いますが、灰谷氏自身が “欠点の多い作品” とも述べています。書き足りないところがあったのでしょう。


灰谷氏を語る上で、象徴的なできごとは、神戸連続児童殺傷事件で、「フォーカス」が、当時中学3年生であった少年Aの写真を公開したことに対し、出版社に抗議の執筆拒否を宣言したことです。同時に、ご自分の代表作を含む全ての著作権を引き揚げてしまいました。非常に過激な行動ですね。


世間は、あまりに続いた少年事件の残忍さに対し、少年法 を改正し、厳罰化を求めていく流れでしたが、この行動に灰谷氏の思想を見て取れますね。“子どもに甘い” ということで、激しい批判が時として、灰谷氏に浴びせられる要因です。


陳腐な表現ですが、氏にとって、子どもは神聖なもの、あるいは天使と言ったら良いのでしょうか。そして教師はどこまでも、生徒を理解しようと努め、ともに生きていく使命を帯びているというお考えのような感じがします。


本書では、問題児、鉄三のいるクラスの担任となり、孤軍奮闘の新任教師、小谷先生を描きます。結婚したばかりの小谷先生が、戸惑いながら、時に失神するようなできごとに悩みながらも、苦心に苦心を重ね、鉄三の心を開こうとします。

次第に、人生を深く考えはじめ、まるで成長しない夫とどことなくすれ違いも生じてきてしまいますが、一教師として成長していく中で、クラスは一歩一歩確実に成長していきます。


言葉の一つ一つに子どもたちへの温かい眼差しを感じる作品で、単に美化された子どもたちの純粋さを楽観的に描くのではなく、葛藤の中から弱い立場におかれた者への愛情があふれ出てくるところに灰谷氏の豊富な経験を感じます。

表現方法は小学校の中学年程度から読めるように工夫されており、内容的には大人の心も強く突き動かすものがあります。ぜひお読みください。




灰谷氏のご冥福をお祈りいたします。



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 子どもは社会の宝です。健やかに育って欲しい。
灰谷さんの作品に救われた先生や生徒も多いはず。
どうか安らかに…。                     

『兎の眼』灰谷健次郎 
角川書店:339P:600円


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2006年11月23日

『癒しの楽器パイプオルガンと政治』 草野厚

 

『癒しの楽器パイプオルガンと政。』草野厚.jpg



税金の使われ方が本当におかしい。ずっと昔から指摘されていることですが、安倍政権になってからも、また次々と出てきますね。郵政造反組の復党も、政党交付金目当てだともささやかれています。


それに何ですか、あのタウンミーティングの“やらせ問題”。それに関連して、民主党の蓮舫さんが、政府が代理店と結んだ契約の単価内訳表に 「エレベーター手動 単価1万5000円」 と記載されていると指摘した問題。


エレベーターを操作するだけで、15000円の手当てが出ていた!?やりたい人一杯いますね。


また、5年9カ月間に、わずか8日の出勤で、2500万円近くの給与などを得ていた奈良の県職員の問題。同和問題部落解放運動とからんでいたそうですが、誰はばかることなく、高級外車を乗り回していて、どうして今まで発覚しなかったのでしょうか。知っていて何も言わなかった人はどれくらいいるのでしょう。



日本の行政システム、公務員の異常なモラル欠如は、一つの事件など、通り過ぎたら、何もなかったかのように、またすぐに増殖をはじめて、権限拡大に向かう。そのための無駄遣いの事件が、まるで本能のように繰り返されます。先日ご紹介した、『官僚病の起源(岸田秀)』 の説、またかつて読んだ会田雄次氏の主張(書名は失念) もそれを指摘していたように感じます。


さて、本書も税金の話です。テレビでおなじみの政治学者、草野氏の著書です。氏の著作は、以前に、『テレビ報道の正しい見方』 を取り上げました。



「なぜパイプオルガン?」 と思いますよね。草野氏の両親は音楽の教師で、草野氏自身も東京芸大の指揮科を受験し、2回目では最後の二人まで選考に残ったそうです。そこから政治学者とは不思議な経歴ですね。


オルガン愛好家でもある草野氏が日本にある一定規模以上のパイプオルガンについて、日本中を歩き回り調べ上げたものです。外国の大学では一般的らしいのですが、慶応大学でもある程度の期間、大学に勤務していると、長期の自由な時間が与えられ、好きなことを研究してよいのだそうです。



パイプオルガンというのは大きなものになると、2〜4億円、重さはなんと70トンを超えるものまであるそうです。しかも製造には年単位の時間がかかり、木工からの手作業で作りはじめるのだそうです。


バブル期を中心に地方自治体が音楽専用ホールを建設し、そこにパイプオルガンを設置したのですが、その購入動機、ビルダー(オルガンメーカー)、商社の選定、入札経緯と結果、利用状況などを丹念に調査したわけです。



オルガン購入も当然税金でまかなわれる公共事業ですが、案の定次々と問題点や疑惑が出て来ます。つまり、政治とは対極にありそうな芸術という分野でさえ、公共事業の構図がすっかり定着している、そのことに驚かされます。 


小泉内閣当時、道路特定財源に手を付けようとして、「熊しか通らないような道路」 とか、「身内企業が独占する道路管理業務」 など、道路公団がらみの税金の無駄遣いが話題になりましたが、それと似たようなしくみが働いてしまいます。



登場するのが、政治家ではなく、東京芸大の教授などということの違いしかありません。ホント、いやになっちゃいます。誰も満足に使えないような高級パイプオルガン、買ったあとのメンテナンスだけでも途方もない額の税金が使われていて、これまた、誰も責任を取らない。


こうなると、当然パイプオルガンだけでなく、ありとあらゆる物に、この構図があると容易に想像できますね。自分の金でなく、他人のお金、税金だからこそ、鉛筆一本に至るまで無駄にしない。基本的にはそう考えてほしいんですが…。


先日取り上げた『UFJ三菱東京統合』 で見ましたように、銀行はバブル期の不良債権処理をしたと言いますが、地方にはこうしてまだまだその頃のつけが、処理されないまま重くのしかかっているだろうと思わざるを得ません。


こんな状態で、消費税を上げられたら、暴動が起こっても不思議じゃないと思うのですが、 世論調査でも消費税UPは仕方ないと思っている、話のわかる人がかなりいます。確かに、金利が上がる前に、たくさん借金を返しておかないと大変でしょうが、“それにしても…、ひどすぎる”、そう感じる一冊でした。




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 P.S. 税金とはあまり関係のない、未履修問題にしても、役所仕事というのは、本当にいつも権限が曖昧で、チェックが甘い。結局、明確な責任を取らないまま、あるいは大きな騒ぎになった時だけ、人身御供が差し出され、しばらくたつと同じような事件が繰り返される。そして組織や仕組みが温存される。何とかしたい!





『癒しの楽器パイプオルガンと政治』 草野厚
文藝春秋:190P:714円


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2006年11月22日

★『試験に出る、時事ニュース』 テスト対策・時事問題(時事ネタ日記をチャック!)


 ★★★★★★★(おもに内部生へ)

 とっても重要なことを忘れていました。

受験生諸君、特に中学3年生、時事問題を genio先生がUPしてくれています。明日だよな!今度のテストで、内申点が決まる。つまり入試の持ち点。

ということは、明日の定期テストは本番の入試と一緒


必ず、必ず確認しておくこと!!!! すぐにね。今回は結構たくさんあるぞ!


アメリカ中間選挙や、六カ国協議とAPEC。

ボジョレーに、松坂投手、さらにさらに教育基本法やいじめ。

まだまだ、悠仁さまに、オウムや臓器移植
まで。

何をきかれても大丈夫なように、しっかり確認しておくこと!


        genio
先生のブログ
         ↓      ↓   
 
   試験に出る!時事ネタ日記! 

 
すいません。業務連絡のようなものです。
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『子どもはぜんぜん、悪くない。』佐藤弘道 (NHK おかあさんといっしょ)

 

子どもはぜんぜん、悪くない。.jpg



NHKの『おかあさんといっしょ』に出演されていた、体操の“ひろみちお兄さん”をご存知でしょうか?

けんたろうにいさんや、あゆみおねえさんの方の印象が強く(何といってもダンゴ3兄弟!)、私にとっては、影が薄かったのですが、お母さんたちのアイドルだったそうです。 我が家には、ちびっ子が一人、10年前のちびっ子もおりますので、かなり長い間、見ていることになります。


本書はそのひろみちおにいさんのエッセーです。番組を引退し、実に失礼ながら、まるで、歳をとったアイドルの写真集のようで、タイトルもちょっと〜、とかなり買うのをためらったのですが、何といっても10年以上のお付き合い(笑)。ですから記念に読んでみました。


当然ですが、大学を出て10年以上たてば、お兄さんも、おじさんの域に入ってきます。佐藤氏も現在は、38歳。番組に出続けている間に、結婚をし、子どもを持ちます。自分も変わりましたが、やはり子どもが変わってきたことに気が付きます。

ただし、タイトルからも想像できるように、彼の目には今も昔も子どもは楽しいこと、歌や体操が大好き。12年間の番組での定点観測から、やはりお母さんが変わってきたのだと確信しているようです。

もちろんお母さんたちを変えてしまう世間の情勢があります。 佐藤氏は新宿の焼き鳥屋さんの息子だそうですから、大都会の変化の激しさを目の当たりにしているのでしょう。学校の先生について、子育て環境の変化についても語り、やっぱり大人がもっとがんばらないと!と主張します。


バクテンをして、大きなジェスチャーで、笑顔をふりまいている姿からはちょっと想像できない、熱いハートを持っている方でした。一つの仕事を10年以上しっかりとやり抜く、やはりそういう方には、何か勉強になるものがありますね。


買って良かった、当たりの一冊! 小さいお子さんをお持ちの方、あるいは先生方にも、ぜひお薦めします。



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『子どもはぜんぜん、悪くない。』佐藤弘道 (NHK おかあさんといっしょ)
講談社:125P:999円



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2006年11月21日

『音読英単語 Stage2』 岡田賢三、温井史朗 著

 

音読英単語2.jpg   音読英単語1.jpg   音読英単語 基礎1200.jpg


今日は、音読英単語シリーズを取り上げます。本書は、私立、公立問わず、かなりの数の高校で使われていますね。学校で渡された人も多いはず。

今回の書評は、 Stage2 大学受験用に関してのものです。


紹介してくれるのは、初登場、アメリカの大学を出て、お父さまも現役の塾講師という、筋金入り、英語講師のサラブレッド!代々木の Jonny 先生です。


以下が、Jonny 先生の書評、解説です。



■■■


単語は繰り返し何度も接すれば覚えられる、ということを強調したいろいろと工夫のされた一冊です。

CDも付いており、例文もテーマごとに分かれていて、その中で同じ単語や類語が何度もくどいくらいに繰り返し出てくるので、覚えるということにおいては連想もしやすく、派生語も含めて思い出しやすいようにできているのではないかと思います。

各テーマは一応のストーリーとして前後の文がつながっているので、文を読んで解釈しながら単語を覚えていくとよりいいでしょう。

ただ不安に感じるのが、例文は繰り返し同じような意味を含むことに重視しすぎたのか、実用的にはやや強引というか、語法としては実践的な文が含まれていることが一つ。

他に、一つのテーマの下にグルーピングすることにこだわりすぎた反面、そのテーマのイメージが強く残り、いざその単語をランダムに個々で問われた時、また違うテーマの下に出題された時にどこまでその意味を思い出すことができるかという点です。

特にテーマの異なる長文で、その単語をきちんと文脈に即した判断ができ、正しい意味が言えるかといえば、それは別問題になるでしょう。


CD、反復練習を通して機械的に覚えさせようとする単語帳は最初の段階としてはいいのですが、いざ実践となるとそこからは単語帳としての役割は100%とはいえないのが現実です。

どの単語帳にもいえることですが、単語帳を勉強する時は、単語もやりつつ、長文も同時に進めてその単語が実際の文でどのように使われているかを考えながら学習していくことが必要です。


■■■



私、VIVAの感想としましては、CD自体はなかなかリズムがあって良いのですが、ひとつひとつ番号を読むのが、個人的には耳障りですね。あと、私の授業では、単語とフレーズのディクテーションテストに、文を読んでくれる“間” がちょうど良いので、使ったりします。


Jonny先生の感覚は、ネイティブレベルですから、不自然な文が気になるのですね。なるほど、私も参考になりました。


もう一点、単語のレベルが、センター試験の域は出ないかなという気がしますので、トップレベルを狙う生徒が使うにはちょっと物足りないですね。 例えば 『ターゲット』などと比べると、かなり易しい印象です。






夢の第一志望へ……

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『音読英単語 Stage2』 岡田賢三、温井史朗 著 Z−kai
増進会出版:1260円

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『UFJ三菱東京統合ースーパーメガバンク誕生の舞台裏』 日本経済新聞社編




 UFJ三菱東京統合.jpg


銀行の中間決算発表は好調で、ものすごい利益をあげているようですね。

今、振り返りますと、現在のりそな銀行に公的資金注入が決定されて、日本の株式市場は正常化し、ジャパンプレミアムなどといわれた状況が少しずつ改善されたようですね。

小泉・竹中コンビの成果といえるでしょうか。預金の金利はゼロ、国民のお金で不良債権を処理し、空前の利益を上げているのですから、その儲けを、株主だけでなく、一般の国民に対しても目に見える形で、サービスの改善なり、利益還元されることを願うばかりです。当塾のある代々木からは、人のいる銀行がぜ〜んぶなくなって、実に不便です。



少し前に取り上げました、衝撃的な一冊 『日経新聞の黒い霧』 の著者、大塚将司氏は、三菱銀行と東京銀行の合併をスクープしました。メガバンクの登場と騒がれましたが、その後も金融界の再編は進みましたね。証券会社、保険会社、信託銀行などなど、はげたかファンドなどと呼ばれる外国資本も参加、さまざまなグループ化がなされました。


ついでに、とうとう郵便貯金までが民営化されるという、10年程前にはとても実現しそうになかったことが現実になったわけです。私はいまだに、ついついさくら"とか、“勧銀” などとやってしまいますし、“東京三菱” か “三菱東京” いつも考えないとわからず、やっと覚えたらまた変わる。ものすごいスピードでしたね。


そして、そのクライマックスは、先日の “スットコ大賞” にも登場した、UFJ銀行の奪い合いですね。(これもスットコのコメントにあったように USJ と時期が重なり、よくわからない銀行名で、ちょっと待ってといいたかった) 


直接的には金融庁とUFJの決算処理をめぐる対決に、UFJが負け、結局、生き残りのために、合併せざるを得なくなったのですが、そこにいたる舞台裏を取材したものです。

とうとう三菱東京とUFJが統合され、預かり資産が世界最大のスーパーメガバンクが登場したわけです。いろいろありましたね。裁判沙汰になったり、逮捕者を出したりと。

住友信託銀行との合併協議打ち切りや、三井住友銀行がUFJを横取りしようとした一件などが、生々しく描かれており、金融機関が不良債権を処理した後も、戦国時代が続いているという印象を受けます。


個人的にも銀行に勤める知り合いが何人かおりますが、話を聞きますと、本当に、体をこわすんじゃないかと心配になるくらいよく働きます。ビジネスエリートとしての強い誇りがなければもたないだろうと感じます。


これからも、外資を含め合従連衡が続くのでしょうか。金融界の覇権をめぐる暗闘のすざましさが良くわかる一冊です。金融機関へ就職を希望する諸君には、ぜひ読んでもらいたいと思います。



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『UFJ三菱東京統合ースーパーメガバンク誕生の舞台裏』 日本経済新聞社編
日本経済新聞社:315P:1575円

posted by VIVA at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年11月20日

『若きサムライのために』 三島由紀夫

若きサムライのために.jpg



192◎年生まれの若輩 ”とおっしゃる tani先輩は 『三島由紀夫全集、全35巻』を、保証人を付けてまでして購入されたそうです。好きなんですねとコメントしたら、違うそうです(笑)。

