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2007年05月31日

『煙突掃除の少年』 バーバラ・ヴァイン 富永和子(訳)

 

煙突掃除の少年.jpg


本書は大変読み応えのあるミステリーですが、著者バーバラ・ヴァインは、題材によってその名前を使い分けており、“ルース・レンデル” という別の名前でも推理小説を書いています。1930年、ロンドン生まれの女性です。

そして、どちらの名前でも、数々の大きな賞を受賞し、イギリスはもちろん、アメリカ、フランスなどに多くのファンがいるようで、世界15ヶ国語以上に翻訳されているというのですからすごい!

恥ずかしながら、私はミステリーは好きなのですが、ごく限られた読書量ですので、本書を読むまで、そんな大作家だとは知らなかったのです。本書を読んだきっかけは、確か、新聞のミステリー小説の紹介の中で、べたぼめに近い高評価だったのを見たことです。実際に読んでみますと、想像をはるかに超えたストーリーでした。


ストーリー ■〜■




有名作家のジェラルドキャンドレスが、その妻と娘二人をのこして突然亡くなります。

娘の一人で大学教師である姉に対して、生前ジェラルドを担当していた出版社から、亡くなった最愛の父について本を出版しないかという打診があり、それを引き受けます。

しかし、父について何かを書こうと考えると、改めて父の過去を知らないことに気付き、それを調べるために父の生地へ赴きます。

ところが…、そこには父と同名のすでに亡くなっている子供の墓とその親戚が住んでいるだけでした。

つまり、本物のジェラルドキャンドレスはとうの昔、彼が子供の頃に死んでいた人物のことだったのです。いったい父親はどこの誰なのか…。

ありとあらゆる手がかりを頼りに、徐々に明らかになっていく驚愕の事実。読んでいるうちに背景説明より先が知りたい!というような気持ちにさせてくれます。

一見幸せそうな家族が、実はとんでもないお芝居だったというような話なのです。最後はあっと言わせる結末です。





それにしてもため息が出るような一冊で、よくこういうストーリーやエピソードを思いつくものだと感心します。(宮部みゆきの『火車』 にも、似たような感想がありましたね。表現力不足です。はい)

キャンドレス一家の自宅で “ハサミを使ったゲーム” をし、訪れた客をからかうような場面からはじまるのですが、いきなり不思議な世界です。非常に長い小説で、途中あちらこちらにラストへつながるヒントがちりばめられていて、凝った作品というイメージです。

とてもおもしろかったので、本当はすぐにでも、また別の作品を読みたいと思っていますが、どれも超長編なので、普通の本の三冊分くらい?ちょっと二の足を踏んでいます。438ページなんですが、2段で字が小さい。ブログの記事にするのに時間がかかるなぁと…。悩ましいところなんです(笑)。


今年夏休みが取れれば(多分ムリですが)、数冊まとめて読みたいなぁ〜と思わせる作家でした。それにしても70才を超えてこんなに意欲的な長編小説が書けるとは…。すごいです。


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煙突掃除の少年

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2007年05月30日

『クジラは食べていい』 小松正之


クジラは食べていい!.jpg



今年はアラスカのアンカレッジで、国際捕鯨委員会(IWC)が始まりました。例によって、捕鯨国イジメのようなものが展開されるはずですが、ここ数年は徐々に環境団体のあやしさが知れわたり、日本などの捕鯨国が他国の理解を得つつあったと感じていましたが、今年はまた厳しい状況に追い込まれそうだと報道がありました。


かつては、日本は単にクジラを獲って食べるということだけで、国際的に孤立し、商業捕鯨を止めさせられ、いまだに調査捕鯨しかできなくなってしまいました。日本人が普通に考えれば、同じ哺乳類である牛を何万頭も殺して食べているのが許されて、なぜ鯨は許せないのか理解に苦しみますよね。

しかも捕鯨に強行に反対している英、米もつい一世代前は捕鯨大国で、儲からなくなったからやめただけです。少し前に、ご紹介した衝撃的なノンフィクション大作、『復讐する海ー捕鯨船エセックス号の悲劇(ナサニエル・フィルブリック(著) 相原真理子(訳) )』 には、実に情け容赦なく、アメリカがクジラを殺して、油だけをとっていたかが書かれています。


ところが今では、国際捕鯨委員会(IWC)が開かれると、周辺で米・英・豪の国々、グリーピースなどの環境保護団体が過激な運動を展開します。そんな中で孤軍奮闘、外国政府や環境団体と“正論”で渡り合ってきた、当時、農林水産庁の小松氏の胸のすくような主張と実際の活動が描かれているのが本書です。 

クジラは食べていい(小松).jpg


官僚と言えば…、松岡利勝氏が自殺しただけでなく、官製談合システムを発案した緑資源機構の「陰のドン」と呼ばれた山崎進一氏までも自殺してしまいましたので、ますます官僚や官僚出身の政治家には、不信の目が向けられて当然でしょう。そんな農林水産庁の一官僚の本なのです。


この方は、本当にすごいです。官僚はどこの国でも悪人と決め付けられている印象ですが、(あえて否定はしませんが(笑))、小松氏の活動がなかったら今頃、捕鯨船は博物館の展示品だけになったのじゃないかと思われるほどの活躍ぶりです。


以下が目次です。



序章 日本の市場から魚が消えてしまう!?(クジラ過剰保護が生んだ漁業者の嘆き)

第1章
 食糧危機を救えるのはクジラだ(このままでは魚がいなくなる!?;「捕鯨禁止」が生態系を破壊する! ほか)

第2章
 IWCに巣食う魔物たち(捕鯨を葬り去ろうとする反捕鯨国の数の暴力;科学的根拠をねじ曲げるIWC本会議の実態 ほか)

第3章
 反捕鯨「環境団体」の正体(金集めのために宣伝行為をする反捕鯨環境団体;南氷洋調査を妨害するグリーンピースの卑怯なやりくち ほか)

第4章
 捕鯨再開までのカウントダウン(京都会議合意からはじまる日本の捕鯨推進運動;IWC健全化は会議の透明化からはじまる ほか)