ご覧下さい。→  tani先輩のブログ 『狸便乱亭ノート


本書の解説で、福田和也氏は、『 石原慎太郎氏とか、江藤淳氏といった自分よりかなり年上の文学者の方たちと、三島由紀夫の話をするたびに、いつも違和感を覚える。違和感という表現は不正確かもしれない。むしろ、陳腐な云い方かもしれないが、「断絶」と云った方がいいだろう。』 とありました。


“今の我々にとって、三島は「切腹した作家」であり、世代によってこれほど一人の人間に対して感じ方の異なる作家はいない” という内容です。福田氏は昭和35年(1960年)生まれです。わたしはその更にその数年下。そして三島は1925年生まれで、今なら80歳くらいですね。


私も恥ずかしながら、大学生くらいまで、三島由紀夫といえば、自衛隊に殴りこんで割腹自殺をした変わり者くらいにしか思っていなかったので、あまり小説を読む気にならなかったのですが、本書はエッセー集で、表紙にもひかれて読んでみました。


“紹介文の一節です”

平和ボケと現状肯定に寝そべる世相を軽蔑し、ニセ文化人の「お茶漬けナショナリズム」を罵り、死を賭す覚悟なき学生運動にゆれる学園を「動物園」と皮肉る、挑発と警世の書。

ただし、全編がこのような激しい内容ではありません。非常に知的に哲学的に「人間性」というものに迫ります。その上で、若い読者を想定しているためか、あえて分かりやすい例をあげたり、げきを飛ばそうと、過激な言葉を用いたりしている印象を受けました。

また、猪木正道氏、後の総理大臣となる、福田赳夫氏(大蔵省で一緒にいたそうです!)、さらに、福田忸存氏との対話もあり、読みやすい一冊です。


もう一ヶ所引用しましょう。

(自民党政治を批判して)日本という国は、そうした青年の死の衝動を充足させるものを、全く与えていないんだ。青年にだけじゃない。市民にも与えていない。緑の芝生に赤いお屋根、マイホームのために人間は死なんよ。人間は目に見えるもののためには死なない。人間ってもっとスピリチュアル(精神的)なものだ。


先日、取り上げた、『美と共同体と東大闘争(三島由紀夫VS東大全共闘)』 は、観念的、抽象的すぎる異様な討論で、全共闘の学生は天皇陛下に対し、“醜いじじい” などと語っていたりして、衝撃的であるのと同時に、理解不能だと感じました。


その時の映像 (YouTube) をぜひご覧になっていただきたいのですが、同じ年に出されたこの本で、三島は東大を、“動物園” だと感じていたことを知りました。



とにもかくにも、三島由紀夫は20年以上にわたって、マスコミの寵児であったそうです。私はそれを知らぬ世代ですが、時間さえあれば、(保証人さえいれば) 全集を購入してでも研究してみたい人物の一人です。



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P.S. 
さて、それをするには、どうしてもその時代背景を知りたいし、時代を知っている方のお話をうかがいたいのですが、私の父でも、まだ若い(1936年生)。実は、これまた、tani先輩の別宅で、名文 『心に残る思い出や本について』  を見つけてしまいました。

ぜひぜひ、その時代をお読み下さい。感動しました。

  tani先輩の別宅 → 『 PETITES NOUVELLES 』。





■あっ、ちょっと、すいません。先輩の家に行かれる前に、できましたら、下のテキストバナーのクリックをしていただけると、ありがたいのですが…。
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 『若きサムライのために』 三島由紀夫
文藝春秋:276P:500円
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2006年11月19日

『大学の話をしましょうか−最高学府のデバイスとポテンシャル』森博嗣


大学の話をしましょうか.jpg


大阪大学が、世界史の履修漏れの高校生たちの補習を行うと発表しました。大学が高校生の教科書を使って、単位を認めるそうで、文部科学省も『聞いたことがない』 そうです。 そりゃそうでしょう。

■■■■■■■■■■■■

本日の記事は、【 gooブログ 】 の方で掲載いたしました。  お手数をおかけして、誠に恐縮ですが、【 gooブログ 】 で、ご覧いただければ幸いです。
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 『大学の話をしましょうか−最高学府のデバイスとポテンシャル』森博嗣
中央公論新社:187P:756円


 

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2006年11月18日

学習塾の川柳 【講師・生徒参加の川柳コンテスト!】

 


 あれ〜、あんなに緊張して UP した昨日の記事、スットコくん。

 『うけた?』 って、きかれたら、 『ハイ、とっても…』 とお答えするよりないんです。左のカウンター、ひょっとして、1000を割るかと心配しておりましたが、なんと1500越えですよ!(え〜!)

  goo ランキングも、過去最高に近い、91位でした。(何で?、ちょっと複雑


何よりの証拠は、やはりこれ、“人気blogランキングへ” というやつが、昨日の時点で過去最高でした。2000点越えたんですよ。 (ますます複雑)

あの、岩のように、ガンとして動かない、不動の4打者のようなトップの方に、一時的には、なんと、約1000点差に迫りました。1クリック10点ですから、とても抜ける点数じゃないんですが、それにしても…、びっくりです。(素直に、ありがとうございます)
 

ただ…、


これまで必死に書いてきた、書評は何だったの? 
ってね。



ちょっと引っかかりますが、やっていることを評価していただいたのは、大変光栄です。(まぁ、強打者相手には、直球だけでは勝てないので、たまにはカーブも投げないとね)


 そこで…、“ ワルノリ ” と怒られそうですが、今日は予定変更で、



       日本の文化 : 川柳  です。

      



実は、当教室 では、月に二回、川柳のコンクールをしておりますので、そちらを紹介してみます。こちらはいたって真剣。



(あのぉ〜仲間に塾のイメージダウンになるから、ヤメロ!と怒られる前に、言っておきますが、もちろん、当教室は、まじめな学習塾ですよ。講師は全員プロで、学生はいないし、冬期講習だって、英検講座だって、リスニング講座だってちゃんとやっております。すっごく勉強もさせますからね。合格実績見てくださいね。念のため (*^_^*)   

よろしければ、のぞいて下さい。塾のHP → 
http://tokkun.net/jump.htm )





もう、ここまで来たら、やけくそ。やり投げ、じゃなかった…、なげやりな(あっ、お笑いモードから抜け出せない) 作戦ですが、週末だし、いいでしょう。


 え〜い、なるようになるさ。


 ま、爆発的大ヒットにならない限り、明日からは、通常にもどしますから(たぶん…)、今日までお付き合いを。



では、当教室の生徒や講師たちの、すばらしいユーモアのセンスと知性を感じていただけることを期待しつつ…。優秀賞からです!

  

 それ!どうだ。 

  
■  優秀賞 10作品 ■

 【 模試結果 目薬さすより 目が覚める 】 (なんだ、コレ!ってね)

 【 怒れない 茶パツだらけの 保護者会 】 (もう、生徒に注意できません。黒髪のほうが新鮮で…)

 【 ワカモノが ゆとりにおぼれ バカモノに 】 (気をつけましょう)

 【 水泳部 試験中にも 睡眠ぐ 】 (ムリがありますが、ザブトン一枚!)

 【 感動を ムリヤリ作る テレビ局 】 (24時間テレビのマラソン?カメダくん?)

 【 バカ息子 米・朝ともに けんか好き 】 (ホントに世界中二世ですね。誰か止めて〜)

 【 予約して 2時間待って 治療5分 】 (そう、それでも医療費は上がる)

 【 似合わない カップル見るたび 勇気わく 】 (オレにだって…、うん!いいぞ)

 【 目薬を さす時あいちゃう 目より口 】 (確かに、なります)

 【 新発売 違いがわからぬ 缶コーヒー 】 (次々出ては消え、ですね)



いかがでしょう。さぁ、ここからは、【一般部門】 と 【塾・勉強部門】 に分かれます。さらにパワーアップしている作品です。


 
  ■■ 銅 賞  各3作品  ■■  


   【一般部門】 

 
 ☆ 大豆より ブッシュの遺伝子 組替えて 


 ☆ 目立つわよ 徹夜をやって 弱った目   (後ろから読んでも)


 ☆ 運動会 パパ出てかいた 汗と恥 


   【塾・勉強部門】


 ☆ 戦争は 受験だけで じゅうぶんだ 


 ☆ 講習会 せみでも6日は もつんだぞ! 


 ☆ ある講師 授業と電話 声違う 



 
  ■■ 銀 賞  各2作品  ■■


   【一般部門】



 ☆☆  引いちゃダメ 押さぬと開かぬ 北のドア  ☆☆



 ☆☆  休みなし 渋滞ニュースに ざまあみろ  ☆☆




   【塾・勉強部門】


 ☆☆  言わないで! 英語のできない 帰国子女  ☆☆



 ☆☆  一夜漬け きゅうりはちゃんと 漬かるのに  ☆☆



    そして、いよいよ


    ■ 金 賞 ■  

               【塾・勉強部門】

   
   ☆☆☆  戦友が 次々消える スイセンで  ☆☆☆

 
        【一般部門】


   ☆☆☆  ゴキブリを 殺した時だけ “パパすごい!”  ☆☆☆


 
以上です。




いかがでしょう。なかなかだと思うんですが、最後に…


 
  “これからも まじめなVIVAを お忘れなく ”  (字あまり)




ほう、まぁ、いいじゃないかという方、私ではなく、作品を作った、講師、生徒に、よくやった!のクリックをお願いします。

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2006年11月17日

教室のドタバタ スッコトくん (ジューク・お笑い)


いやぁ〜、、“人気blogランキングへ” というやつが、過去最高点を記録している時に、こんなことをするのはどうかと思うのですが…、

おもいきって



 お笑いです


ヘンなことして読者がいなくなったらどうすんの??? 


リスク 覚悟です。



これうけなかったら、すべったら、

二度と致しません。絶対に。



これがうけたら…、月に一回くらいは…。で、それでですね、おもしろい!と思ったら、これ続けてもイイよ、と思ったら、コメント下さい。または、ランキングバナーのクリックをお願いします。




で、でで、も、も、も、もしですよ、もしも、おもしろくなかったら、コメント欄で罵倒するのは避けていただき、そのままお帰り下さいませ。 見なかったことにして、二度と致しませんから、また戻ってきくださいませ。





さ、そろそろ、まいりますか、昨年度の作品集から、選びました。 


あ〜こわ、それっ!
 (^O^)/






■■■  ( ^^) _U~~ 佳作3作品 ( ^^) _U~~  ■■■



★ 地雷踏む ★



高2生と、進学先についての会話です。

講師 『君たちの力から考えれば現役東京六大学は譲れない線でしょう?』

生徒 『ですよね。先生、六大学って法政が一番下ですよね?』

講師 『わ・悪かったな!!



もう一つ

生徒 『先生、大学どこだったんですか?』

講師 『ストレートだな、慶応大学だけど…』

生徒 『ふ〜ん、(別の生徒に)、ねえねえ、それっいいの?』

講師 『うっ』

(日直:東大しか知らないんですってば…)






★ 親日!西遊記 ★

講師 『そして玄奘三蔵は経典を得るため、インドを目指したんだよ』

生徒 『あれ、その話知っている!坊さんが色々家来を連れて旅するんでしょ?』

講師 『おっ、偉い!そうそう、どんな家来がいたっけ?』

生徒 『え〜と、サルとねぇ』

講師 『うん』

生徒 『とぉ〜』

講師 『い・いぬ?』

生徒 『あ、あと キジ だ!』

(日直:完全に、中国版桃太郎、鬼退治になってます(笑)。正しく覚えましょう!孫悟空が猿で、猪八戒は豚、沙悟浄が河童なんですね)





★ と・と・とんでもございません 

講師 『おお、何か最近お母さんに似てきたな』

生徒 『先生!それは 太った ってことですか!』

講師 『お・お前、何てことを…』

(日直:危ない会話です。すぐに切り替えなければ(笑))








■■■ (^_-)-☆ 優秀賞3作品 (^_-)-☆ ■■■



★★ 用件は? ★★

居残りで遅くなった生徒に・・・

講師 『家に電話してから、帰りなさい!』
生徒『はい、電話借ります』

自宅に電話がつながりました・・・いきなりこの生徒、

  『もしもし何?

(日直:お・お前がかけただろう!ってね)





★★ 悪魔の職員室 ★★


講師 『こうして秘密を知りすぎた千利休は、商人であるにもかかわらず、切腹を命じられたのでした。』

生徒A 『先生、せっぷく って何ですか?』

生徒B 『え〜おまえ、聞いたことないのぉ??』
講師  『よ〜しB。じゃあAに説明してあげなさい』

生徒B 『う〜ん、っていうか普段、学校とかでよくやるでしょ?』

講師 『え?切腹よくやるんだ???

生徒B 『だって、こないだもP(友人)、

        職員室で先生に2時間も"せっぷく" されてたし…』


講師 『 に、二時間も!!?? せ・切腹 』

(日直:そりゃたいへんだ(笑))






★★ 不意打ち、うっ! ★★

フランス料理ではカエルも食べるという話で、

生徒 『せんせ、カエルって英語で "ケロッグ" ですよね?』

(日直:「ケロ」がいかんのかなぁ。カエルは“フロッグ(frog)”ですね)  







●●●
 !(^^)! スットコ大賞 !(^^)!  ●●●


 



★★★ 罪な問題 ★★★




定期テスト後、そのまま教室に来た生徒がいました。


講師 『おう、どうだった、今日の社会の時事問題できたか?何が出た?』

生徒 『先生、結構できたよ!だけど、一個だけさぁ、自信がないんだけどさぁ、見てくれる?この問題の答え何?僕は“みずほ”って答えたんだけど…』

講師 『みずほ?ほう、どれどれ…』 



【問題】 不正経理隠しをした疑いで、副頭取や幹部が逮捕された銀行は?

1.UFJ  2.みずほ 3.三菱東京 4.三井住友


講師 『UFJじゃん。ニュースで何回もやってるだろ?なんで間違えたん?』

生徒 『えっ、うそ!ホント〜?な〜んだよぉ、みずほじゃないの〜、

     お父さんの会社UFJなんだよ〜 


講師 『な・なにぃ? お父さんUFJ? 』

生徒 『お父さん、給料は減って大変だけど、悪いことしてないって言ってたよ』

講師『・・・・・・・・・・・』

(日直:お・おめでとう、スットコ大賞…)


 


     


   以上です。 




ど・どうでしょうか…。さぁ〜運命やいかに、スタジオの○○さ〜ん?




はい、スタジオの○○です。投票です。結果は明日ご報告します。


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ふ〜、いや、取り上げる本は、一日一冊くらいはあるのですが、さすがに冬期講習も近く、ブログを書く時間が足らなくなりつつあります。そこで、当教室のメルマガで紹介しているズッコケ話、『スットコくん』をブログにのっけてしまおうと。そういうたくらみですわ。



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posted by VIVA at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年11月16日

『大学への数学 1対1対応の演習(新課程版)』東京出版 【受験参考書(問題集)】

 


大学への数学 1対1対応の演習.jpg



私も使いました、【大学への数学】。次々出てくる、英語の参考書と違って、数学は定番がチャートや本書など、変化がないんですね。ただ、昔の重厚な黒光りした、妥協は許さん!といった感じのデザインとは、すっかり変わってしまったんですね。


内容はどうなんでしょう。 今回は、代々木校の教室長、伊藤先生にお願いしました。二度目の登場です。数学や算数のことなら、何でも聞いて下さい。 すらすら答えてくれますよ。


以下が伊藤先生の書評・解説です。


■■■

大学への数学、通称 “大数” と呼ばれているバイブルのようなテキスト。今回はこの大学への数学1対1対応の演習シリーズを取り上げます。特徴などを列挙しておきます。

1.数学が苦手な人は手を出してはいけません。

数学を得意とする人、ある程度の学力がある人が、より力を磨くために利用するのに適した問題集と言えるでしょう。偏差値で言えば60以上の生徒が用いてちょうど良い感じでしょうか。


2.例題の多くは良問ですが、やや難しいと思われる問題もあります。

扱っている例題は、入試で確実に得点できれば合格レベルに届くだろうという問題で、どれも良問と言えます。解説は基本を知っていてある程度の学力があるという前提のもとで書かれているため、それほど丁寧というわけではありませんのでご注意を。


3.例題のあとにある演習題は、例題と難易度の差があります。

解法や道筋が分かっても計算量の多さも手伝って、なかなか正解までたどりつくことが出来ず、イライラするかもしれませんし、ある程度の時間の消費を覚悟しなければなりません。例題を理解して正解まで自力で導き出すことは出来るが、演習題となると解けない場合や、正解までたどりつかなくても、あまり気にする必要がありません。


4.記述する際、解法を自分で把握し、整理できなければ満点の解答は得られません。

それだけ難易度の高い問題を扱っています。ですから本書に掲載されている例題および演習題が理解でき、最後まで正解が得られるまでになれば、相当の実力者になれることでしょう。


5.総合すると、難関校狙いの生徒にお薦めです。

ただし、最初に申し上げました通り、基本がないままに手を出すと掲載されている問題数は少ないものの、逆に効率の悪い勉強となってしまうでしょう。
青チャート もしくは赤チャートの方が問題数も多くありますので、ある程度の重要例題や解法パターンを身につけた上で、本書を利用するというイメージが良いでしょう。


書かれている字の大きさも小さく、用いられている用語も一切妥協しておらず、とてもアカデミックな雰囲気を漂わせ、まさに『大学への数学』というネーミングに恥じない内容の問題集と言えるでしょう。


■■■


なるほど、見かけは変わっても、中身は変わらずか〜。昔の友だちのようなもんだ。


それはさておき、伊藤先生、実に男らしい、実名ですよ。しかも北島三郎が好きらしい(これ内緒)。

伊藤先生のブログには、自分の写真まで!!!

必見→ → 『代々木の個別学習塾講師が想う、あれこれ』  ついでに質問してもOK!


他に取り上げてもらいたい参考書や問題集などがありましたら、お気軽にどうぞ。


 
大学へのブログ

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『大学への数学 1対1対応の演習(新課程版)』東京出版 【受験参考書(問題集)】数学T、数A、数U、数B、数V、数C 


 




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「田村のやさしく語る現代文」 田村秀行 

 

田村のやさしく語る現代文.jpg



現代国語の参考書を紹介しましょう。現国は初めてですね。紹介してくれるのは中川校のRYU先生。何でも、本当に何でも知ってますよ、この先生。アイドルから東洋哲学まで!いるんですよね、塾にはたまにこういう天才肌の先生が。頭の中どうなってるんでしょうね。

その上、今年のサッカーワールドカップの初戦、【日本VSオーストラリア】 の敗退をスコアーまで、ピタリ!と予想してから、教室では預言者として、講師陣、生徒の両方から尊敬のまなざしを集めております(笑)。


しかも教室一声がでかくて、熱い!まさに熱い授業で人気抜群です。 お顔もこの本のイラスト↑に似ているような気が…。


以下がRYU先生の書評・解説です。



■■■

声と態度のでかいRYUです(ペコリ)。

現代文を読むときに、「文法」というものを意識している受験生がどれくらいいるでしょうか?

英文を読むときにはしっかりSVOCをチェックし、古文を読むときには品詞分解をして助動詞の意味を確定しているのにもかかわらず、現代文を読むときに 「文法」 を使っている人はほとんどいないのではないかと思います。

現代文でも、古文でも、英語でも、文書を読むという作業の基本部分は共通しています。その一つが「文法」です。

この本の特徴は、「文法」 を利用した読解の仕方、解答の仕方について丁寧な解説がされていることです。もちろん、通常の読解方法や練習問題の解説についても紙幅を割いて記述されているので、中堅大学レベルの現代文であれば十分に対応できます。

普段日本語を使っている日本人だからこそ、ついついおろそかにしがちな「文法」。現代文が苦手な人は、まずはこの本で読解に必要な文法を確認して下さい。



■■■



以前、私がご紹介した、『大学受験のための小説講義(石原千秋)』は抜群におもしろい一冊でしたが、小説のみで、どちらかといえば教養書的な雰囲気です。


本書は、文法を駆使するんですね。確かに、英語の授業をやっていても、国語の文法がわかる人は、英語の文法なんか簡単に理解しちゃいますから、国語も英語もできますよね。なるほど、私も読んでみたいですね。




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「田村のやさしく語る現代文」 田村秀行 
代々木ライブラリー:127P:846円


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『授業を変える 学校が変わるー総合学習からカリキュラムの創造へ』佐藤学

 

授業を変える、学校が変わる.jpg



自殺や未履修問題のどさくさにまぎれて、と言ってはきついかもしれませんが、昨日、教育基本法の改正案が、委員会で与党単独採決をされ、今日にも衆議院を通過する運びです。

安倍内閣の最重要法案で、“国民も改正を望んでいる” その根拠にしていたタウンミーティングの議論でやらせが発覚。大問題だと思うのですが、未解決のまま。一方の民主党も、自民党以上に乗り気かと思わせた時期がありましたが、いつの間にやら、絶対反対の社民党なんかと組んで審議拒否。


これまたどっちもどっちでがっかりです。 まじめにやれ!と言いたくなります。


さて、その教育基本法、”愛国心” ばかりが取り上げられますが、その疑問は以前に 『 愛国心 (田原総一朗、西部邁、姜尚中) 』 のところで触れました。

みなさんは教育基本法読んだことがありますか。わずかA4用紙に1ページくらいしかありませんので、ぜひ全文お読み下さい。 当教室のHP上にUPされています。


→ 教育基本法全文 http://tokkun.net/kihon.htm


どこを読んでもまずそうなところはないと思いませんか。この法律を急いで変える必要がどこにあるのか。

また、制定された当初(昭和22年)、日教組はこれを“官僚的な悪文だ”と、制定そのものに反対でしたが、今は「今の教育基本法は子どもたち一人一人を大切にする素晴らしいものだから改正は必要ない」と言います。あれ? このように日教組の姿勢が180度変わってしまったのはなぜでしょうか。 


実は改正のポイントは第十条。そこに、「教育は、不当な支配に服することなく」 とあります。過激な教員や組合はこれを拡大解釈して、学校から “管理” という考え方を徹底的に排除してきました。

戦前の教育に対する反省から、権力に屈せず、良心に基いて生徒に向かい合うのは結構なことですが、干渉がないことをよいことに、教職を聖域化してしまい、日の丸、君が代問題や、指導要領軽視の根拠になっているとしたら、やはり大問題でしょう。

教育の場で政治闘争をするのは避けて欲しい、と度々訴えました。ですから、制度いじりをするならば、やはりもう少し現状を正確に把握して欲しいということで、佐藤氏の著作を紹介します。


佐藤氏は東大教授です。他の教育学の先生方と異なるのは、一貫した現場主義とでも言うような行動力です。教育というものに関してはとかく、政治家、官僚、学者、組合や親まで含めて、机上の空論がまかり通ってしまうことがあるということを認識しておられるのでしょう。

学級崩壊など問題のある学校に入り込み、徹底した議論を行い、改革を実践し効果が上がるまでつきあう、というかかわり方をするのです。“学校のお医者さん” あるいは、“先生たちの先生” と言えそうです。


以前、別の著書の中で、佐藤氏は、「新しく出たばかりの教育関連の本を10冊読んだが、著者10人、誰一人学校に足を運んでいない」 と憤慨しておられました。

本書では佐藤氏がかかわった実例を紹介しています。もちろんいくつかの共通の問題があるのですが、やはり子供に個性があるように学校も各々異なっているとおっしゃっています。

宮台真司氏などは、佐藤氏のことを 『学校が自由になる日(宮台真司、藤井誠二、内藤朝雄) 』 の中で強く批判しています。言いたいことはわかるのですが、今だ、学校は良いところという “ 共同幻想 ” を持っている私には、同意はできません(笑)。

父母というより、教育関係者向けの本かもしれません。



http://tokkun.net/jump.htm (当教室HPへ)




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『授業を変える 学校が変わるー総合学習からカリキュラムの創造へ』佐藤学
小学館:238P:1995円


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『ゴロで覚える古文単語ゴロ565(ゴロゴ)』 板野博行

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ゴロで覚える古文単語ゴロ565(ゴロゴ).jpg

京都大学合格者数、16年連続日本一の名門、洛南高校。洛南でも今ごろになって、履修漏れが見つかったようですね。いや〜驚きました。補習が間に合うんでしょうか。心配ですが、とにかく、早く全部表に出て欲しいですね。受験生も不安でしょう。

ついでといってはなんですが…、“洛南高校” といえば、あのドラゴンイングリッシュの竹岡先生の母校で、やはり京大OBですね。竹岡先生の教え子は大丈夫でしょうか。がんばっていただきたい。

竹岡先生の著作もこれまで『ドラゴンイングリッシュ基本英文100』 入試超難関突破!解ける!英語長文』『センター英語[文法・語句整序・リスニング]の点数が面白いほど取れる本』をご紹介紹介しました。よろしければ参考にして下さいね。


さて、今日は、古文の2冊目、あのゴロゴです。受験と関係ない方は、ヘンなコミック本に見えるでしょうが、実はこれが人気の単語暗記用テキスト。よく売れているんです、本当に。ちょっとエッチな語呂合わせまで入れて、イラスト+CDで記憶に残す作戦です。

書評・ 解説を書いてくれたのは、代々木の美人先生!プラ〜ス、超実力派 K先生です。厳しいですよ(笑)。


以下が、K先生の書評・解説です。どうぞ。


■■■

はじめまして。代々木教室で国語と社会を教えておりますKです。

ここで紹介する板野博之氏による 『ゴロで覚える古文単語565(ゴロゴ)』 は古文単語を語呂にあわせて覚えることを提案したものですが、すでにその標題からして予感させるように、そこで挙げられている「語呂」は、たとえば「こぼちゃんつっぱり皿壊す(こぼつ→壊す)」や「大橋巨泉ますますいらっしゃる(おはす、おはします→いらっしゃる)」といった、無意味な言葉の連なりによる異化効果がなければ、すらすら読めてしまって頭に残らないということなのかと疑いたくなるほど、日本語の文章として当惑せざるを得ないものがほとんどです。


文章だけからは何もイメージできない「語呂」を補完するため視覚、聴覚に訴えるべしと考えたのかどうか、それぞれに挿絵が添えられ、また必要とあらば著者自ら吹き込んだCDも、とまさに至れり尽くせりの感があります。


この本に限らず、参考書がかつてのしかめつらしい体裁を放棄し、「親しみやすさ」や意外性を強調する傾向は近年ますます顕著になりつつありますが、かつての日本語に他ならない古文の中に現れる言葉と現代の言葉は、著者のこうしたサービス精神を媒介せねばならぬほど今や隔たってしまったのでしょうか。


これまでの参考書は、学ぶべき事項が良く整理されているか、しかるべき知識を伴った解説が施されているか、そしてその本を学ぶことが大学入学後の勉強の礎となるか、という三点においてその価値が測られてきたように思われますが、板野氏の単語集が大変な好評を得ているという事実に鑑みると、昨今愛される参考書の条件とは、先に挙げたもののうち、第一の点に関しては水準を満たしているとしても、第二、第三の点に関しては、別の価値基準が導入されているのではないかと思われてなりません。


ともあれ、受験勉強であっても、「学力」は時間をかけて机に向かい、反復して学習することで身体化できるものだと分かっているでしょう学生の皆さんが、それでもなお古文に違和感を抱いてしまうようなら、手に取って驚いてみるのも一興かもしれません。


■■■


はは、私は古文が苦手でしたので、生徒の持っていた本書を見て、『おもしろいなこれ、なかなかやるじゃないか〜、ケケケ…』 などと 喜んで見ておりましたが、お恥ずかしい(笑)。


受験生諸君!
         【学問に王道なし】


There is no royal road to learning !  

    と言います。紙に
書いて、張っておこう!


というわけで、今日は、 王道歩め!受験生!としておきましょう。


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アルス工房:264P:999円

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2006年11月15日

『みんなのなやみ』 重松清 よりみちパン!セ

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みんなのなやみ 重松清.jpg


いじめや履修漏れに関する、私の教育コラムに関しまして、拙文にもかかわらず、多くの関心を寄せていただきました。

記事に対するコメントは、それほど多くないのですが、トップページ左のカウンターが1500近くいくのは、私にとっては大変驚きでした。

また、いつもお願いしております、“人気blogランキングへ”、というやつ、いつ落ちるかわかりませんが、今のところは、過去最高点を記録しております。信じられないことですが、どうしても届かなかった、“1位の半分”をクリアーしております。心からお礼申し上げます。


と申しましても、読書ブログですので、つたないコラムよりは、なるべく良書をご紹介したほうが、みなさんのお役に立てると思いますので、書籍を中心に、本がない時にコラム、あるいはヘタな写真ということで…、写真が出たら、あっ、ネタがない、あるいは、時間がないと思っていただけるとうれしいです。今後ともよろしくお願いします。


さて、今回の、いじめによる自殺に関して、みなさんはお子さんと、あるいは生徒さんは親と話をしたでしょうか。今日の一冊は、子ども用に書かれておりますが、親にも大変役立つ内容です。小6の息子との我が家の会話などは


私『君の学校でいじめはないの?』
息子『う〜んとねぇ、ないよ』
私『なんだ、なんだ、それ、ありそうじゃないか』
息子『あれは、いじめじゃないよ』
私『お前、やってないだろうなぁ〜』
息子『いや、ぜったいやってないけど、すごいへんだから、からかわれる子がいるの』
私『バッカ!やめさせなさい、だまってないで。その子つらいかもしれないだろう』
息子『でもその子ね、ほんとに自分勝手で、他の子がかわいそうなくらいなんだから』


これでは、その子はいじめられているんだか、まわりに、迷惑をかけていじめているんだかわかりません。本書では、“いじめられている友だちを助けたい” という相談に対して、重松氏は、誰にでも人をいじめたい、踏みにじりたいという気持ちが人間にはあるとまず認めようと言います。あなたにだってありませんかと問いかけます。

つまり、↑の会話ではないのですが、誰がいじめても、いじめられても不思議ではない。加害者と被害者は表裏一体だと。


例えば、インターネットの掲示板を見れば、みんなが人を罵倒しあっているし、テレビのバラエティー番組などで、お笑いタレントがいじめと同じようないたぶられ方をして、なぜ、われわれ視聴者はおもしろがるのか、考えてみようというわけです。


そして、子どもたちの世界は、大人を入れたがらないことが問題をむつかしくしている。担任の先生に言っても、“ごめんなさい” を言わせておいて、仲良くなとフタをするだけで、何も解決しない場合が多いとも指摘します。

そうなると先生には、その後言わなくなり、いじめがエスカレートする場合もあると。ただ、必ず近くに一人は気にしてくれている大人がいるはずだから、いじめに関しては、誰でも良いから信頼できる先生を一人見つけて相談するよう勧めています。

ナイフ』 といういじめを扱った短編集があるだけに、適切なアドバイスだと思います。

いじめだけでなく、多くの子どもの悩みに答えてくれています。家族、体、学校、恋愛などなどです。以前ご紹介した、養老孟司氏の 『バカなおとなにならない脳』 も言い方は、重松氏とまったく異なりますが、おもしろい一冊ですので、合わせてお薦めします。


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『みんなのなやみ』 重松清
理論社:198ページ:1260円

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馬事公苑の花【名前教えて】

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ちょっと一息入れて下さいね




馬事公苑ー花2(白小).jpg  馬事公苑ー花(赤小).jpg


花の名前を知りません。どなたか教えて下さい。


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2006年11月14日

『履修漏れ、公教育軽視の背景(総合的学習に異議)』 

 
■ここ二日間で拙ブログにいろいろなご意見を頂戴しました。未履修問題に関し、“学校をかばう”気は毛頭ありませんが、高校がここまで多く、そういう行為に出た背景の一つには、間違いなく“ゆとり教育”の問題があると信じています。

また、いじめ、自殺報道に関して、学校や校長などのシステムを取り上げるより、家庭や社会のしつけの問題だというご指摘もあります。ただ、やはり現実的に行政機関がまず手を付けられるのは、学校教育の制度問題だと思います。


行政が、愛国心などを含め、心やしつけの問題に手を突っ込むのは極めて難しいので、できるのは制度を改革することではないでしょうか。いじめを許す、あるいは見逃している親や地域の意識に問題があっても、法律で、すぐに何かを改善するのは困難です。