環境団体の金の流れや、それに乗って票を集めるためには何でもしようとする政治家連中を描いたり、突然、捕鯨反対にまわってしまった小国が、裏で大国や環境団体からのイジメ(おどし)をうけていたなどの事情を調べ上げ、一歩も引かぬ交渉を展開しています。

そういった態度が徐々にではありますが、捕鯨反対だった諸外国の尊敬や信頼感を生み、本当に少しずつ状況は改善されつつあるそうです。こんなサムライのような官僚ばかりなら日本の未来は明るいと感じる次第です。 


本書は確か、勝谷誠彦氏の著作の中で(書名は失念) 推薦されていたもので、勝谷氏は小松氏のような方こそ、総理大臣になれば良いのだとまで述べていたと記憶しています。その気持ちがよく分かりました。真の国際人とはこういう方じゃないかと思います。

鯨の問題に限らず、日本の外交交渉を考えさせてくれる一冊で、多くの方にお薦めします。


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クジラは食べていい!.jpg クジラは食べていい!

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2007年05月29日

『日本の死体 韓国の屍体』 上野 正彦、 文 国鎮


日本の死体.jpg

 



松岡農林水産大臣の自殺という実にショッキングなニュースが流れました。遺書が何通かあったようですが、いったい何があったのでしょう。現・自民党政調会長の中川昭一氏のお父さん、中川一郎氏が自殺された時も私には大変なショックでした。

その折、ろくに死体解剖もされずに荼毘にふされたという指摘がありました。そして、中川氏も松岡氏も鈴木宗男氏とは深いつながりがありますね。昔、中曽根康弘氏は“中川一郎氏の自殺の原因は知っているが、今は言えない” と親しい人に告白したそうです。


また、ZARDのボーカルの板井泉水さんが、転落死という痛ましいニュースまで…。まだ40歳という若さでガンと闘っていたのですね。 『負けないで』 の曲に励まされた人も多いはず。私も大好きな曲でした。残念でなりません。

自然死ではなかったということに心が痛みます。お二人のご冥福をお祈りいたします。


それで思い出したのが本書です。妙な題名ですが、日本と韓国それぞれを代表する法医学者の対談です。以前に 『検死秘録』(支倉 逸人)という、法医学の本をご紹介しましたが、大変興味深い一冊でした。それで、本書を手にとってみました。

期待通り、日本・韓国、両国の文化の違いが浮き彫りにされていてとても興味深く読めました。上野正彦氏は日本の法医学の権威と言っても良い人物で、関連する書籍も多く出されています。

韓国の文国鎮氏も、その道の第一人者。アメリカなどで最新の技術を学び、まさに孤軍奮闘、検死の制度を韓国でも定着させようと努力されています。お二人は犯罪を憎み、物言わぬ死人を哀れむ心で深く理解しあっています。

目次は以下のようなものです。



 あまりに違う死体解剖

 封印されてきた死体の話

 男女の死体は永遠の謎

 日本の検死、韓国の解剖

 世にも不思議な変死体の数々

 日本と韓国の死生観



北朝鮮による拉致事件で、日本側に渡された遺骨の中には、二度火葬されてDNA鑑定ができないものがあると報道されました。ところが韓国や北朝鮮では現在でもソウルなどの大都会以外では、火葬はしないそうです。

「二度殺す」という言葉があるように、遺族にとって火葬というのはむごいと感じられているからです。そんなお国柄ですから、死体解剖などはとんでもないという遺族がとても多いそうです。

解剖によって得られる情報で、真相が解明されたり、犯罪の場合は犯人逮捕につながる可能性があることは、なかなか韓国では理解されないということですね。時々、韓国で、政治的な抗議手段として、焼身自殺が報道されますが、そこまでしても反対するという意味なのでしょうか。


殺人はもちろんですが、自殺であれ事故死であれ、遺族の動揺はいかばかりでしょう。ご遺族の方々が一日も早く、心の安らぎを得られることを願わずにはおられません。


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日本の死体 韓国の屍体

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2007年05月28日

『どこにでもある場所とどこにもいないわたし』 村上龍


どこにでもある場所とどこにもいないわたし.jpg


コンビニ、居酒屋、公園、カラオケボックスなどの “場所” を取り上げ、そこでのできごとと、そこにいるはずの “わたし” がまわりに溶け込めず、自分の存在とはいったい何なのか、さまざまな思いをめぐらすというお話しです。一つ一つの場所が短編として集められています。

学校、家庭、職場、地域社会など、ありとあらゆる “場所” が個人の心を満たすことができなくなり、漂流したり、呆然とする人々を描きます。“あれっ、どうも自分だけ輪の中に入っていない” という感覚を持ったことがありませんか。 


個人的には村上氏の本はあまり好きではありませんでした。どうも冗長に感じられてしまう情景描写、ワインやブランドの話はどこでも読めるので、私はそれに引き込まれることがなく、読んでいて、“ひとりよがり” のように思っていました。

しかし、数年前、ゆとり教育論争が盛んになったおり、『教育の崩壊という嘘』 という本を読んで以来、見方ががらっと変わりました。

日本社会全体の問題を単に教育、まして学校、教師の問題というように矮小化することを許さない!という主張が伝わってくる本で、膨大な量の中学生に対するアンケートをもとに書かれた一冊です。小説ではありません。

同様の主張を、重松清氏(みんなのなやみ) や 鈴木光司氏(なぜ勉強するのか)などの人気作家も、小説以外の形で、明確に表明しているように思います。

作家の人並みはずれた感受性が、こういうところで活かされるのだと感心しました。というようなわけで、村上氏は作家より教育評論家としてのほうがすぐれていると思っていたのですが、直後に 『希望の国のエクソダス』 『最後の家族』 などの作品で、そうした問題を考える材料をたくさん与えてもらいました。