そこで、予定を変更し、特に履修漏れの背景になっている高校の指導要領の一部について、こういうことにつながるのではないかと危惧した拙文を掲載させていただきます。


これは、2003年、今から3年半前の3月、私が公立高校の学力低下問題などを含め、当教室 の発行するメルマガに寄稿したものです。お読みいただければ幸いです■



■■■

 4月から公立高校で総合的な学習の時間が始まります。この制度により、教科学習の授業時間は一層減ることになるわけですが、広島県では既に10年ほど前から、高校進学希望者全入などの政策とともに、総合学科を先行実施していたのをご存知でしょうか。学習の強制や受験競争の徹底排除のためです。


 広島県教職員組合とともにその旗振り役となったのは、新聞、テレビなどに頻繁に登場している文部科学省の寺脇研氏です。当時は広島県教育長でした。


「広島県の公立高校の授業数は日本一少ない、それ以上を望むのならどうぞ私立へ」と言い放ったのでした。


 そしてその結果…、かつて教育県と言われた広島の教育に関するデータは悲惨な状況を映し出しています。大学入試センター試験の県別の成績は平成元年以降全国15位前後だったものが、平成8年には45位(10年にはついに最下位という報告も:広島市議会議事録)、人口300万人近い大都市であるにもかかわらず、平成11年、100校を超えるすべての広島県立高校を合わせても、東大合格者はわずか2名、京大は3名です。地元の名門広島大学においてさえ、広島県立高校出身の合格者数が激減してしまいました。


 それ以上に深刻な問題は青少年の非行です。いじめ、校内暴力は急増し、少年犯罪率は全国1位。ここでは細かな経緯は省きますが、広島の教育改革の思想と顛末、すなわち「強制の排除」から「学力差の拡大と全体的低下」その後「犯罪の増加」という流れは米、英で行われた改革のそれと酷似しています。

 寺脇氏はこの広島の惨状を反省するどころか、「総合学習は着々と成果を上げている」と述べ、現在はさっさと文化庁に異動してしまい、氏の大好きな映画等が「心を豊かにする」などとアピールしている始末です。絶対に自らの非を認めないこの文部官僚の体質こそ改革の最優先にすべきです。

 同じく「ゆとり教育」に失敗し、子供の非行や公立校の学力低下問題に悩むイギリスでは、昨年モリス教育相が子供の学力を上げると公言し、テストで目標点に達しなかったという理由だけで潔く辞任しました。彼我の教育行政の差はいったい何なのでしょう。

 一方すっかり教育荒廃のシンボルとされてしまった広島では、県議会、市議会でも学力、非行問題がたびたび取り上げられました。今、小中全校での学力テスト実施、学力向上対策重点校の指定など、これまでとは全く逆の競争原理の導入政策で必死に教育の立て直しを図っているところです。


 ゆとり教育推進の日教組でさえ、研修会で「総合的な学習の時間」には多くの教員が不慣れで困惑している現状が報告されました。

 「自分の専門外の指導を求められ、何を教えたらいいか分からず時間をつぶしていて、大半の学校が困っている」「総合的学習は“お荷物”で、結局、生徒の希望より教諭のやりやすい内容を押し付けてしまう」と告白しているのです。


 高校教師に対する最近のアンケートでそれが裏付けられました。何と7割近くの先生方は 「やり方が分からない」 と答え、6割は 「不必要」 とまで考えているのです。にもかかわらず、このまま日本中の公立高校で、この4月から総合的学習の授業が展開されてしまうのです。


 先生方、本当にそれで良いのでしょうか。現場を知らない官僚や大臣とは異なり、既に先生方は日頃の授業で、学力低下を肌で感じていらっしゃるはずです。

 綿密に練られた、熱意あふれる授業であれば、たとえそれが受験に関係はなくとも、子供たちにとって一生の財産になる可能性がありますが、教師が 「半信半疑」 で組み立てた授業など、双方にとって苦痛以外の何ものでもありません。このままでは子供たちはますます学習から遠ざかってしまいます。

 学校が週休二日になった上、この制度で科目学習が減らされるわけです。公立高校はただでさえ3割削減した学習内容しか身に付けていない中3生を受け入れなければならないはず。

 さらに国公立大学の入試科目は来年から7科目に増えるという状況で一体何にどう対処できるというのでしょうか。“好ましくない” という表現を通り越して、“無謀でリスキー” な改革が続いていると申し上げなければなりません。

■■■



虚偽の申告をした高校は、もちろん許せませんし、いまだ知らん顔というのは信じがたいのですが、それとは別問題として、私が、いじめや履修漏れ問題の背景に、どうしても現場では受け入れがたいような、文部科学省の指導要領の問題があることを認めるのは以上のような認識があったからです。


当時、これほどのことがわかっていたのに、ゆとり教育を導入してしまったツケが、前代未聞の履修漏れと関連していると考えております。

また、これほど現場が反対していても、表立って、教育委員会や文科省に異を唱えることの難しい、中間管理職としての校長という立場、今になって責任を感じて自殺に及んでしまうその立場に同情を禁じえないのです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。政治活動などとまったく関係なく、単に生徒の学力向上や精神的安定を願うのみです。こういう声が理解されるかどうかわかりませんが、多少なりとも賛同していただけましたら、テキストバナーにクリックをいただけると大変ありがたいです。どうかよろしくお願いします

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『速読英単語(必修編)』 風早 寛著 (増進会)Z会

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速読英単語 必修編.jpg


以前申し上げましたが、当教室には私なんぞより優秀な英語教師が何人もおります。これまでも、“ターゲット”や“キクタン” を取り上げましたが、今回は、中川校のKOU先生に、これも単語学習の定番、“速読英単語(増進会)”を紹介していただきました。

以下が、KOU先生の書評・解説です。


■■■

こんにちは、VIVAさんと一緒に、高校生に英語を教えているKOUです。他人の家におじゃましたみたいで、緊張しますね(笑)。

本書は、先日立ち寄った有隣堂でも、受験用英単語帳人気第1位になっておりました。

「文脈の中で単語を覚えさせる形式」 の草分けであり、その分野では対抗馬が見当たらない状況の本書ですが、私が受験で使った頃はまだまだ認知度が低かったので、隔世の感があります。

また、当時は増呈版でしたが、現在は改訂第4版が流通しており、以下のような改善点が見られます。

まず、文章内容に多くの変更点はないものの、@「かなり平易な英文に」書き換えられています。必須1500語(改訂版は1850語)レベルの単語帳なのに、かつての英文では難易度が高く、速読教材として必ずしも適当ではなかったので見直されたのでしょう。

また、A「読み下し式の和訳」B「語源コラムの充実」C「出題頻度順の語義」D「熟語・コロケーション・語法解説の充実」など最近の英語学習における流行をそつなく網羅した感がありますね。

さらに、学習法はもちろんのこと、別冊ではE「出題英文の簡単な解釈解説」とご丁寧にF「英語学習Q&A」までついていますから、一人で学習する際に困ることは少ないでしょう。


ただ、他の単語帳もそうであるように、誰にでも薦められるわけではありませんので、以下のことに注意して下さい。

まず、「英文法はひと通り学習してあり、簡単な解説と和訳で英文の仕組みを理解できること」。そうでないと独習は厳しいでしょう。

次に、「この単語帳を使って学習する十分な時間があること」。英文読解を含みますので、他の単語帳よりも格段に時間を要します。学習法通りきちんとやったら1単元に1〜2時間は必要です。

最後に、「英語長文を読むのが大嫌い、ではないこと」。英文を読むのに苦痛を感じるようだと、途中で投げ出すか、英文を読まずに単語だけ覚えることになりがちで、そうであれば始めから別のタイプに取り組んだ方が効率的です。


まとめると、「学校・塾などで英文を読んで、出てきた単語・派生語を覚える」王道と呼べる語彙増強法を、ある程度一人でできてしまうよくできた単語帳ですが、それなりの忍耐力と時間を要しますからその覚悟はして下さい、ということですね。

また、速読英熟語のイディオム、さらに難関大学志望なら速単上級編の語彙も必要になりますから、そこまできちんとこなして、となると、ますます時間を要します。かといって、これだけで英語学習はOK!でもありませんから、そういう意味では、帯に短したすきに長しになりかねない、意外に扱いの難しいテキストかもしれません。


■■■


なるほど、さすがKOU先生ですね。私もそんな気がしておりました(笑)。大変良くできた単語集なんですが、単なる暗記のための単語帳というより、テキストレベルですから、この一冊で英語を磨くというくらいの気合がないと続けられない。

完璧を求めた単語集で、そのとおり仕上がっているために、返ってヘビーな本になって、完全に単語集というものの概念を越えてしまった、あるいは変えてしまった一冊ですね。完璧すぎるのがあだになっているというか…。


しかもボリュームたっぷりですから、やるには相当な根性が必要かなという気がします。


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『速読英単語(必修編)』 風早 寛著 (増進会)Z会
増進会出版:464P:1050円
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2006年11月13日

『遺書―5人の若者が残した最期の言葉』Verb 

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遺書 verb.jpg



このままでは、自殺は無くならないし、無責任体制も温存されてしまう” 

と、コラム に書いたばかりなのですが、また、“生徒の自殺”と “校長の自殺” が同じ日に報じられるという、やはり異常事態ですね、残念ながら。

自殺報道は連鎖を引き起こすということの証明にもなってしまいました。こんな風潮の中で、絶対に死んではいけません。子どもはもちろん、校長先生だって。


もちろん、私には自殺を止める権利も義務もないけれど、本当にそう思います。教育問題で自殺者が出るのは、特に悲しいと感じます。


“校長先生” という立場は、生徒にとっては当然、“一番偉い先生” ですが、現在の教育委員会や文部科学省のしくみ全体で眺めて見ますと、実態は“中間管理職” のようなものに見えます。


これまで、『高校を変えたい や 熱血!ジャージ校長奮闘記 をご紹介しましたが、校長の悩みは、端的に言えば、教育論や子どもや親そのものというよりも、日本の教育制度とそれにまつわる人間関係です。上(教育委員会)と下(教員)に反感を持たれたら何もできず、その中で必死に工夫をされています。


生徒が自殺をする。いじめがささやかれ、遺書や家族の証言が紹介され、テレビで顔を隠した同級生の、“いじめ” をほのめかすインタビュー。そして、校長の会見、“自殺の原因をいじめとは断定できない”という趣旨の、はんで押したようなコメント。

なぜ同じコメントなのだ、きっとそう言わざるをえないのではないか、という印象を持つのは私だけではないと思います。

もし制度が今のままなら、自殺報道の際は、校長と一緒にその学校を管轄する教育長がきちんと顔を出すべきだと強く感じます。品川区の教育改革をご存知でしょうか。賛否両論あるようですが、若月教育長が子どもや地域のために先頭に立っているからこそ、学校のまとまりという大きな組織が “動く” のだと思います。

具体的な施策がすばらしいというより、とにかく仕組みがそうなっている、学校を変える早いやり方は、校長を責めるのではなく、教育長の意識改革することではないでしょうか。

逆に…、ゆとり教育の論争時に盛んにゆとり教育を持ち上げていた、文部科学省の寺脇研氏。盛んにテレビに出演されていましたし、著作もいくつか残っていますから、ご存知の方も多いでしょう。

彼が、テレビなどに出演する以前、広島県の教育長時代にやったことを見れば、システムがよく理解できると思います。なぜ当時、広島の教育があれほど荒れたのか、やはり校長の自殺もありました。興味のある方はぜひお調べ下さい。


本書は、悲しくも自殺を選んだ若者の遺書の実物の公開、そして自殺後の遺族などを取材したドキュメンタリーで、すべて実名、完全ノンフィクションです。

第1章:前島優作(13歳)
第2章:伊藤大介(25歳)
第3章:伊藤準(13歳)
第4章:鈴木善幸(14歳)
第5章:秋元秀太(19歳)

いずれも読むに耐えないような内容です。実際の遺書は、警察に指紋採取され、汚れてしまっています。 主にいじめを苦に自ら命を絶った若者の遺書を編集したものです。

遺族のコメントを交えてつづられる文面にはものすごい重みを感じます。 もちろんこのようなことをして失われた命が戻ってくるわけではないのですが、無念を世に伝えるため力を振り絞る遺族の方の気持ちを察すると言葉を失います。


自殺は、本人は覚悟の上ですが、そののち、まわりにどれほどつらい思いをさせてしまうのか、知ってもらいたい。それ以上に…、

いじめている連中に読ませたいのです。


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2006年11月12日

『異邦人』 カミュ 窪田啓作

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異邦人 カミュ.gif


1942年に刊行された、いわずと知れた世界的名著です。私が高校生くらいの時に読んだはずなのですが、あまり印象に残っていませんでした。しかし、最近読んだ別の本の中で数多く、「異邦人」 から引用されている部分が気になって、もう一度手にとってみました。

40歳を超えて再読してみますと…、


『 きょうママン(母)が死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない。』 


この一文から始まる話しの中に、生と死、神、人間の情や非合理性などがぎっしり詰まっていたことに、やっと気付きました。

母の死の翌日に女と遊び、コメディー映画を見に行き、「太陽のせい」 で仲間のために殺人を犯してしまい、神による救いを拒絶し、大勢の前で処刑されることを望む主人公、ムルソー。


平和で高度成長のさなか、希望ばかりがあふれていた時代に育ち、とりあえずは勉強さえすればよかった高校生、世の中の表だけを見ていた当時の私にとっては、こういう精神世界は理解不能だったのでしょう。今の高校生ならわかるのでしょうか。


“30歳で死んでも、70歳で死んでも大して変わりはない”、 という命題、一つの考え方ではあっても、共感を持つことはできません。まして他人に主張などしませんが、実際にそう考える人の生き方もあるし、それを魅力的に主張する人や集団もきっといるでしょう。外から見ていて、行き過ぎだとされると、“カルト” と呼ばれたりします。


今、自殺に意味を見出そうとする生徒や校長先生もいるし、それが連鎖を呼ぶという現象が起こっています。もちろん当人たちはいたってまじめですね。

“いじめ” 、“自殺” はいけない、母親の葬式には悲しむもの、当たり前じゃないかと言いたいのですが、そうでない人間がいる。人間の本性は、きれいごとばかりではありませんし、それを明確に認識してしまった人々は、美しいスローガンには嫌悪感を示します。自分をだまそうとしていると感じるのではないでしょうか。

みんなで仲良くしましょう、で事が済むのなら教育は易しい。自分の “本心を知ってしまった” 人間には、学校教育は無力だと、最近特に感じます。


ムルソーは、自分の本能に忠実に生きる、自分の心に、ある意味では“正直”に生きています。

しかし、読者は逆に、そういう生き方に意味があるのかと考えざるをえないでしょう。“建前なしで生きる” ことは、本当に立派なことなのか、あるいは美しい生きざまなのかと。

中学で習う、“万人の万人に対する闘争” のホッブズロックルソーなどの思想、社会契約論 を考えても、近代の教育というのは、人間の本能を抑えさせるためのもの、建前を教えるもの、とも定義できそうです。


日本でも動機不明と思われるような事件はいくらでもあります。頭がおかしい、というのは簡単ですが、人の思考というものは、自分が冷静に正しく考えているつもりでも、客観的に見れば、教育や時代や文化によって、すでにかなり制限されていますよね。

まったく別世界の人から見れば、誰でもみな多少“異常”な部分を自分に持っているのだと思います。教育をする側は、その相手の思考や感情を察するだけの思いやりや洞察力が必要だなぁと、私は感じながら読んだのですが…、


サルトル はじめ、世界中の専門家による“異邦人”の名書評があるそうですから、これ以上偉そうなことを言うのは控えます(笑)。



 
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 (2位です。初の1位の半分へ)       (現在1位です。ありがとうございます)



『異邦人』カミュ 窪田啓作
新潮社:146P:420円


カフカ 『変身』、も生徒に読んでは欲しいので、取り上げましたが、本当に紹介が難しいし恥ずかしい。できれば検索でもして、たくさんの書評を参考にして下さいね。はい、弱気です(笑)。
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2006年11月11日