正直、そのあとまた、2,3度は、“やっぱりダメ” と感じてしまう本に当たりましたが(笑)、本書はまた、日本人の心の問題を描いた良書だと思います。


村上氏は教育問題の解決策は集団不登校だとどこかで述べており、『希望の国のエクソダス』 (エクソダスとは、旧約聖書のタイトル。「出エジプト記」で、奴隷にされていたイスラエルの民をモーゼが海を渡って、カナンの地に移動させる民族解放の物語) では、『この国には何でもあるが、“希望”がない』 という意味のことを主人公に語らせています。


自殺者年間3万人以上という、教育よりさらに広く、日本人の心の問題はどうなのでしょう。問題が存在することはすでに多くの作家が表現していますので、それを解決する答えをそろそろ見せてほしいと思っていますが、残念ながらそこまでは本書からも読み取れません。

ただ、大きな事件ではなくとも、何気ない日々の生活の中で起こるちょっとしたことの中で感ずる孤独というのが、不気味さをもって描かれているように感じます。

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どこにでもある場所とどこにもいないわたし

文藝春秋

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「教育の崩壊」という嘘

日本放送出版協会

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希望の国のエクソダス

文藝春秋

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2007年05月27日

田植え (世田谷の田んぼ)

 

 

田植え picasa.JPG

 

何の変哲もない写真で恐縮ですが、世田谷にある田んぼです。

子どもが田植えの体験をさせていただいたので記念に…。

生徒諸君!5月・6月は田植えのシーズンですよ。



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2007年05月26日

『聖書でわかる英語表現』 石黒マリーローズ


現.jpg

 
以前、英字新聞(タイムズ)の見出しに “A Senile God?  Who would Adam and Eve It?”  とありました。 アダムとイヴ???  Senile は “老衰した”という意味ですから、“老衰した神”、まではよいのですが、あとは何?と思って探したのが本書です。

筆者はレベノンのベイルート生まれ。クウェートの王室付きの教師までされたあとに、1972年に来日して日本人実業家の石黒道兼氏と結婚。レベノン文化教育センターなどを設立して国際交流などの活動や、いろいろな大学で講師をされているようです。↓がご夫妻です。


岩波(石黒夫妻).jpg


さて、上の英文ですが、本書の “はじめに” にこの紹介がありました。 なんとアダムとイヴ Adam and Eve) の Eve が believe の最後の eve と韻を踏んでいるために、英語では believe it を Adam and Eve it ということがあるのだそうです。へぇ〜、勉強不足でした。

ですから、Who would Adam and Eve It? は  Who would believe it? : いったい誰が信じるだろうか? という意味になるわけですね。ご存知でしたか? これが新聞の見出しに使われていたわけです。

日本なら 【社保庁改革?その手は桑名の焼き蛤(はまぐり)】 とか、“恐れ入谷の鬼子母神” みたいなもんでしょうか(笑)?新聞の見出しにはなりませんね。どう考えても…。 


まぁ、これだけ見ますと、クイズというか、だじゃれのような本かと思ったのですが、とんでもない。いたってまじめな本で、非常にレベルの高い内容です。確かに英語を教えていてどうしても辞書通りの意味にならない時、聖書の言葉がかかわっていることが多いのです。

ただし、英語の本というよりも、どちらかというと聖書に関する本という感じです。ですから、学習者が純粋に英語力を付けるために読むというより、キリスト教を知りたい、英語で聖書を読みたいという人に向いているのではないかと感じます。


目次は以下のようになっています。

 ニュース英語にみる聖書の表現(手を洗うピラト;神は私の助け;ダビデとゴリアト ほか)

 暮らしのなかのキリスト教英語―行事と慣習(天使祝詞;クリスマス;3人の博士と公現祭 ほか)

 聖書を読めば英語はもっと身近に―創世記から黙示録まで(創世記;過越の祭(出エジプト記)贖罪の山羊(レビ記) ほか)



本書も宮崎哲弥氏の 『新書365冊』 で取り上げられていた一冊です。評価はBest、Better の下で More に分類されていました。Moreに対する宮崎氏の書評は短いので、そのまま引用しておきましょう。


米英の新聞を読んでいると、時折宗教由来の慣用表現に出くわす。時事問題に聖書が引照されるのだ。本書は言葉そのものの解説よりも聖書的な言語センスの伝授に力点を置く。


巻末には、20ページ以上に渡って、キリスト教の主な祝祭日の解説が表になって出ています。またあまり数は多くないのですが、英語表現の索引もありますので、通読せずとも辞書のようにも使えるのではないでしょうか。


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聖書でわかる英語表現

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2007年05月25日

『死ぬための教養』 嵐山光三郎

 

死ぬための教養.jpg


筆者の嵐山光三郎氏は昭和17年生まれ、『笑っていいとも!増刊号』 に出演していましたからおなじみでしょう。昨日紹介した、『新書365冊(宮崎哲弥)』 の中でも本書が取り上げられており、評価は BETTER (BESTのひとつ下) でした。

ちなみに、その同じ章にあって、以前ご紹介した 『教養としての「死」を考える(鷲田清一)』の方が、私には印象的だったのですが、宮崎氏の評価は同じ BETTERでした。

本書と鷲田氏の著作はタイトルがそっくりですが、内容はまったく違い、こちらは読書案内として読める一冊です。その刺激的なタイトルでつい読んでみました。本の帯には「『宗教』なんてもういらない。いかに死ぬか、それが問題だ」 とあります。


嵐山氏はこれまで5回、“死にかけた” ことがあるそうで、その治療中、病床で死を意識しながら読んだ本の数々が紹介されています。

その5回がそのまま章立てに使われています。


第1章 一九八七年、四十五歳。生まれて初めての吐血(血を吐いた程度じゃ死ねない(『ミニヤコンカ奇跡の生還』)
物としての自分か、あるいは生命としての自分か(『死をめぐる対話』) ほか)

第2章
 一九九二年、五十歳。人生を一度チャラにする(全勝なんて力士には興味ない(『人間 この未知なるもの』)
芭蕉が最後にたどり着いたのは、「絶望」(『芭蕉の誘惑』) ほか)

第3章
 一九四五年、三歳。初めて死にかけた(作家が書いたものはすべて、小説という形を借りた遺書である(『豊饒の海』)
川端康成の小説にせまりくる人間の死(『山の音』) ほか)

第4章
 一九九八年、五十六歳。ふたたび激しく吐血(そうだ、生きていたいのだ(『大西洋漂流76日間』)
死ぬときは、みんな一人(『たった一人の生還』) ほか)

第5章
 二〇〇一年、五十九歳。タクシーに乗って交通事故(人の一生も国の歴史も川の流れと同じ(『日本人の死生観』)
遺族には、長い悲しみが待っている(『死ぬ瞬間』) ほか)



以下は、そのあとがきの一部です。

『長い闘病生活のはてに死ぬ人も多く、いまの時代に求められるのは、自分が死んでいく覚悟と認識である。来世などあるはずがない。いかなる高僧や哲学者でも、自己の死をうけいれるのには力がいる。いかにして悠々と死んでいくことが出来るか。いかにして安心し自分の死を受容することが出来るか。自分を救済しうるのは、使いふるした神様や仏様ではなく、自分自身の教養のみである。

祖母は、九十九歳のときに「いままで好きなことをしてきたから、この世に未練はないが、死んだことはないから、死ぬとはどういうことなんだろうねえ」と言いながら死んでいった。こうなると死ぬことが愉しみにさえ思えてくる。死への考察は、人間の最高の興味の対象であろう。 』


ホスピスの本をはじめとした、医学関連の本。三島由紀夫の小説、宮沢賢治などなど46冊。非常に幅広く紹介されており、楽しく読めました。実際に本書を読んで購入した本も何冊かあります。


宮崎氏の書評によれば、本書は “看板に偽りあり” だそうです。というのは、竹内久美子氏のような、怪しい科学に感心しているのが気になるということ。また、“死には尊厳などなく、生にもない” という認識に達するのは、教養の出口であり、逆に宗教の入口だというわけです。なるほど、おもしろい見方です。


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死ぬための教養

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2007年05月24日

『新書365冊』 宮崎哲弥


新書365冊.jpg


最近よくテレビで拝見する評論家、宮崎哲弥氏の書評を集めた一冊で、かなり売れているようです。確かにこれだけ新しい本を一堂に集めたものは、読書の参考にもなるでしょうし、本書を読むだけでもおもしろいです。雑誌『諸君』に連載していたものを、分野別にまとめたものです。

宮崎氏は月に新書を60冊〜100冊という膨大な読書量を誇るそうですが、読むだけでなくこうしてすべてを、“ベスト” “ベター” “モア”と “ワースト”を少し、にランク付けをし、講評まで書くというのは、いくら仕事とはいえすごい。


以前取り上げました日垣隆氏も大変な読書家で、『情報の目利きになる』 の中で、速読などについて触れていますが、その時でも話題になったのは、月30冊でした。新書とは書いてありませんが…。


さて、365冊の中身ですが、かなりバラエティーに富んでおり、↓のように分類されています。ただし、分野によって偏りは大きいと思います。


教養    哲学・論理学・数学   政治・国際問題   経済と金融・会計   法と自由   歴史・文学・ことば   社会・会社   若者・教育   犯罪と監視社会   
生きる・死ぬ   科学   脳・心・からだ   メディア   文化   宗教   問題な新書   


ところで宮崎さんという人物に対しては、どうも好悪がはっきり分かれる印象で、私はどちらかというと、(著作を読んだのはこれがはじめてですが)、氏がものをはっきり言うので好きなのですが、みなさんはどうでしょう。ネットではひどい悪口も目にします。

本書を読むと、宮崎氏自身も好き嫌いが激しいのではないかと感じます。365冊の中で私が読んでいたのは、数えてみると30冊ほどしかありませんでした。宗教などの分野が多いのですが、残念ながら私はほとんど宗教関連の新書は未読なので、仕方のないところです。

BESTの評価で、自分もそう感じたものが、『国際政治とは何か(中西寛)』 や 『日本の「ミドルパワー」外交(添谷芳秀)』 。また、世間一般よりもっとずっと高く評価したい仲正昌樹氏の著作、『不自由論』 や他書に、宮崎氏が高評価を与えていると、僭越にも、“おおちゃんと読んでるな” などと、うれしくなったりしますが、逆に、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか(山田真哉)』 などがベストに挙げられていると、“わかってんのかなぁ〜”と(笑)。


まぁそんな調子で評価が自分と一致しないものも多いのですが、それはそれで勉強になりますし、365冊もあれば、ほとんど書名程度しかないのかと思ったら、できる限り丁寧にコメントをしている印象で、好感が持てます。

いずれにしろ、どんなレベルになっても、読書とは“独断と偏見”(読書だけじゃないか)なんですね(笑)。


小谷野敦氏の『バカのための読書術』 を読みますと、“知識人という狭い業界” で、付き合いのある著者や著作に、はっきりと優劣を付けるのは難しいと感じますが、本書はどうなんでしょうね。私には、そこまでは判断できません。

そういう懸念や自分との違いなどがあったとしても、これだけの情報量は助かりました。じっくりお読みになって、自分の読書案内というか、参考にされたらいかがでしょうか。私も今後たびたび参考にすると思います。



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新書365冊

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2007年05月23日

『昨日のように今日があり』 千宗室


昨日のように今日があり.jpg


ある大学入試の英文で、 「“ tea ceremony ”(茶道) という言葉ほど、イギリス人(外国人一般も) にわかりにくいものはない」 という意味のものがありました。

なぜならば、イギリスでは、“teaティー” は日常を表す代表的な言葉で、お茶を飲むのはごくありふれた習慣。一方で、“ceremony:セレモニー” という単語は、逆に非日常の代表格のような、お葬式とか結婚式など、厳粛で堅苦しい機会にしか使わない単語。その両極端がくっつくというのが意味不明だというわけです。なるほど…。