『現在の教育問題 (いじめ ・ 自殺 ・ 高校未履修問題 )』

■この記事は、私が 当教室 のメルマガ今月号に寄稿したものです。拙文ですが、お読みいただければ幸いです■



 センター試験まで、あと70日ほど、こんな時期になって大変な問題が起こりました。

 いじめによる生徒の自殺もショッキングですが、世界史や家庭科などの履修漏れ問題が、全国の高校生を襲いました。悲惨にも、この問題が、二人の校長の自殺という事態にまで発展してしまいました。


間違いなく、日本の教育史に大きな汚点を残す事件です。


 根の深い、信じられない規模の不正です。“履修もれ”というといかにも、記入もれなどと同じで、過失、つまり単なる不注意に聞こえますが、実際は意図しておこなったわけですから、履修義務違反事件、犯罪ともいえます。

 自分は知らないまま、必修科目の未履修があるとわかった高校3年生の諸君には、気の毒としか言いようがありません。

 本来なら、このメルマガで特集でも組んで、丹念に継続的に情報を集めなければ、この全貌は把握できませんが、とりあえずここまでの感想を述べます。



 まず自殺をされた校長先生がいる一方で、いまだに未履修に対して知らん顔を決め込んでいる学校があります。生徒たちは自分自身が世界史や家庭科の授業を受けていないのを知っていますから、彼らに“一緒にだまっていよう”と言っているに等しいわけです。最低の教育です。

私が直接生徒に聞いただけで、5校もありますから、全国ではどれほどあることでしょう。


 こういう学校では、“君たち生徒のために”、と言いながら、実は校長の立場や自分の組織を心配しているだけ。

 推薦書類や内申書で、また教育委員会に虚偽の報告という犯罪を、生徒と一緒に隠すのです。これでは、正直者はバカを見て、“ウソをついた方がトク”という教育ですから、まじめに規則を守っていた高校はだまっていられないでしょう。


 ただ、それにしても未履修の学校が多すぎます。私がゆとり教育導入に反対した理由の一つは、公立の小中高校の学習内容を減らす一方で、逆に国立大学の受験科目を増やすという、明らかに矛盾だとわかる政策だったことです。


 そんなことをすれば、ますます学校と受験の実情が乖離し、高校の授業は、進学希望の生徒の興味を失うものになると指摘しました。その通りになりましたが、それを受けて、学校は正当な努力をするのではなく、虚偽の報告という不正手段に訴えたわけです。


 言い換えますと、現場を知らない文部科学省や教育委員会の指示など、高校側から完全に無視されていたということになります。文科省は、学校を“指導する”、校長を“教育する”などという前に、自らの体質やその政策を反省する必要があります。


 どっちもどっちというのがこの問題の本質。日本の教育界の一番の問題点は、責任が明確でないことです。学力低下問題や、ゆとり教育の問題にしても、誰も結果に責任を負いません。生徒が自殺した事件でも、“いじめ”を隠そうとする教育委員会や学校側の態度は許しがたいものでした。


 自殺の原因を“いじめではない”とすることで、校長や教育委員会の責任のがれになりますが、同時に、いじめをした生徒を罰したり、再教育したりすることもできなくなってしまうのです。もちろん教員も処分されません。

 子どもの命が絶たれているのです。それでよいはずがありません。


 今度の未履修の責任はどうなるでしょう。文科省は、補習は70時間や50時間でよいなどと言っていますが、自分たちの監督責任について、私の知る限りは言及していません。


 ウソの申告をした校長らは罰せられるのでしょうか。また、校長一人で時間割を組めるはずがありません。教頭、教務主任など、時間割にかかわった連中も知っていたはずです。

 しかし、おそらく補習さえすれば、それ以上の責任追求はないでしょう。卒業生に対する補習など、現実的ではありません。


 では誰が責任を取るのか、よく考えてみて下さい。大人たちの責任逃れのあげく、結局、今年の受験生に、“補習”という形で、すべての責任を押し付けてしまうことになりませんか。

 現役生が一番伸びる今、受験と関係のない授業を何十時間も聞かされるなど、たまったものではありません。そして、それをすべての免罪符にするなど、とんでもないことです。


 本来なら、補習ボイコットをしても良いくらいのひどい話です。ところが制度上、受験生は逆らえませんね。単位をもらわなければ大学受験資格がありませんから。

 福岡で自殺した中学生も、先生にひどくからかわれていましたが、絶対評価では、内申書が先生の印象で左右されてしまう以上、やはり逆らえない、この構図とだぶりませんか。


 最近、繰り返し報道された、文部科学大臣に対する自殺予告の手紙、以前にもあり、嫌がらせなら卑劣この上ない出来事ですが、そうした理不尽な制度に対する、子ども自身の心の叫び、あるいは反乱ではないかと感じています。“学校に行きたくない!”という意味の…。


 このように、今回の一件も、教育界の人々の無責任さが露呈されてしまいました。今の時点での解決策では、自殺も無くならないし、この無責任体質も温存されてしまうでしょう。こんな空気の中でまともな教育がなされているとは到底思えない、非常に残念な事件でした。

 まずは、文部科学省は解体的出直しを図る以外ないと思うのですが、いかがでしょうか。



■P.S.■ ここで終わると、身もふたもないので、長くなりますが、最後に、ひとつ、ちょっとだけ良い話を…

 毎年、東大・京大合わせて150人ほども合格者を出している、日本有数の進学校、灘高校。その灘の高3の英語教諭である、木村達哉先生と私は親しくさせていただいております。が、残念なことに、灘高でも家庭科などで、履修漏れが発覚しました。

 それが報道された直後、私は、木村先生が出版物の打ち合わせ中にもかかわらず、

“木村先生のフェアプレー精神を信じたい。すぐに、ブログで事実を公表して、お詫びのメッセージを出していただきたい”とメールをし、数回やりとりをさせていただきました。

 何と言っても、灘ですから、注目度が違います。週刊誌もテレビ局も遠慮なく、学校、生徒に寄ってきます。下手な対処をすれば、木村先生のブログが炎上するリスクもあります。

 やや逡巡されたかもしれませんが、木村先生は翌日すぐ、履修漏れの事実の公表と、自らの認識不足に関し、真摯なお詫びの記事をブログに出して下さいました。

 そうした先生もいるのだということもお伝えしておきましょう。


■■■ 以上です。







http://tokkun.net/jump.htm



このブログを読んでいただいている方はご存知だと思いますが、木村先生とはもちろん、キムタツ先生のことです。それにしても、こういう声が普通だと考えます。もちろん自分が世間一般を代表するなどと、大それたことは思っておりませんが、そういう意見が大きくならないこと、また“学校に勤め、先生と呼ばれる立場にある人々”が保身に走り、事件をごまかそうとする態度に、正直、苛立ちを覚えます。


長々と最後までお読みいただき、ありがとうございました。こういう声を大きくするために、できましたら、下のテキストバナーに賛同のクリックをいただけるとありがたいです。

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2006年11月10日

『算数 ベストチェック ―中学受験用』日能研ブックス【受験算数・参考書/問題集】

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算数ベストチェック.jpg


今回は、代々木教室の伊藤先生が、中学受験の算数で話題になっている一冊を取り上げてくれました。

中学受験は参考書選びが難しいですね。大学受験以上に幅があるかもしれませんから。良い本らしいのですが、使い方を間違えては害にしかなりません。

よくお読みになって下さい。もしご質問があればお気軽にどうぞ。

以下が伊藤先生の書評・解説です。



■■■

受験算数として必要な内容が細かくパターン別に整理されており、使いやすい問題集となっています。問題のレベルは高くなく、むしろ易しいと言えます。

使い方としては、一通り受験算数を勉強し終え、きちんと理解できているか、ちゃんと勉強した内容が頭に残っているかどうかの確認には最適でしょう。また急に受験を考え、時間的に余裕がない生徒が基本を一通り勉強する場合にも適しています。

本書一冊を勉強することで概ね受験算数の内容をカバーすることができます。しかし、あくまでも基本的な問題ばかりですので、受験する中学校の入試問題レベルを頭に入れておかねばなりません。 中堅以上の中学ではこの一冊だけで勝負することはできません。

したがって受験直前のこの時期であれば、受験校の入試問題の傾向を見て、不必要と思われる内容は省き、必要だと思われる分野だけを学習しても良いでしょう。

残念ながら、解答解説は詳しくありませんので、間違えた問題や分からなかった問題があれば、誰か算数を教えることができる大人に解説をしてもらって下さい。

特に特殊算に関しては、様々な解法がありますので、本書の要点のまとめにある解法に不慣れな場合や、全く別の解法で習っている場合もあるでしょうから注意が必要です。

図形はよくまとまっていますので、図形分野が苦手な生徒は確認しておくと良いと思います。


繰り返しますが、短期間で受験算数の基本を身に付けたい生徒、入試直前に内容を確認したい生徒にはお薦めの問題集です。ただし、くれぐれも受験校の入試レベルを確かめてからにして下さい。


■■■


ということでした。質問は伊藤先生のブログ 

→ 『代々木の個別学習塾講師が想う、あれこれ』 へ。

もし、他に取り上げてもらいたい参考書や問題集などがありましたら、お気軽にどうぞ。なるべく、生徒やご父母のご要望にお応えしたいと思います。

 毎度言っておりますが… ガンバレ受験生!

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『算数 ベストチェック ―中学受験用』
日能研ブックス:173P:945円
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春琴抄/谷崎潤一郎■ローマ人の物語T/塩野七生■星の王子さま■竹取物語/星新一訳■土佐日記/紀貫之


        ■■■ 厚さ1センチ (10ミリ) 以下の本特集! ■■■

今月の当教室のメルマガは、忙しい受験生でも読めるように、厚さ1センチ以下の本。メルマガに先立って紹介しちゃいます。

先生方に“ 1センチ以下でお願いしま〜す ”と言っただけなのに、どういうわけか古典的名作がそろってしまいました!これなら、名作特集でも良かった。受験生でも読める“薄い名作選”になりました。ちょうどいいや、それ、どうぞ!



春琴抄.jpg



『春琴抄』 谷崎潤一郎■ (新潮文庫300円) 【106ページ・ミリ】 

春琴につかえる佐助との間の愛情を描いた作品です。春琴は薬問屋のお金持ちで、意地悪で、頑固で、わがままなお嬢様でありましたが、芸事には素晴らしい才能を持っていました。しかし幼いときに盲目になってしまい、春琴の家に奉公にきた佐助が彼女の目となり世話をします。身分や立場の違いを越え、二人は親密になっていくのですが、支配する側とされる側という関係は保たれたままであり、佐助の献身的な愛情には異様ささえ感じられます。そしてついに春琴が顔に負った火傷がもとで佐助は自らの目に針を刺してしまいます。最初から最後まで映像が目に浮かび、美しくもあり、ゾクッと背筋に何かが走る心持がし、強烈な印象を残してくれる一冊です。



ローマ人の物語.jpg



『ローマ人の物語T』塩野七生■ (新潮社 420円) 【197ページ・9ミリ

副題は「ローマは一日にして成らず」。ローマ誕生から共和制に移るまでを描いています。ヨーロッパにはローマ帝国に関して多くの著作が残されていますが、塩野氏は独自の史観を曲面ごとに披露してくれます。神話によれば羊に育てられたロムルスが双子のレムスを殺した時からローマの歴史がスタートするわけですが、それ以前のギリシャの状況なども詳しく説明し、ローマが生まれた時代背景を浮き彫りにします。私は三国志も大好きで、登場人物、人間模様は魅力にあふれていると思いますが、やはりそこは史実から離れて、創作部分がかなり入っているためか、戦いの歴史はスピード感、躍動感に溢れていても、リアリティーに欠け、行動の動機は常に同じトーンですね。本書はそれとは違って、人々の行動の描かれ方は単純ではなく、史実を追い、諸説を紹介し、時に氏の考え方が紹介されます。U以降も楽しみです。 




星の王子さま.jpg



『星の王子さま』サンテグ・ジュベリ/池澤夏樹訳■(集英社文庫 381円) 【143ページ・9ミリ

「星の王子さま」というタイトルを知らない人はほとんどいないと思われます。また、どこかで一度はその一部分ではあっても読んだことがあるのではないでしょうか?しかし、その内容をちゃんと覚えている人はどれだけいるでしょう。私もタイトルしか覚えていない一人でした。久しぶりに読んでみますと、その詩的表現の素晴らしさに驚いてしまいました。旧来の訳を覚えてはいませんので、実は池澤夏樹氏の新訳が素晴らしいのかもしれませんが、とても柔らかい雰囲気が漂った作品です。 




竹取物語.jpg



『竹取物語』星新一訳■(角川文庫 400円) 【190ページ・8ミリ

SFの名手が挑んだ古典の名作。星新一と言えば『未来イソップ』などのパロディも多いのですが、これは結構忠実で、しかも分かりやすい。巻末には原典も載っているので勉強にもなります。小学生にも読める内容で、大学受験生にも話の筋を押さえる上で役に立ちそうな本です。話の途中途中で星新一の気の利いたコメントが入っているのもマル。




土佐日記.jpg


『土佐日記』 紀貫之/三谷栄一訳■ (角川書店 399円) 【107ページ・5ミリ

今まで古文はそれほど読んではおらず、教科書に出てくるような代表的な文章くらいしか目にしたことはありませんでした。土佐日記に関しても、男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり・・・という出だしの文章だけ知っていました。今回何気なく読んでみようかなと思い読み始めたら、すぐに読み終わりました。知らなかったのですが、ページ数にして100ページちょっとという、短いものなのですね。また、その頃の日記は漢文で書かれたものが多いそうですが、紀貫之は女性の立場で仮名書きで書いています。後ろにある現代語訳とあわせながら、比較的読みやすかった文章でした。他の古文にも挑戦してみようかなと思わされる一冊です。

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バラ薔薇

 


文部科学省は単位未履修問題をずっと以前から報告を受けていたそうですね。


自殺に未履修問題、混迷を深める一方のようで、本当に今年の受験生諸君には同情を禁じ得ません。

 馬事公苑ーバラ3黄色(小).jpg


馬事公苑ーバラ2(小).jpg


馬事公苑ーバラ(ピンク小).jpg


しか〜し、大人がいくら薔薇でも


今も昔も受験生は

やるっきゃない!”


  じっと耐えて、春を待つ…


ガンバレ受験生!