本書は茶道裏千家十六代家元、千宗室さんのエッセイです。裏千家では家元になると、みな千宗室と名乗るそうですね。何と言っても、あの千利休から続く伝統の名家ですし、筆者の妻はあの三笠宮崇仁親王の次女・容子(まさこ)内親王(千容子)ということですから、私などは近付きがたい(笑)。

私の妻は裏千家の“茶名”という免状を持っていますが、私は茶道を全く知りません。それでも本書を取り上げたのは、その一部が、NHKラジオ、私の本棚で朗読されていたのを聞き、おもしろそうだと思ったからです。お茶を、見よう見まねでいただいたことは何度もありますが、どういうものなのか興味を持って読みました。


書名“昨日のように〜” というのは、歴史の重み、数え切れないほどの昨日に背中を押されて自分は今日を生きているのだという感謝の気持ちが込められているようです。目次をご覧になれば、わかるように歳時記と言える書き方で、さまざまなものを考察します。


以下が目次です。


一月(年渡り;初釜式 ほか)

二月(侘び・寂び;豊かな兆し ほか)

三月(百千鳥;お酒の話 ほか)

四月(桜の下に集う;伝統と革新)

五月(柏餅の御利益;鰹の極楽 ほか)

六月(心のアスファルト・B>G雨の慎み ほか)

七月(天、紘がる;SF大好き ほか)

八月(夏休み;葉の露 ほか)

九月(絵画の気配;心の身仕度 ほか)

十月(祭りの色合い;献茶式に思う ほか)

十一月(茶人の正月;次季の実り ほか)

十二月(惜別の時;私の書斎 ほか)


こうして繰り返される季節の変化や昔から受け継がれる茶道の行事に投影しながら、自分の人生や日本文化を語ります。

本書の最初に紹介されている禅語が 『漁夫生涯竹一竿』 というもの。茶室の掛け軸によくある言葉だそうです。これが 『山僧活計茶三畝』 に続き、“修行している僧侶には三畝ほどの茶畑。漁師にはお気に入りの釣竿一本さえあれば、心豊かに暮らせるのだ” という教えだそうです。

続けて筆者は、『人生とは日々、多くの欲望や不平不満を、さながら重ね着をするようにまとい続ける “緩慢なる自殺行為” であるとも言える。しかし、その中で自分の分際というものを冷静に見つめる確かな目を持てれば、とりあえず今不要なものははぎ捨てることができるのではないだろうか』 と述べています。


千宗室氏の生きる心構えでしょうか。えらく哲学的ですが、話が固いのは前書きだけでした(笑)。酒も飲めば、食事の好みもあれこれ述べたり、お茶の話が常に中心ですが、いろいろの話題、考え方を自由に語っておられます。

自分がつい犯してしまったような失敗などもまじえているのですが、いつも冷静な自分に戻してくれるのが、季節だったり、その季節にあるお茶の行事だったりするんですね。

想像以上に気さくな感じで非常に好感を持ちました。茶道もおもしろそうだ、習ってみたいなと(笑)感じました。




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昨日のように今日があり

講談社

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2007年05月22日

“戦争への道” 時事問題:定期テスト対策 



定期テスト&受験対策


中学受験でも、高校受験でも出る、日本の “戦争への道”。

受験勉強では、もちろん、定期テスト、もう中間テストが始まります。

すでに始まっているところもありますが、


記事は遅れたけど、これだけはしっかり確認!

genio 先生がまとめてくれました。 



  ⇒  『入試に出る!!時事ネタ日記』




(“ハンカチ王子”や、“はにかみ王子” は出ないからね…多分)


        

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『チョコレート工場の秘密』 ロアルド・ダール クェンティン・ブレイク(絵) 柳瀬尚紀(訳)


チョコレート工場の秘密.jpg


偶然見つけた大変おもしろい一冊で、張り切って紹介しようと、ちょっと調べてみたら、そもそも大変な名作で、すでに40年以上も前、1964年に原作が出版され、71年には日本でも翻訳が出されていました。恥ずかしながら、本書の存在を知りませんでしたので、ちょっと驚き(汗)。


また 2005年に『チャーリーとチョコレート工場』 という題でアメリカで二度目の映画化までなされていて、日本でも公開されていた超有名作品でした。DVDにもなって、CDまでヒットしていたんですね(滝汗)。

今さら…とも思いましたが、まぁそれでも、私と同じように、知らない人もいるだろうからブログで取り上げようと決めて、アマゾンで入手できるかどうか確認しようと見てみると…、人気作品で書評は70以上もあって、みなが知る名作なのに、とにかく本書に対する評価が低くて、もう一度びっくり。


あれれ?どうしてなのかなと読んでみますと、本書の新しい訳者が書いたあとがきが原因でした。

私は旧訳を知らないので、何の違和感もなく楽しく読み進めましたし、もちろん訳者が違えば訳も変わるわけです。ただ、この新訳に変わった際に、ちょっとした改訳ではなく、有名で親しまれてきた旧版での登場人物の名前を変えてしまったそうなのです。

しかも、本書のあとがきで旧版の訳を痛烈に批判してしまったことが、これまでのファンの大きな反発にあっていました。


こんなこともあるんですね。そういういわく付きの一冊だということを知ってしまったので、紹介しようかどうか迷ったのですが、生徒にこういう語学の問題も含めて、翻訳書のことを考えてもらえば良いし、何より純粋に楽しめて、子どもたちが読んで読書感想文にもしやすい一冊ですので記事にしました。



ストーリー■〜■



主人公の少年チャーリーの住む家の近くには、世界一有名で、世界一不思議なワンカさんのチョコレート工場があります。とても大きな工場なのに、だれも働く人を見たことがない。ワンカさんさえ姿を消したまま。

まるで夢に出てくる魔法のように、その工場からは、すばらしいチョコレートが世界中に送り出されています。

ある日ワンカさんは新聞で、その秘密工場に世界で5人の子どもを招待すると発表します。もしそれに選ばれれば、ワンカさんの工場を見学できるだけでなく、一生分のチョコレートとキャンディーまでプレゼントするという企画です。