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2006年11月09日

『海馬−脳は疲れない』池谷裕二、糸井重里

 
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海馬.jpg



大変、評判になった一冊ですが、いまだに良く売れており、受験生に役立つ情報が入っておりますので、この時期に紹介しようと思っておりました。

本書のおかげで、“海馬” という言葉が、かなり知れ渡ったのではないでしょうか。英語では、【hippocampus】 というのですが、hippo はカバの略称ですが、hippo−は “馬の” という意味の接頭語です。hippocampus は馬のキャンパス。キャンパスは校庭、広場ですから、英語では “馬の校庭” となる海馬は、記憶をつかさどる脳の部位です。


池谷氏は、1970年生まれ、まだ30代の新進気鋭の“脳”学者です。糸井重里氏はコピーライター、ご存知ですよね。ネットでも、 ほぼ日刊イトイ新聞 が有名です。


科学がこれだけ進歩している現代でさえ、人間の脳のしくみに関してはまだまだ解明されていないことばかりですが、今、注目を浴びている研究が 『海馬』 についてのものであり、池谷氏はその第一人者。

今、理系大学の最先端の研究で、科学者が注目しているものの多くが、“脳” と “心” に関するものなんです。心といっても、文系でなく、理系です。 科学の話はたいてい、難しいのですが、本書は対談形式で非常に分かりやすく書かれています。全くのしろうとでも大丈夫でした。

これまで世間一般に言われる、『年をとると記憶力が落ちる』や『長時間使うと脳は疲れる』など脳に関する常識は、まったくの誤解であると述べています。 受験生が読んでも役立つ情報がたくさんあります。

暗記方法や睡眠について教えてくれていますし、やる気を出す方法や、なんと、頭を良くする食べ物もあるそうです。 池谷氏は、小学校2年生でやる、九九を覚えていないそうですが、独自の計算方式を脳に関連して説明したりしてくれます。

以前ご紹介した、『脳の中の人生(茂木健一郎)』 も読みやすいのですが、どちらかといえばエッセー風でした。こちらはより読者が、易しく“勉強できて役立つ” ことに主眼をおいた感じでしょうか。

目次を紹介しておきます。

第1章:脳の導火線
第2章:海馬は増える
第3章:脳に効く薬
第4章:やりすぎが天才をつくる


各章のおわりに、まとめがあるのも大変良いと思います。

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『海馬−脳は疲れない』池谷裕二、糸井重里
新潮社:344P:620円

あれ、今気付いたのですが、私が購入したのは、単行本で、朝日出版社というところからそっくりのデザインで出ていました(1785円)。文庫は新潮社のようです。こんなことあるんですね。
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2006年11月08日

『イラク』田中宇

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田中宇 『イラク』.gif


イラク問題は、自衛隊が引き上げたこともあり、日本では報道が減っていますが、今回のアメリカの中間選挙では、景気問題以上に関心が高いそうです。帰還兵たちの立候補は、強烈なインパクトがありました。

イラクの人々の生活も大変でしょうが、アメリカ兵もイラクで毎日命を落としている訳ですから、関心が高いのは当然です。選挙結果は、ブッシュ大統領には相当厳しいものになったようです。


“大量破壊兵器があった” と自作自演しようとしましたが、世界はそれを許しませんでしたね。そのやり方は、ベトナム戦争のきっかけのトンキン湾事件を思い出しますが、時代が変わったのでしょう。

今では、アメリカ国民までブッシュ政権のイラク政策に“No!”を突きつけた結果になりました。選挙直前のフセインの裁判もムダだったようです。


先日は、『アメリカの保守本流』広瀬隆(著) をご紹介しました。そのコメント欄でも話題になった田中宇氏の著作です。広瀬氏同様の反米精神は、『ハーバードで語られる世界戦略』 田中宇、大門小百合(著) の中でも、ハーバード大学に対し、“アメリカの陰謀を練っているこんな大学はクソ食らえ” とあることからもわかります。


感情むき出しの書き手ですと、反米であれ、親米であれ、私は読む気がしなくなるのですが、やはり田中氏の知見は、“記事の寄せ集め”という批判があるものの、興味深い指摘にあふれているので、いまだにメルマガは読んでいます。


本書は、イラク戦争の直前の様子(2003年1月)と、歴史の両方を同時に学ぶことができる一冊です。田中氏は『イラクとパレスチナ アメリカの戦略』で、ネオコンと中道路線の対立もわかりやすく解説しています。 

開戦当初は米英両軍がイラクを、瞬時に軍事掌握した形になり、「次はシリアだ」 とブッシュ大統領が息巻いていました。戦後復興に世界の金を集めようとしていますが、本書を読むと「復興協力」「経済協力」ではなく、「補償」しなければならない国がある、と改めて感じます。

確かに、そもそも、「シリア」「ヨルダン」「イラク」「サウジアラビア」「クウェート」などと分断したのは誰でしょう。国境線が直線なのも異様ですね。パレスチナの地にイスラエルを建国する二枚舌の約束もありました。


筆者は、「朝鮮半島・ドイツより古い分割統治」 であり、その国のお家芸を超大国がきちんと継承している、と書いています。テレビや新聞が「大本営的報道」一色になっていた当時、改めて歴史を学ぶ重要性を感じさせてくれた一冊です。

イラク戦争は、2003年に始まりましたから、もう3年以上になります。アメリカの選挙でたとえ、共和党が破れ、2年後民主党政権になったとしても、戦争に巻き込まれたイラクの人々に平穏な日々が訪れるわけでなさそうです。


そこが戦争のおそろしさですね。引くのが難しい。イラクはアメリカの努力もむなしく、アメリカ政権がどちらであっても、もはや内戦状態にあるのではないかという報道まであります。本書で描かれる、開戦直前のイラクの人々の明るさは、とても印象的でした。

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 『イラク』田中宇
光文社:235P:735円
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【倫理・政経・現代社会】大学入試センター試験対策・過去問題集・予想問題・実戦問題集 (赤本・白本・黒本・青本)の使い方

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大学センター試験過去問研究.jpg センター試験過去問レビュー 倫理 河合塾.jpg 駿台 センター試験 タ戦問題集.jpg 想問題 旺文ミ 政経.jpg 駿台 センター試験 タ戦問題集.jpg 


倫理・政経・現社に関して、↑ ↑ ↑ にあるような本の使い方を、社会のカリスマ講師、genio 先生に解説してもらいます。きっと今頃、あわてて買っている人も多いでしょう。

時間がないだけに、慎重に問題集などを選び、正しい使い方をしてください。

以下が genio先生の説明です。どうぞ!


■■■■■

理・政経・現代社会、つまり公民分野のこの3科目については理系の受験生も勉強していることが多いので、問題集の上手な活用の仕方についてお話したいと思います。

まず3科目の特性ですが、倫理は思想、政経は文字通り政治と経済、現代社会は倫理・政経の範囲に加えて、青年期や適応機制も勉強しなければなりません。範囲の広さだけをみると倫理がもっとも楽な感じがしますが、逆に広い範囲ではない反面、密度の濃い、したがって深い問題が出題される傾向が強いですね。

最終的にどの科目の勉強が楽かということよりも、どの科目で実際に自分は点が取りやすいかをまず考えるべきです。その際、センター試験問題集を使いましょう。


別段何の準備もしていない時点で60%取れれば大いに可能性があります。逆に30%程度の人は、受験まで半年を切った段階以降は、諦めるべきです。

次に11月の現時点でこの問題集を活用する方法についてお話しましょう。

どの科目も深く勉強すれば、それこそ日本史・世界史に匹敵するか、あるいはそれ以上に難解な学問です。倫理は難解な言葉の意味内容まで、政経は微分・積分を使った内容まで、現代社会は際限ない範囲を勉強しなければならなくなります。

したがって今の時点で、センター対策として必要なアイテムは、センター試験の過去問と用語問題集です。

流れを理解しなければならない歴史とは違って、ある程度一問一答形式も奏効するでしょうが、センター対策の公民であるならばセンターの範囲に特化して鍛えるべきです。

そのためにも徹底して過去問を解きまくって、躓いた言葉の意味内容を用語集でチェックしてマーキングする作業を繰り返しましょう。そうすることによって、使っている用語集はどんどん頻度の高いものから目立つようになっていきます。

流れとしては、
60分過去問演習 → 5分答え合わせ → 15分用語集チェック(つまり1日80分)が理想的です。最初の演習は30分で終えられる人もいるでしょう。

ここで大事なのは、用語集を読んでも意味不明なものについては付箋を貼っておいてあとで先生や友達に聞くということです。一人でいくら悩んでも答えは出ませんし、常に時間との戦いだということを意識しておくことです。


■■■■■ 

用語集が必要なようですね。 センター試験まであと70日くらい。まだまだ得点は伸びる。最後までがんばろう。


genio
先生のブログ

→ 『試験に出る!時事ネタ日記!』 


【倫理・政経・現代社会】
大学入試センター試験対策・過去問題集・予想問題・実戦問題集 (赤本・白本・黒本・青本)の使い方

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2006年11月07日

『英単語ターゲット1900(4訂版)−大学入試出る順』 宮川幸久

 
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英単語ターゲット1900.jpg




前回の 『英作文のトレーニング』 の解説が好評だった、独身、ハンサム、英検1級の福原先生にお願いしました。

単語暗記といえば、ターゲット、根強い人気があります。いかがでしょう。

以下が福原先生の書評・解説です。

■■■■■

こんにちは。今回取り上げるのは、『ターゲット』、単語集の定番です。“target”という単語の意味を知らないけど「ターゲット」はとりあえず持っている、そういう高校生さえいるとの噂です。(未確認情報)

10月に改訂版が出ました。結論を言いますと、配列や例文などをマイナーチェンジしたようですが、旧版を捨ててまで買う必要はないでしょう。

私がよく使っていたのは、さらにその前の第2版ですが、トップに登場する単語は昔も今も変わらず “succeed”。 このこだわりは良いとして、続いて“accomplish” や “fulfill” など、同系の意味の単語が続くというグルーピング。

どうなんでしょうか。見た目の整合性はありますが、「成功する」→「やりとげる」→「果たす」と一連の流れの中で答えていくだけでは個々の単語は身に付かない気がします。


そして、この弱点(?)を補うべく、単語カードが別売りされています。1セット1260円で3セットまで買わないと、本体に収録されている全ての単語をカバーできないという見事な抱き合わせ商法ぶりですが、本体をただじっと眺めているよりははるかに効果的だと思います。(なお最新版対応のカードはまだ本屋さんで確認できていません)
また、CDも欲しいところですが、CD付きだと、5枚も!あって 2310円。


「ターゲット」に限らず、単語集というのは、買ってからの「使い方」次第だと思います。手にすることによって、“これさえ覚えれば完璧だ”、という安心感はターゲットならではですが、誰もが同じような商品を買っているわけですから、使いこなしを工夫しなければ差はつけられません。

単語でお悩みの際は、いつでも相談に乗ります。
代々木教室 
で待っています。


■■■■■


う〜ん、そうですね。ターゲットは、何でこんなに人気があるのでしょうか。バイブルと化しているような気がします。

ブラッシュアップテストが日本語訳の三択なんですが、これはちょっと使えないですね。当たってもあまり意味がないし…、問題形式にも工夫が欲しいですね。


かなり高度な単語まで含まれていますので、志望校の過去問などをよく検討して、本当に全部覚える必要があるのかどうか考えて欲しいですね。 他に様々な工夫のほどこされた単語集がたくさん出てきましたので、その点でもやや見劣りするというのが私の意見です。


いずれにしろ、キクタンのところで言ったように、●単語集の鉄則● を思い出して下さい!


ブランド信仰、禁物!

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 『英単語ターゲット1900(4訂版)−大学入試出る順』 宮川幸久
旺文社:475P:1050円

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『キクタン−聞いて覚えるコーパス英単語【スーパー12000】英語の超人になるアルク学参シリーズ』 一杉武史

 


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キクタン.jpg


他の先生に頼らずに、私VIVAも一つ(笑)。 

実は、単語集のコメントも欲しいという要望が多いのですが、これまで、単語集の紹介や解説は避けてきました。

というのも、単語集は、他の参考書以上に、生徒の好みや、学力や志望校によって、合う、合わないという面が強くありまして、ネット上で相手の学習状況を知らずに、“お薦め” というのは “危険” です。

もう一点、やる気満々ではじめても、丸々一冊、完全に覚え切る生徒が極めて少ないため、それをあてにしてしまい、他の単語学習をやらない場合、結局どちらも身に付かず、最悪です。それよりも授業で使った単語の暗記を徹底して欲しいとからという意味です。


当教室では、ほとんど授業で使ったテキストや過去問から単語を選び出し、それに同意語や関連語などを羅列して覚えていく方法がもっとも効果的だという方針です。東大、京大、早稲田、慶応、上智であれ、それで十分おつりが来ます。


そう信じてまるっきり疑っておりませんが、こうしてブログをはじめると、読者の方はこちらの生徒ではありませんし、それぞれの特徴だけでも良いから、専門家の目で判断したことを教えて欲しいという声があり、当塾にもほとんどの単語集はそろっておりますので、それにお応えしようということです。


というわけで、他の英語講師から、『これ、なかなか良いですよ』 と持ってきてくれた一冊、灘高キムタツ先生が、ブログで絶賛しておられたのが本書ですが、私は少し異なる意見です。教える相手が、灘高生という、日本有数のトップクラスか、そうではないかの違いかもしれませんね。


極めて個性的な一冊です。最大の特徴は、チャンツと呼ばれる、音楽を流しながら、【英単語→日本語→英単語→まとめ】 という流れで、どんどん聞きながら進められることです。

正直、音楽というのはどうなんだろう、飽きるんじゃないかと思いましたが、そんなことはありませんでした。 単語は文の中で覚えるというのが、王道ですが、文やフレーズはテキストに任せ、CDでは単語のみを次々聞かせ、効率よく頭に残してしまおうという作戦です。

テキストの方も予想以上に丁寧。フレーズ、文、派生語までしっかり書かれており、その点は高く評価できます。

アルクで試聴できます。こういうところは良心的。ぜひ聞いてみて下さい。本物より音質は悪い気がしますが…。

→  
http://shop.alc.co.jp/spg/v/-/-/-/7006064/


さて、問題は、このスーパー12000は明らかに、大学入試レベルを越えています。使うとしても、その下の6000語レベルで充分でしょう。本書は、上智大学や慶応の総合政策や環境情報の受験者で、英語が極めて高度で、配点が高い受験生だけでよいでしょう。

よく見たら帯に、ハーバードだって行けるかも!だって(笑)。このレベルは英検一級、あるいは、TOEIC満点ねらいですね。


もう一点、アルクは本書の単語選択に、SVL12000という分析を使っているようです。それ自体は非常にすぐれた、英語学習や、ボキャブラリービルディングの目安になりますが、その重要度のランク付けが、受験英語と若干違う印象を私は持っています。


その意味でも、本書は単語学習の中心にするのではなく、6000レベルに留めて、それ以上は、別のテキストや過去問などからひろったらどうでしょうか。

利点は、通常、本でいちいち文を確認しながら進めるというのは、相当な忍耐力が必要ですが、本書なら、音楽を聴きながら覚える方法を取っていますので、格段に継続しやすい点です。

仮にテキストに飽きてしまっても、CDだけなら、何とかなります。ただし、それでも、聞いたことがないものばかりの、難し過ぎるのは危険です。

通勤通学で、時間をかける人には、向いている一冊だと思います。


●単語集の鉄則● 

どんなにすばらしい単語集だと、先輩や先生が言ったとしても、万人に合うものはない。自分の目で判断するか、自分の実力や性格を良く知っている人に判断してもらおう。なるべくなら、別売りでなく、CDが付いているものが良い。何よりも、学校や塾の授業で出てきたものは、最優先で覚える。

(使い方が間違っている人も多い。その点に関しては、また別の機会に)


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『キクタン−聞いて覚えるコーパス英単語【スーパー12000】英語の超人になるアルク学参シリーズ』 一杉武史
アルク:376P:1680円


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2006年11月06日

『美と共同体と東大闘争−三島由紀夫VS東大全共闘(討論)』YouTube(動画付き)

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美と共同体と東大闘争.JPG


日本共産党(筆坂秀世)』 をご紹介させていただいて、その本やあるいは拙文よりも、頂戴したコメント、特に学生運動に関するものに刺激されました。

実は以前より、学生運動が盛んだった時の、学生らを惹きつけた理想や理論を知りたくて、本書を読んでいたのですが、レベルが高いというか、観念的というか、おもしろいところと、意味不明なところが半々くらいでしょうか。

もちろん、私自身の無知が一番の原因ですが、ご紹介して、何らかのご意見を伺いたいという一冊です。



例えば、わからない一節を抜粋しますと、時間ということを議論している中で、三島が未来について …


??????? 以下抜粋です ???????


三島『(前略)われわれは未来というものに手を伸ばす時に、そこに闇の中に確かに人がいると思ってこうやってさわってみたらいなかった。アッという時の瞬間の手の握り具合−私はそういうものが未来だと思うのですね。』

全共闘C 『それは時間がイマージュだからじゃないですか。』

三島 『イマージュかもしれないね。ここに何か固いものがあって…ここに壁があれば安心だ…』

全共闘C 『記憶や時代は抹消されてるでしょう。抹消されるわけじゃないですか?』

三島 『それが抹消されないのだね、おれには。』

全共闘C 『時代は抹消されていますよ。』

三島 『時代は抹消されても、その時代の中にある原質みたいなものは抹消されないのだよ。君らたとえば戦後の時代というものを二十年間ね…。』

全共闘C 『だからプレズンスそのものを見よと言い出すやつがいるわけでしょう。』

三島 『そうだ、それはおれも同感だ。』

全共闘C 『だからこそ、弁証法もイマージュというやつがでてくんでしょう。』

三島 『それも同感だ。』

全共闘C 『その時にイマージュとしての時間がこわれるわけですよ。』

三島 『しかしイマージュとしての時間はだね。』

全共闘C 『記憶が抹消されるのは、過去は自立しないわけだし、当然そのアンチテーゼとしてせり上がってきた未来も消えるわけで、その辺の無時間性にどう対処するかが問題であって、過去があるのないのということは意味ないですよね。』

三島 『それはね、君の言うのはね、つまり無時間性というものに逃げ込んでいるのだ。』

全共闘C 『じゃないのだけどね。』

三島 『それはそうだ。つまり、君の言うのはね、おそらくアンフォルメルな未来の形態を現在から過去まで全部のっぺらぼうに…』。

??????? 以上です ???????