買ったチョコレートの中に、当たり券が入っているのですが、世界中でたった5人。そのチケットをめぐって大騒動になります。

チャーリーの家は極貧で、一年に一度、自分の誕生日しかチョコレートは買ってもらえませんから、絶望的な状況ですが、奇跡が起こり、チャーリーはそれに選ばれます。

当日、チャーリーは他の4人の親子と一緒にワンカさんの工場に行き、現実とは思えないようなできごとを次々と経験します。他の親子は欲張りだったり、わがままだったりしたために、それぞれがとんでもないトラブルに巻き込まれてしまいます。

ラストは…、お楽しみ。




まるで、花さかじいさんのように、正直者が報われ、強欲な人々は結局そのために墓穴を掘ってしまうというお話です。万国共通のテーマですが、本書ではそれぞれの子どもと親のキャラクターが強烈、個性的でおもしろく読めます。

単純な構図ではあっても、工場での突拍子もないできごとや、ブラックユーモアのような要素をふんだんに取り入れているところが人気の秘密でしょう。


上で述べたように、妙ないわくつきですが(笑)、大変おもしろい一冊ですからおススメです。




P.S. そういえば村上春樹が、意欲的に名著の翻訳に取り組み、『グレートギャツビー』 を訳した時に、“永遠の名作はあっても、永遠の名訳はない” という趣旨をあとがきで述べていました。

本書は児童書でありながら、あとがきで旧訳をののしってしまったということでした。たとえ、それが正義感、あるいは、語学上の正確さという観点から出されていたとしても、名作の新訳は難しいのですね。意外なところで勉強になった一冊でもありました。


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2007年05月21日

『プロフェッショナル 広報戦略』 世耕弘成

 


プロフェッショナル広報戦略.jpg


テレビ朝日のサンデープロジェクトでは、7月に行われる参議院選挙はもう終盤戦だという見方を紹介していました。確かに6年前から選挙があることはわかっているわけですから、各政党は長期戦略を立て、それなりに怠りなく準備をしているはず。

(入試があることもわかっていると受験生にも聞かせたい!と強く思いましたよ(笑)。)

とは言うものの、突然、東京選挙区にアナウンサーの丸川珠代さんのような有名人が出馬ということになれば、あわてる陣営もあるでしょう。サッカーのカズ選手にまで声をかけていたんですね。

とにかく改選議員や政党にとっては、選挙結果がすべてですから、国政選挙ともなれば、党をあげて、あらん限りの資金と知恵を絞って必死の戦いが繰り広げられるわけです。言うまでもなく、広報はそのカギを握っていますね。


どなたかが本書を読み、“ここまで自民党の選挙戦略をあからさまに書いてしまっていいのだろうか” と感想を述べていました。つまり手の内を明かしてしまえば、民主党をはじめ野党を利するだけという心配をしたものですが、確かに、郵政解散前後の広報戦略が事細かに書かれています。

著者である世耕氏は自民党の参議院議員。前回の総選挙で自民党大勝利へ貢献したと話題になりました。今回は非改選ですが、総裁派閥に所属していますし、広報としてたびたびテレビに出ていましたので、ご存知の方も多いでしょう。


世耕氏.jpg



もともとNTTのサラリーマンとして広報を担当していましたし、米国ボストン大学でもコミュニケーション学部で、企業広報論の修士号を得ているくらいですから、広報に関しては、知識も現場経験もあるプロ中のプロですね。

まだ当選は2回という若手ですが、現在も、自民党と政府、両方の広報を担当するという重責を担っているようです。どのようにして、自民党の選挙対策を立て実行し、選挙での大勝に結び付けたのかがわかります。


まことに失礼ながら、あの童顔からは想像できないほど、緻密な計算、冷徹な判断の元で選挙戦略が練られていたんですね。ニセメールにひっかかってしまった民主党とは対照的です。


よく、企業では当たり前のことが、役所ではまったくできていないと言われますが、政党の広報も、NTTなどの大企業に比べればとんでもなく無防備で、世耕氏によれば、それこそ国益すら失いかねない状況だったそうです。特に記者会見など…。

小泉総理はその天才的なコミュニケーション能力と、支持率の高さがあってこそ自民党は何とかなっていたというような分析です。森総理時代は大失敗(笑)。政党職員や政治家の長年のカンなどを頼りにしてこれまで広報戦略を立てていたところに、学問的な知見や詳しいデータ分析などの手法を取り入れて、ひとつひとつ実行していくさまが描かれています。


確かにすべてがケーススタディーのように具体的に書かれており、上でご紹介したような心配も的外れだとは思いませんが、世耕氏は本書をビジネス書ととらえ、なるべく多くの人に役立つような一冊にしたかったという印象です。

政治的な読み物としても楽しめますし、広報というものを知りたいという人にも、ヒントになりそうな事例がたくさんあります。平易な言葉で書かれていますので、興味があれば高校生でも十分に読めます。選挙権が18歳以上となる前に手にとってみてはどうでしょう。



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2007年05月20日

スットコ君5月号 【塾の教室で起こるドタバタ】 ジョーク・ネタです!




♪ は〜るになれば す〜がこもとけて

どじょっこだの ふなっこだの

夜が明けたと 思うべな♪


 
知ってますか、この歌。


春!あったかくなると(ならなくても…)、ヘンなのが一杯出てくる(笑)。

“ふなっこ” を “スットコ” にして歌って下さい 

すがこ(氷)がとけました。

夜が明けましたよ、スットコくん!


当教室メルマガ5月号の記事です。

 

ヽ(^。^)ノ  それっ!


■ 死闘 ■

プロ野球好きの男子生徒が、試合前の野球場の雰囲気を語っています。

生徒 『も〜試合前から両方のファンが盛り上がってますよ。グチ合戦がすごいんです!』

講師 『グチ合戦?』

生徒 『知りませんか?お互いに相手の選手の悪口を言い合うんですよ』

講師 『お前それは、グチじゃなくて、野次合戦!

生徒 『あっ…』

(日直:ちょっと見てみたい気もしますね、グチ合戦。

Aチーム 「ウチのピッチャー打たれてばっかなんだぞ〜」

Bチーム 「何言ってやがる。ウチのバッターだって全然打てねえぞ!」

Aチーム 「ウチの連中なんかよ、打つどころか、サインすら覚えねぇんだぜ〜」

Bチーム 「んなこと、ウチなんざ、監督が覚えてねぇんだからよ」)



■ 金持ち学校・貧乏学校 ■


通っている高校の設備について話をしていました。

私立男子高生 『うちの教室の黒板の上にはプラズマテレビがついているんだよ。
          
           高い授業料を払っているからね』

公立女子高生 『えーっ凄い。うちなんかテレビすらないんですけどぉ。

           地震の時とか恐ろしく揺れるし、教室の窓や扉はちゃんと開かないし

           女子トイレは下の階にしかないから上がったり下がったり大変だし〜』

私立男子高生 『そうだ!トイレって言えば、

            うちの学校のトイレは ガラス張り だよ!』

公立女子高生 『えっ!?』

私立男子高生 『手洗いのところなんか一面ガラスだよ』

公立女子高生 『えーっ!?』

講     師  『おい、ひょっとして鏡張りじゃないか?』

私立男子高生 『あっ鏡だった』

公立女子高生 『びっくりしたぁ〜。いろんな姿、考えちゃった』

(日直:おっ、入っている入ってるってね(爆))



■ ○○ル ■

生徒 『自転車に乗るようになってもう5つもあざができてるんだけどお〜』

講師 『あれ、ちゃんと乗れるようになったって言ってたじゃん』

生徒 『乗れますよ。失礼な!でもね・・・自転車の さべる?にぶつかるんだもん』 

講師 『ひょっとしてサドルのことか?』

生徒 『きゃはは間違った!サドルだぁ。サドル

    そうそう、そのこぐところにね、何度も足をぶつけちゃうんだもん』


講師 『それは ペ・ダ・ル!

(日直:完璧に仕上がっているボケと突っ込み。お見事です!)



■ \(゜ロ\)ココハドコ (/ロ゜)/アタシハダアレ ■

ロシア大統領エリツィンが亡くなったという話をしていると、今日もNがやってくれました。

生徒 『先生、今のロシアの大統領はプーチンですよね』

講師 『そうだよ』(おぉ、ようやくまともな答えが返ってきた!)

生徒 『で、思ったんですけど、』

講師 『なに?』

生徒 『ニュースで、“KGB出身” って言ってたんですけど、』 

講師 『そうだね』

生徒 『 KGBってどこの国のことですか? 

(日直:確かに捜したくなる(笑)。 USAなら国ですからね、がんばれ〜)



■ “カンシ”つき ■

高校に進学してはじめの数学の授業です。

講師 『いよいよ高校生だね。もう授業は始まった?』

生徒 『まだ始まっていません。自己紹介とかやっています。でね、担任の先生がとっても変わっているんだけど・・・』

講師 『へ〜、若い先生なの?』

生徒 『The 37歳!


講師 『 a そう 

(日直: a うんの呼吸ですね、すばらしい)



■ 黄金のボール ■

松坂大輔の話で盛り上がっていました。

講師 『それにしても松坂の年俸は凄いね!

     たった 1球の値段が50万円ぐらいらしいぞぉ』

生徒 『ゲッ、松坂が投げてるボール、そんな高いんすか ?』

(日直:ファールが飛んできたら絶対隠す!)



■ スター誕生! ■

英語の時間のお話です。

講師 『はいAさん、次の英文読んでみて』

生徒 『 ジャーン!

講師 『ああびっくりした〜!なに?突然』

生徒 『だって読めって。だから ジャーン

講師 『???ああそれ ジェーン(Jane)って読んでね 』

(日直:英語の導入は大切に)



■ 啖呵をきる! ■


中学1年生の英作文。お題は 「彼女は順子(Junko)です」

生徒 『は〜い、できました!』

どれどれ…  

        “ She  is  Junk . ”

        (彼女は クズ です

(日直:喧嘩上等、見事、捨て身の英作文でした!)


 
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2007年05月19日

川柳250周年!平成19年第2回優秀川柳発表 【生徒・講師の作品集】



●今年は川柳発祥から250年という記念すべき年なのです!●


ご存知でしたか、8月25日が川柳の誕生日だそうです。

250年前というと、江戸時代の真ん中あたりですか。

今、川柳ブームだそうですが、ち〜っとも知りませんでした。



さぁ、当教室メルマガの特集記事です。


平成19年第2回:優秀川柳の発表です。



毎週、毎月の予選をくぐりぬけてきた優秀作品。

去年12月から今年3月という受験シーズンの投稿川柳が対象。

全作品を全講師、生徒に採点してもらい、金・銀・銅賞と優秀賞を決めます。



『塾・勉強部門』 と 『一般部門』 があります。


まずは、優秀賞から、どうぞ!

 ■ 優秀賞 ■


『塾・勉強部門』

●理不尽だ 「合格したら 予習しろ!」

 ●食い逃げです 払って下さい 給食費

●見えない敵 杉の花粉と 偏差値か

●過去問が ボクの自信を 奪ってく…

●ゆとりなら 学校よりも おさいふに



『一般部門』

●ミルキーは ママではなくて 菌の味?

●警察が ひとりの勇気で 見直され

●ノロのあと インフルエンザに 花粉症

●もらったよ メールでチョコの 画像だけ

●期限切れ 最初に食べるは お父さん



ここまではウォーミングアップ。ここからパワーアップして…

銅賞、銀賞の発表です。



■■■ 銅賞 ■■■


『一般部門』 3作品


● Wii 買って 使って翌朝 筋肉痛  

● あるあると いわれて食べたが 効果なし 

● 子供から 靴下直接 渡される 




『塾・勉強部門』 3作品


● 不眠症 生徒の身代わり 塾講師

● 卒業式 何着る悩む 子より母

● いやがらせ?イヴから始まる 講習会



■■■ 銀賞 ■■■


『一般部門』



★★★ 妻からの チョコが一番 義理だった ★★★


★★★ 舌出すな 反省しているの?不二家ペコ ★★★



『塾・勉強部門』


★★★ 塾講師 はしゃぐ合格 生徒以上 ★★★


★★★ 勝負の日 母の弁当 プレッシャー ★★★



そして、いよいよ、最優秀川柳、金賞の発表!