一方で、天皇の問題など、非常におもしろい内容も含まれていました。


先日、毎日新聞の在日の記者による、天皇に対する言説が非常に問題になりましたが、全共闘の側の天皇に対する意見を読み、それで今だに、天皇(制度)を強く嫌悪する人がいるのかと思った次第です。

最後に双方が、自分の意見をまとめて、討論を振り返っています。そこで双方とも、相手に矛盾があり、自分が正しかったと主張しているわけですが、私には三島のいわんとすることはわかりましたが、全共闘側の主張はやはり観念的で理解できませんでした。



本書をとりあげました、もう一つの大きな理由は、YouTube で、この時の映像を偶然、見つけたことです。ここでは、分かりやすいところだけ、あるいは、天皇に対する侮辱などが含まれていないところだけで編集されていました。

よろしければご覧下さい。本書の雰囲気が感じられ、大変、刺激的でした。


【三島VS東大全共闘】(1969年5月)

http://www.youtube.com/watch?v=3dKnQ63iUSc  



推薦図書などがあれば、教えていただけるとありがたいです。


http://tokkun.net/jump.htm 


『美と共同体と東大闘争−三島由紀夫VS東大全共闘(討論)』
角川書店:173P:420円 


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2006年11月05日

『化学I・IIの新研究―理系大学受験』卜部 吉庸 【参考書】

  
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化学1・2の新研究.jpg



今回は、化学のテキストを取り上げます。

分子だの、“H(水素)” や “C(炭素)” の手の数だの、目に見えないものを扱うのが化学、 “おいおい、酸素に手があるのかい?” って、どうしてもわかりにくい。

白状しますが…、私も大嫌いでした、化学の “モル”(笑)。 好きなのは “モルツ”…。


エッヘン、それはさておき…

当塾 の最年少教室長の monta 先生によれば、得意であれ、苦手であれ、理系の諸君には、まずは揃えて欲しい一冊だそうです。

以下が monta 先生の解説です。


■■■■■

VIVA先生と一緒の教室で、化学などを担当させていただいている、monta です!

受験生のみなさん、化学はやさしい。モルだって簡単、簡単、へっちゃらです。

栄光のゴールまで、がんばっていきましょう!


この本は、問題を解いていて、わからなかった部分を調べる辞書的なものです。ほとんどのことはこれを調べれば載っています。ページ数も700ページを越え、その分、値段も高い本なのですが(笑)、それに見合う中身も詰まっているので買う価値は間違いなくありますね。

なぜそうなるのかという理屈が大切な化学の勉強にとって、生徒のかゆいとこまで手が届く、そんな本です。この本の副題にもあるのですが、理工農・医師薬・生物系および保健・医療系を考えている人のためのものだと思います。

センター試験だけを乗り切ることを考えた文系の人には、ここまでは必要ないでしょう。それほど高度なものは出ませんから、薄くてよいものはたくさんありますが、“チャート式新課程新化学1” (数研出版) が良いと思います。

理系の中でも、医師薬系を受験する人は、チャートですと、物足りなさを感じるはずです。 私は本書の旧版も持っていたのですが、使いすぎて汚くなってきたのでもう一冊買いました。

新版の本書には、コラムがところどころにあるのですが、その部分に新しい話題が追加され、その内容も、フラーレンやカーボンナノチューブのようなホットな話があり、受験生にとってためになるものは多いです。

お得ですよ。

■■■■■




 夢の第一志望へ……

 
  行くぞ〜!受験生!



http://tokkun.net/jump.htm (当教室HPへ)




『化学I・IIの新研究―理系大学受験』卜部 吉庸
三省堂:728P:2625円



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『物理教室』 河合塾物理科 大学受験(理科・参考書)

 
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物理教コ.jpg



物理です。中川教室の長老(おっと、余計なことを)、御大の登場です。御大でも名前は Pochi (笑)!

以下が Pochi 先生の書評・解説です。


■■■■■

Pochi でございます。 VIVAさんとは10年以上、一緒にやっておりまして、まぁ〜、ようわからんうちに、この年ですわ(笑)。どうぞよろしく。

この参考書、何よりもまず、例題の選択がすばらしく的を射ており、典型的な大学入試問題を通して解法手順をしっかり確認することが出来ます。

次に公式や物理現象がどのような計算によって導きだされているのか、ちゃんと数学的な側面から解説されています。

ただし、微分方程式などの高度な数学を多用しているわけではありませんので、高校数学から逸脱したような数学の知識は必要なく、数学と物理の関連性がとても良く理解できます。

国公立理学系大学の入試問題においては、理論を考察させる問題は誘導形式でよく出題されますから、これらの理論解説は読み飛ばすことなくしっかり追いかけて理解しておくことが大事です。 自分でも導き出せる状態にしておけば完璧です。

公式や解法手順の確認だけに使うだけでは勿体無いです。基礎からじっくり理解したい場合にはちょっと難しく感じるかも知れませんが、使いこなせば公式に当てはめて計算するだけの物理から卒業できます。

そして、この参考書が物足りなく感じるようになれば「難問題の系統とその解き方物理T・U新課程」(ニュートンプレス)などが次におすすめです。



■■■■■


ということだそうですわ。それにしても当塾のライバル、河合塾の本を推薦するとは!(笑) 

うそです。良いものは何でも使って下さいね。でも本当は、Pochi 先生の授業を直接受けるのが、一番なんですよ。ね、先輩!


自分に負けるな!受験生!

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『物理教室』 河合塾物理科
河合塾出版:459P:1780円

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『解釈のための 新・古典文法ノート』日栄社【参考書】

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日栄ミ古典文法2.jpg


受験生諸君!国語の勉強、古文・漢文はまだまだ伸びる!今日は代々木のマドンナ(古い?)、国語の aya 先生にお願いしました。

aya先生は、高校での受験指導の経験も豊富です。お任せしましょう。


■■■■■

みなさん、はじめまして。私は代々木教室で国語を教えております。よろしくお願いします。

本書は、受験を前にして、時間(とお金)をかけずに文法の総復習をしたい受験生にお薦めです。古典文法というと、大半の人は拒否反応を起こします。

志望校では文法問題は出題されないから、読解問題を解き、古語の意味さえ覚えればいいと思っている人もいることでしょう。問題をもう一度見直して下さい。

傍線部の現代語訳はありませんか。解釈の選択肢問題はありませんか。

一見、古語の意味を聞いているような問題ですが、実は古語と同時に助動詞や係助詞の意味も正確に答えることが要求されています。残念ながら、正解を導くためには文法の知識が必要です。

しかし、今から古典文法を復習する時間がないと嘆くかもしれません。そのような時に、お薦めの問題集です。

総ページ数が61ページと薄いですが、品詞、用言、助動詞、助詞、敬語法など古文を読むために必要な文法事項の説明がコンパクトにまとめられています。

左ページ上段に説明、下段に基本問題、右ページが演習という構成ですが、時間がない場合は、説明を読んでから基本問題を解き、問題文に現代語訳をつけるだけでも実力はつくと思います。

今からでも古典文法は間に合います。古典文法を理解して古文を得点源にして下さい。

■■■■■

この時期なら、これだ、という一冊だということですね。


http://tokkun.net/jump.htm  詰め込め、受験生!

『解釈のための 新・古典文法ノート』
日栄社編集所編:61P:357円

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『神さまがくれた漢字たち』白川静(監修)山本史也(著)よりみちパン!セ

 

神さまがくれた漢字たち.jpg



文化功労賞 や 文化勲章 など、数々の受賞をされた白川静氏が先日、亡くなられました。きっと日本一の漢字博士でしょう。追悼の意味で、本書を取り上げてみます。

本書は中学生以上を対象に、白川氏の後継者である山本氏が書いた、漢字の成り立ちについての一冊です。よりみちパンセのシリーズに入っています。


当教室 でも漢字検定を実施しています。受験希望者は、英検に劣らず熱心で、その数も多く、親も教師も、生徒にはしっかり漢字を身に付けて欲しいと考えます。

そういう方にうってつけの一冊、と申し上げたいのですが、残念ながら、本書はとても普通の中学生の手に負えるとは思えません。学校の勉強とは異次元の世界が広がっているように感じます。

中学生用のお薦めリストに入っていることが多いのですが、高校生どころか、大学の国文科でちょうど良いのではないかと思われるほど、歴史、文化において密度の高い一冊です。


白川氏は、熱心な研究によって、従来の漢字解釈を根底から覆してしまった、まさに文化の功労者なのです。従って、その理論の根拠となるものは、中国の古典書物などであり、漢文ですから、易しいはずがないのです。

例えば、『人』 という漢字は、人と人が支えあっている形からできたのだ、と聞いたことがありませんか。私は、子供の頃、学校でも、あるお坊さんからもそう習いました。

ところが、本書では、いくつか根拠を示したあとに “それでは人の尊厳を傷つける” として反論し、以下のように、解説します。

大変に長いので、抜粋しながら紹介します。本当は図での説明が必要ですが…
(出展などの部分は省きます)



■■■ 以下抜粋です ■■■


「人」の字形は、もとはすこし首をすくめた人を横から見る形で示されました。(中略)

もとより「人」は、崇高な存在として重んぜられていたわけではありません。かえって「人」は、神に試され、操作され、ときにはそのからだを傷つけられ、また神の意向のままに、たやすく生命を損ねてしまう場合さえあったのです。

たとえば甲骨文には、羊や牛とともに、「南人」と呼ばれる南方の異族、「羌人」と呼ばれる西方の異族の多数が捕獲され、生け贄として神にささげられたという内容の記事がしきりに見えます。

(中略) ひどく哀れな「人」の「物語」ではありますが、しかしそれから目をそらすことなく、あったがままの漢字の世界を語りつがねばなりません。

■■■ 抜粋以上です ■■■


省略しすぎて、ちょっと分かりにくいですね。すみません。

要するに…、

「人」の形を、勝手に二人が助け合うなどと、きれいごとで解釈せず、殺される存在として、肩を落としている姿から来ている、種々の記録を見ればわかる、

ということを、ゆがめないで、しっかり知っておこうという解説なのです。

他にも「切り取られた耳」や「棄てられる子」など、もっと悲惨な話しが続きますし、これまでの象形文字や会意文字といった分類、学校で教えていた漢字の成り立ちなど、ことごとく覆されたという印象を持ちました。

まったく新しい世界に、驚きの連続で読了しましたが、こうした新発見、信憑性の高い新説を出し続けた白川氏が亡くなられたのは残念でなりません。立派な後継者がいらっしゃるようなので、中国の漢字文化と日本の文化の違いなどが、さらに具体的な形で解明され続けることを願います。


本書に限らず、貴重な本をたくさん遺していただきました。謹んで、白川氏のご冥福をお祈りいたします。

 
http://tokkun.net/jump.htm 


『神さまがくれた漢字たち』白川静(監修)山本史也(著)よりみちパン!セ
理論社:172P:1260円


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2006年11月04日

『アメリカの保守本流』広瀬隆

 
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アメリカの保守本流.gif



プロ野球選手はアメリカが大好きなようです。松坂選手までアメリカに行ってしまうことになり、イチロー、松井…などなど、今や覚え切れないほどの超一流選手が大リーグ入り。田口選手のワールドシリーズでの活躍は、確かにうれしかった。

ところが、イラク戦争の混迷を受けて、アメリカ国内でも、また日本でもアメリカを批判する声が高まってきた印象ですが、同時に北朝鮮問題があります。今何かあった時に頼れるのはアメリカだけ。

日本人は複雑な感情でアメリカを見つめている。そんな感じでしょうか。

アメリカの情報通、ysbee さんから、『アメリカ人はなぜメディアを信用しないのか』 へいただいたコメントで本書を思い出しました。紹介しましょう。


本書の筆者、広瀬氏はイラク戦争に突入したアメリカを当初から激しく批判しました。かねてからイラク戦争にまい進するブッシュ政権には、大統領はじめ多くの石油利権にかかわる大臣や高官がいる事実は指摘され続けてきました。

イラク復興で生ずる利権も、アメリカ企業が契約済みというのも事実ですが、広瀬氏は、イラク戦争は利権などと全く関係なく、アメリカ社会の持つ本来的なしくみが必然的に引き起こした、殺戮だけが目的の戦争であり、早々にその失敗を予想していました。

その保守の持つしくみは、石油ではなく鉄道資本と石炭産業であるとして、その歴史を紐解きます。何と、アメリカ建国以来続いている、その利権構造、人脈がユダヤ資本と結びつき、途方もない財力を生み出しているというのです。

今、それを守ろうとする勢力がネオコンと呼ばれ、ブッシュ政権をマスコミ、軍事産業、金融界などを通して押えてしまったという指摘です。その構造と系譜を精査し、権力者がそれを国民に悟られないようにしているしくみを解説します。

そして、それを可能にしているのがロスチャイルド系のユダヤ資本であると繰り返します。


ちょっと待ってよ、本当ですか?言い過ぎじゃない?と問いかけたくなる一方で、これまで、ご紹介した、『官僚病の起源(岸田秀)』 や 『ロスチャイルド家―ユダヤ国際財閥の興亡(横山三四郎)』 と通じるところがあります。

ここに描かれていることが事実であれば、チョムスキーが 『9・11−アメリカに報復する資格はない』 で主張するように、アメリカは完全なテロ国家となり、特に今の政権は、犯罪まがいのことを平気で行なう最悪の集団ということになります。

また、“日韓を反目させるように仕向けたのはアメリカである” としたのは、金完燮(キムワンソプ)氏 の著作ですが、広瀬氏も 「アメリカの恥部を知ることが、アメリカが手招きするアジアの戦争から我々を守る活路である」 と主張します。


本当に引き込まれるように読みました。アメリカ社会を牛耳る保守のしくみを徹底的に解き明かした一冊ており、筆者がそもそもかなり反米であることを頭に入れた上で読んでいただきたいのですが、衝撃的な内容でした。



http://tokkun.net/jump.htm 


 『アメリカの保守本流』広瀬隆
集英社:254P:735円


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2006年11月03日

『アメリカ人はなぜメディアを信用しないのか』ジェイムズ・ファローズ著 池上千寿子訳

 
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アメリカ人はなぜメディアを信用しないのか.jpg




アメリカの中間選挙がもうじき行われます。ブッシュ大統領の共和党は、イラク戦争のベトナム化がささやかれ、株価は高いのですが、どうも旗色が悪いようです。もちろん、ここからウルトラCを狙って、何かやるという可能性がない訳ではないでしょう。

メディアが選挙結果に与える影響力は日本と同様、アメリカでも非常に強いのですが、そのメディア、特に、テレビ番組を本書は強く批判します。

副題は 『拝金主義と無責任さが渦巻くアメリカ・ジャーナリズムの実態』 です。帯には『田原さん、筑紫さん、久米さんにぜひおすすめの』と書かれていますね。確かに日本のテレビ局の視聴率競争も目に余ります。

いわゆる娯楽番組だけでなく、スポーツやニュース番組もイベントやワイドショーの要素が増えている気がしませんか。 自局の放送するスポーツイベントは、芸能人が出てきて、まるで世界中が注目しているかのようにしつこく宣伝しますし、視聴率の稼げる“みのもんた”は奪い合いですか。

長島一茂さんが、政治、教育ニュースにコメントしますし、古館さんは今や、看板キャスター。そのうちスマップでしょうかね。


アメリカでは、レーガン大統領の時代にメディアの規制緩和があり、やはり激しい競争が起こりました。いろんな影響が出たのですが、まず何よりも、大物アンカーマンがニュース番組に登場するようになりました。

やがて、彼らはたった一日の講演で平均的アメリカ人の年収以上を稼ぎ出してしまうスタープレイヤーになりました!そういえば、日本でも昔、久米宏さんの年収が、2億とか5億円?とか聞いて、びっくりした覚えがあります。

彼らがそれを手放すわけはなく、そうなるとかつては『真実を伝える』 というのが、レポーターやキャスターの使命だったのが、いまや『有名になる』に変わってしまったのだそうです。

極度に“政治的正しさ(PC)”に留意するあまり、主張がすべてリベラルなものになってしまい、それも庶民感覚からずれていると指摘します。一方純粋な公益だけを代弁するような主張はおもしろくないために、対立をあおったりもする。

さらに、政治家の多くはメディアのせいで “お金のためにくだらないことをしている、権力を乱用している人間” として見られてしまい、国民が政府を信用しなくなってしまった。また、視聴率をあげるために平気で番組の質を落としているということも指摘されます。

ここで批判されるアメリカのニュース番組はCBSの60 Minutes、PBSのNews Hour、CNNのCrossfire、ABCのThis Week などなど、いずれも代表的報道番組やニュースです。


実名でアメリカの大物キャスターなどが何人も批判されているのですが、私の知っている人が半分くらいでしょうか。全員分かればもっとおもしろいと思われる点で残念でした。 日本にもこんな本があればぜひぜひ読んでみたいと思います。


http://tokkun.net/jump.htm 


『アメリカ人はなぜメディアを信用しないのか』ジェイムズ・ファローズ著 池上千寿子訳
はまの出版:342P:2310円



P.S. アメリカの中間選挙に関して、受験生は、genio先生のブログで必ず確認!