 

■■■■  金賞  ■■■■


 

 『塾・勉強部門』

■ 神社には お願いばかり お礼せず ■



『一般部門』

■ 温暖化 うちの家族は 寒冷化 ■



 

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川柳パワーでなんとか追い上げを…。

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2007年05月18日

『プロ弁護士の思考術』 矢部正秋


プロ弁護士.jpg

 
弁護士とひとくちに言っても、さまざまな専門分野があり、仕事の仕方や交渉相手のタイプもそれによっていろいろでしょう。本書の著者、矢部正秋氏は1943年生まれで、ビジネス・国際取引法務を専門とするベテラン弁護士です。


そうなると扱う紛争の規模や金額も大きく、相手も一級の知識と戦略を持ったタフなネゴシエイターであると想像しますが、どうでしょうか。本書を読みますと、実際、そういう相手との交渉を有利にまとめ上げるのは容易なことではないようすで、あらゆる手段を駆使するのですね。

そもそも書名の “プロ弁護士” という言葉自体、逆に “しろうと弁護士” のようなものが存在することを暗示していますが、弁護士の中にも、将棋のプロとアマなみの差があるそうです。


筆者は、自分が扱ったり、見聞きした事件などを例にとり、ベテラン弁護士の考え方を7つに集約。そうしたことが一般の人々が煮詰まったり、トラブルに巻き込まれた時にも役立つのだということを示してくれます。

ここ数年、日本で “訴訟” にまで持ち込まれたものが約50万件もあるそうです。そこまでいかない紛争の数は、おそらくその30倍くらいという法則を紹介し、仮に日本に1500万件の争いがあるとすれば、まさに 「社会のあるところ紛争あり」 だというわけです。


その7つがそのまま各章になっています。


第1章
 話の根拠をまず選りすぐる―具体的に考える

第2章
 「考えもしなかったこと」を考える―オプションを発想する

第3章
 疑うことで心を自由にする―直視する

第4章
 他人の正義を認めつつ制する―共感する

第5章
 不運に対して合理的に備える―マサカを取り込む

第6章
 「考える力」と「戦う力」を固く結ぶ―主体的に考える

第7章
 今日の実りを未来の庭に植える―遠くを見る 



まず、最初に強調するのが、“意識的に考える” こと。人間のすべての尊厳は “考える” ことにあり、考えが人間の現在をもたらし、未来を決めるのだと言い切ります。

“いつだって自分は考えている” と反論したくなりますが、著者は、普通人の言う“考える”は単に “意識している” に過ぎないと指摘、意識しているというのは、漠然としたアイデアや雑念にすぎず、常に具体案を捜し、思いつくことが “考える” ということで、それには精神の飛躍が必要であると述べます。


やや抽象的で分かりにくいかもしれませんが、私は大きくうなずきました。自分を振り返ってみても、“考えている” という場合の多くは、“忘れていない、気になっている” というだけに過ぎません。それでは問題解決には役立たないということを言っていて、本来、考えることは人間の本能ではなく、意識的な行動、あるいは精神的な戦いだということでしょう。

訴え、訴えられるという世界の中では、味方だと思っていた証人が寝返ってしまう、裏切られてしまうということもベテランは想定します。厳しい社会、「大方の人間は欲得で動く」 と警告します。どんなに不愉快であっても、そういう現実を直視して、復数の解決策、つまりオプションを提示できるのがプロ弁護士だそうです。

我々、一般の人間に 「人を見たら泥棒と思え」 と言っているのではありません。ありとあらゆる可能性を考慮に入れて行動するように促すのです。そのためには、権威や先入観を取り払い、感覚を研ぎ澄まし、自分を含めて事態を客観視すること俯瞰することの重要性を説いています。

ただし、筆者がそうできるようになったと感じたのは、50歳くらいだそうです。ですから言葉でいうよりもそれを実践することははるかに難しそうですが、こういうことを知っておくだけでも有益ではないでしょうか。


昨日ご紹介した『子どもを育てる絶対勉強力(外山滋比古)』でも、日本人は論理が苦手だと指摘していました。以前に取り上げた名著、鈴木光司氏の『なぜ勉強するのか』 では、子どもや教育者向けに、論理的に考えることの重要性を説いていました。

本書では、一般の人やビジネスマンなどがトラブルになった時、論理的に考えることの有用性を解説した感じです。拙文がやや固い内容紹介になってしまいましたが、本書は体系立った学問的な記述ではなく、古典的な書物などから言葉を引用した、エッセイ、教養書といったおもむきです。大学生以上にお薦めです。



P.S. 本書は、相互リンクの 雨さん が、『おもしろいそうだよ』 と教えてくれたものです(笑)。

Thank you、アニキ!

 
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2007年05月17日

『子どもを育てる絶対勉強力』 外山滋比古


外山滋比古(子どもを育てる絶対勉強力).jpg


外山滋比古氏の著作は、私が受験生だった頃、また英語を教えるようになってから読んだものの中にも、いろいろご紹介したいものがあるのですが、最近本書を見つけてしまい、おもしろかったので取り上げます。

いつも “ことば” にこだわった教育論とか、言語論を展開しているイメージでしたが、本書では、教育を正面から論ずるというよりは、どちらかというとエッセー風に書かれており、読みやすい上に参考になります。

外山氏の著作は去年の入試でも、桐蔭学園中学で出題されましたし、やはり公立高校の入試出典、作者別ランキングでも、当教室で調べた限りでは、第5位と相変わらず入試との相性の良さを発揮しています。その意味でも読んでおいて損はないと思いますよ(笑)。

 
 ⇒ 公立高校入試に出題される本・作家ランキング 


お茶の水女子大の教授時代に、同時に附属幼稚園の園長をかねておられた