→『試験に出る!時事ネタ日記




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『菅野の日本史B講義録 1〜4(立体パネル講義版)』代々木 ライブラリ−

 
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『菅野の日本史B 講義録 1〜4(立体パネル講義版)』.jpg



日本史の参考書を、という要望にお応えして、とりあえず、日本史受験生の定番、菅野先生の参考書を取り上げましょう。

今回は genio先生にお願いしました。 以下が genio先生の解説です。


■■■■■

あらためまして…、時々、VIVA先生にリンクを貼っていただいている、genioです。よろしくお願いします。

かつての日本史受験のバイブル 「菅野の日本史実況中継」。あの名著が改訂版となり、書名も変えて代々木ライブラリーから出版されたのが本書です。

この講義録は「立体パネル」(菅野先生が授業で板書したものがそのまま参考書になっているもの)と合わせて使うと、効果的です。

さて、実況中継シリーズの頃からそうだったのですが、菅野先生の講義録はかなり細かい事項まで網羅しており、どんな志望校にも対応できるようになっています。もちろん初学者にはなかなか厳しい内容と言えますが、浪人生やMARCHレベルの大学を狙う受験生は、用語集片手にどんどん読んでいくべきだと思います。

菅野先生の講義録は、歴史のメインストーリーを押さえるための工夫が随所に見られます。例えば、各項目の最初に人物や政権のフローチャートが書かれていて大変整理しやすいですし、その覚え方も独特で面白いです。

特に奈良時代の政争を扱った部分については私自身も、受験生の時、かなり助けられました。(「酷い長屋に四人の子ども〜」というやつです)。たとえ細かな事項を一度で覚えることが出来なくとも、何度も読んでいくうちに細部にも注意が向くようになり、どんどん勉強の密度が上がっていくこと請け合いです。

こちらで、世界史も含めると、講義形式の参考書をこれで3種類紹介したことになりますが、歴史の受験勉強で大事なのは、参考書を読みっぱなしにしないこと。

一単元読んだら易しいものでも構わないので、必ず問題集を解くようにする。それによって、同じ事項でも、異なった角度から理解する手助けになるはずです。

なお、その際に、用語問題集ですが、これはあくまで補助的に使う(電車の中で勉強するときなど)ものと割り切って、それ以外に問題集を一種類用意した方が良いでしょう。

用語問題集だと「問われ方」がワンパターンで、それに慣れきってしまうと入試問題に対応できなくなる危険性があるからです。

●時事問題を中心に、社会のことに関して、ブログをやっておりますので、よろしければ、お帰りの際にお立ち寄り下さい(笑)。 

■■■■■


どうもありがとうございました。genio先生は、今、うちの塾の講師の中で、一番人気じゃないかな〜。


どうぞ、寄ってやってください。 genio先生のブログ

→ 『試験に出る!時事ネタ日記!』

 
http://tokkun.net/jump.htm 

 がんばれ!受験生!!



『菅野の日本史B講義録 1〜4(立体パネル講義版)』
代々木ライブラリー :279P:1155円(1)


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『 英作文のトレーニング』石神勉 (増進会出版・Z会)

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英作文のトレーニング【入門編】.jpg        英作文のトレーニング 【タ践編】.jpg


大学受験用の英作文の参考書です。当塾には私なんぞよりすばらしい英語の先生が何人もおります。

本書に関しては、代々木校の福原先生に解説してもらいます。福原先生、英検1級持っていらっしゃいます。独身です。ハンサムです。いかがです?(何が?)

以下が福原先生の書評・解説です。

■■■■■

はじめまして、VIVA先生と一緒に英語を担当している福原と申します。よろしくお願いします。
【入門編】
英作文の1番の上達法は 「先生に見せて、添削と解説を加えてもらうこと」 ですが、この方法を問題集の中で再現したのがこの『英作文のトレーニング・入門編』です。入門編といってもそこはZ会、ある程度の文法力と語彙力、そして日本語力がないと門前払いを食らいます。

生徒が間違える⇒先生とネイティブが突っ込みを入れる、というパターンで100題収録されています。日本語と英語の発想の違いについての解説は実に参考になりますが、それ以外の文法、語法、構文に至るまでそれこそ「かゆい所まで手が届く」網羅ぶりが読んでいてちょっと辛いかも。

これなら文法、語法の問題集を別にやった方が効率的な気がしないでもありません。問題文は全てオリジナルで、しかも実によく練られた日本文ばかりなので、本屋さんで自分との相性をチェックしてみる価値はあると思います。
 
【実戦編】
一方、実戦編の方は、全て大学入試問題からの収録で70題。問題文が長く複雑になった分、英語を書き始める前の戦略に重点が置かれています。

英作文の核心ともいえる 「日本文に対する分析力」 を鍛えてくれます。この時期の受験生なら入門編を飛ばしてこっちから入ってもいいでしょう。英作文の解答例を見て「なあんだ、この程度の英語なら書けるよ」と思ったことはありませんか? 

この考えは禁物です。試しにその英文をもう一度日本語に訳し戻してみましょう。きっと最初の日本文とはだいぶかけ離れたものになるはずです。この日本語のギャップを埋められるかどうかが英作文の難しい所だと思います。

すぐれた問題集は数多くありますが、「日本文に対するアプローチ」「日本語と英語の発想の違い」に特に力を入れているという部分で、今回この2冊をご紹介しました。 

■■■■■

ということです。福原先生のブログはありませんので、ご質問や、他に取り上げて欲しい書籍などの要望は、私のブログか、当教室のHPに直接書き込んでください。

http://tokkun.net/jump.htm (当教室のHPへ)


『[入門編] 英作文のトレーニング』石神勉
増進会出版社:240P:1020円

『[実戦編] 英作文のトレーニング』石神勉
増進会出版社:240P:1225円 


たまには… 負けるな受験生!

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2006年11月02日

チャート式 『基礎からの数T+A 新課程』チャート研究会(編)

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青チャート数I+A.jpg




先日の、世界史に続けて、今日は数学の参考書を一冊取り上げてみたいと思います。数学参考書の定番、『チャート式』について、当教室代々木校の伊藤先生に解説をお願いしました。

以下は伊藤先生の書評です。


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はじめまして。VIVAさんの塾で一緒に数学を教えている伊藤です。よろしくお願いします。早速、チャート式について解説します。

学校で補助教材として用いられているところも多く、皆さんもお馴染みだと思います。 チャート式といっても、白チャート、黄チャート、青チャート、赤チャートとあり、白から赤へと難しくなっていきますが、今回は青チャートの数TAについてです。

まずレベルですが、教科書レベルの公式から入試必須の重要例題まで網羅されているといって良いでしょう。しかし、本書だけで力を付けようとしても正直、難しいと思います。

あくまでも重要例題とその解法を知るという点では重宝する参考書といえ、入試に必要な最低限の知識としてその出題パターンとその解法を確認するためのものとして捉えた方がいいと思います。

数学を勉強する際、ただ解答・解説を目で追っていくだけの生徒をよく見かけますが、それだけで力は付きませんから注意して下さい。そこでこの青チャートですが、個人的に気になる点が三つあります。


1.例題に関して、解説を読もうにも、途中式が省略され過ぎている部分が目立ち、目で追っていくだけの勉強には不向きである。

2. 答えが複雑で、計算が厄介。解法を身に付けるためであれば、解答はもっと簡単な答えであってもいいように思う。

3.類題が少ないという点と例題との類似性があまりなく、やや難しい。


以上の点を踏まえ、本書を有効に活用するためには、まずしっかりとした計算力(式の変形や工夫が自由にできる)を持ち、なおかつ教科書を一通り学習し終え、基本を身に付けた生徒が、入試必出の重要例題やパターンを知るという目的で用いるのがベストでしょう。

あるいは他の問題集で分からない問題と出合ったときに調べるためにとか…。

大切なことは単に解説を読んで勉強するのではなく、実際に自分で例題の解説を参考にし、解いてみるということです。例題以外(演習問題等)は無視してもいいでしょう。その代わりに別の問題集でパターンを意識できるように数多く問題を解くようにしましょう。

その場で解説を読み、理解することと、実際に自力で問題を解き、正解を得ることは全く違いますから、分かったつもりにならないためにも、どうしても自力練習を欠かすことができません。

これらのことを意識し、目的と利用方法を明確にして取り組んでいけば、力が付いていくものと思います。重要例題や解法パターンを知る意味においては有意義です。


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これを読んで、質問があれば、こちらでも構いませんが、伊藤先生のブログへどうぞ。

→ 『代々木の個別学習塾講師が想う、あれこれ


もし、他に取り上げてもらいたい参考書や問題集などがありましたら、お気軽にどうぞ。なるべく、生徒やご父母のご要望にお応えしたいと思います。

 毎度言っておりますが… ガンバレ受験生!

http://tokkun.net/jump.htm 


チャート式 『基礎からの数T+A 新課程』チャート研究会(編)
数研出版:399P:1722円




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posted by VIVA at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

『日本の驕慢(おごり)韓国の傲慢(たかぶり)』渡部昇一、呉善花(著)

 
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『日本v轣慢(おごり)韓国の傲慢(たかぶり)』渡部昇一、呉善花(著).jpg



北朝鮮が6カ国協議に復帰するようですが、アメリカ以外の国は、日本の主張をどこまで支持してくれるのでしょうかね。外務省の腕の見せ所です。特に韓国は微妙でしょう。北朝鮮が協議に戻ると発表しただけで、食糧援助を再開したとか…。

韓国でも、北朝鮮に対して、世論が二分しているようですが、何と言っても同じ民族ですから、日本人からは推し量ることができない連帯感があるのですね。仕方のないことでしょうか。


さて、最近ではその韓国の政権はともかく、一般の韓国国民の中では、北朝鮮より日本に親近感を抱く人が多いというのは、『そして日本が勝つ(日下公人著)』でご紹介しました。金完燮氏らの著作も紹介しました。


本書は、朝日新聞の教科書検定の誤報を指摘したことで知られる渡部昇一氏と、韓国人、呉善花氏の対談です。呉善花氏は反日から親日に変わったと言われ、一部の韓国人からも、“裏切り者”と、ひどい非難、中傷にあっていると聞いたことがありますが、本書は出された、1993年ころはどうだったのでしょう。


本書を読む限り、凝り固まった反日ではありませんが、あくまで、韓国代表という立場ですね。日韓両国の対立はやはり歴史認識にからみます。 今でこそ、“嫌韓”などという言葉が出て、日本軍のしたことを肯定する意見は珍しくありませんが、この頃にそれを指摘していた知識人は、みんな危険な人物だとみなされていました。

私も当時は、本書を読み、少なからず驚きました。渡部昇一氏は親分格で、西部邁氏と一緒に図書館から著作を処分されるという事件もあり、現代の焚書として話題になりましたね。

ハングルは日本が広めたのですよ」「創氏改名を日本が強制したなどというのは真っ赤なうそです。韓国人が希望したのです」と歯に衣着せぬ性格の渡部氏が気鋭の韓国人作家相手に根拠を示しながら見解をぶつけています。

両者感情的にはなりませんが、呉善花氏の指摘も鋭く、両国民の思想、教育制度の違いが浮き彫りになっています。ただし、読み終わったあとに爽快感が残る対談です。


今日の報道によると、毎日新聞の在日の記者が、佐賀県の知事に対して、天皇陛下ご訪問に対する失礼な質問をしつこく繰り返したということで、毎日新聞には抗議が殺到し、大騒ぎになっているということです。残念なことです。

会見の模様 → http://www.pref.saga.lg.jp/at-contents/movie/tiji/press2006_9_28.asx


とにかく、核兵器という話しにまでなってしまっては、日本と韓国が協力しないままでは、北朝鮮を利するばかりです。5カ国が一致団結した態度で、北朝鮮に当たってもらい、拉致問題、核問題解決の糸口を見つけてもらいたいなと思います。


http://tokkun.net/jump.htm 



『日本の驕慢(おごり)韓国の傲慢(たかぶり)』渡部昇一、呉善花(著)
徳間書店:206P:500円




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2006年11月01日

遠足【山崎公園】都筑区・中川(横浜市)

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うちの塾 は、昨日まで、3連休。 で、ちょっと教室近くの山崎公園(横浜・都筑区) に出かけてみました。


小学生の遠足 (社会科見学 or 総合学習かな?)に出くわしました。きっと中学受験を控えた生徒もいるでしょうが、それを忘れるかのように、楽しんでおりました。まるで運動会(笑)。

“都会のオアシス” といったところ。

       ↓クリックで拡大します↓


都筑区山崎公園・1.JPG  中川・山崎公園2.JPG


遠足2.JPG



自慢するほど、写真の知識も腕もないのですが、最近、デジカメを買ったので、使いたくって…。


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posted by VIVA at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

『天国はまだ遠く』 瀬尾まいこ

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天国はまだ遠く.gif




生徒や校長先生の自殺の報道は、本当に気分を滅入らせます。そして万一、そんなことを考えている生徒がいたら、ちょっと読んで欲しい一冊です。主人公が自殺を決意するところから始まります。

以下が書き出しです。

ずっと前から決めていた。今度ダメだと思ったら、もうやめようって。いつも優柔不断で結局失敗してしまうけど、今度の決意は固い。一度切ろうと思ったものを引き延ばすのには力がいる。もう終わりにしようと思ったら、長引かせちゃいけない。本当に終わりにするのだ。


瀬尾氏の『卵の緒』 と 『図書館の神様』 を、これまでご紹介させていただきました。こちらがその後に読んだ別の作品ですが、ここでも“心の再生”というのがテーマになっていますね。

自殺を決心した主人公が見知らぬ街へ出かけて行き、決行するも失敗。その街で過ごすうちに、徐々に立ち直るという、単純なストーリーですが、それでも本書はさわやかな感動を与えてくれます。

少しのギャグもあり、登場人物の関西弁の優しさも、なかなか心地よい。 『卵の緒』のようには、読んでいて泣けはしませんが、すがすがしさはこちらが上でしょうか。自分の居場所を見付けようともがいても、自分が行動しないと、そう簡単には見つからない、ということでもあるように感じます。


自殺を考えてしまう人々の現実の厳しさは、この物語のように、そううまくは解消されないでしょう。しかし、自分の気分は徹底的に他人によって変わるものだということがわかります。

小中学生のまわりには、本当に限られた他人しかいません。 まだまだ“他人”は大きく増えて、変わっていきます。それにすでに良い人がたくさんまわりにいるのに、いやなことで頭がいっぱいで、その人たちのことを忘れて、気付かないことも多い気がします。


中学生でもすらすら読めると思いますから、ぜひ手にとってみて下さい。


http://tokkun.net/jump.htm 


『天国はまだ遠く』 瀬尾まいこ
新潮社:169P:1365円
文庫はこちらで380円→ 天国はまだ遠く(文庫).jpg


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