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2007年09月27日

『炎と氷』 新堂冬樹

 

炎と氷.jpg

 


しばらく前のことですが、ある新聞の書評欄で、本書に関して 「とうとう新堂氏がやってくれた!」のように絶賛されていたので読んでみました。新藤冬樹さんという方の作品ははじめて読みました。


何も知らずに読んだのですが、何とヤミ金融の世界でのし上がろうとする二人の男の物語でした…。炎と氷は二人の人間の比喩。

どんな相手であれ、金のためなら力ずくで、命知らずの戦いをいどんで屈服させようとする “炎” のような男、世羅。 一方 “氷” の方は、中学時代に世羅を、機転を利かせたしかけで暴走族から救ったことのある冷静な男、若瀬。

この親友二人が九州で作った金を元手に東京で別々にヤミ金を始めます。 

拙ブログでも、『武富士サラ金の帝王(溝口敦)』 を取り上げたことがありますが、本書も想像を絶する、めちゃくちゃな世界が描かれています。新藤氏はこれを丹念に取材をして書いたのか、想像上のことなのか…。

実際、随分前になりますが、ご記憶でしょうか、日栄というサラ金の会社が厳しい取立てで 「肝臓売れや!」 などという脅し文句の録音テープがテレビなどで流されました。本書ではそれはまだまだ序の口。

下世話な言葉で言えば、“サラ金ならまだしも、ヤミ金はまじでヤバい”。痛切に感じます。


自分達にとってじゃまな相手が女性であろうと、子どもや老人であろうと容赦せず、それぞれの “シマ” で順調に活動を続け、業績を伸ばしますが、やがて彼らよりずっと規模の大きいヤミの世界が黙っていられなくなります。

入り組んだ事件や闇の世界とのつながりから、とうとう親友であった二人の利害が衝突する事件が起こります。縄張り争いが衝突を招いた結果です。 


まぁ、あらん限りの乱暴な言葉遣いや、凄惨なシーンが数多くありますので、高校生以下にはとてもおすすめできませんが、読めばヤミ金にはどんなに困っても近付かないという教訓は得られるでしょう。

さまざまなトリックもあり、展開もおもしろく、500ページ近い大作ですが、飽きることなく読んでしまいました。後から知ったのですがファンからは 「新堂ワールド」 と呼ばれているそうですが、私も正直、どっぷりとつかってしまいました(笑)。 


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2007年09月25日

ブログカウンター・50万HIT! お礼

 


   おかげさまで、 50HIT   です  



  ←にあるカウンターが50万を越えました!



さっき気付いたら50万HITでした!


ありがとうございます。


夏休み以降、頻繁に記事をUPできておりませんが、それでも何とか3ヶ月ほどで10万HITを加算し、50万に届きました。いつもコメントで励ましてくださるブログ仲間のみなさん、また、コメントせずとも、定期的に訪れてくださるみなさま、心より御礼申し上げます。

なかなか、みなさまのブログにおじゃましてコメントする時間が取れないのが大変心苦しいのですが、見捨てずにご覧いただき、ありがとうございます。


もちろん毎日読書をし、実はご紹介したい書籍は山積みなのですが、みなさんに何とか読んでいただけるような記事にする余裕がないというのが本音です。すみません。

これからも、ペースアップを目指しつつ、少しでも生徒、ご父母に参考になるような書籍を取り上げられるよう続けてまいります。


一日、1000HITに届かない日が続いておりますが、何とか、60万ヒットが年内にできますように…。


これからもよろしくお願い申し上げます。



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2007年09月22日

『ラブリーボーン』 アリス・シーボルド 片山奈緒美 (訳)

 

ラブリーボーン.jpg

 
山口県光市で99年に起きた母子殺害事件の裁判のニュース、夫の本村洋氏の映像を見るたびに何ともいえない気分にさせられます。殺人という犯罪自体も許せないものですが、その後の被害者の家族とその生活を考えると本当に心が痛みます。

特にこの事件は残虐極まりなく、犯人は死刑に相当すると思うのですが、みなさんはどんな感想をお持ちなんでしょうか。オウムの事件も同様ですが、死刑に反対する弁護士の方々が多いということなんでしょうね。


光市の事件のことが報道されるたびに思い出すのが本書です。2002年にアメリカで最も読まれた小説で、書き出しは次のようなものです。


『わたしはスージー・サーモン。魚と同じ名前よ。一九七三年十二月六日に殺されたとき、まだ一四歳だった。』 



14歳で知り合いの男から暴行を受け、その場で殺されてしまった主人公スージーサーモンが、天国に行き、そこから自分の死後の世界を見つめ、家族、友人の幸福を祈りながら、みんなの成長や状況の進展を見守るというスタイルで進んでいきます。 

事件後、スージーの父親は犯人と思われる男の捜査に夢中になり、変人扱いされてしまいます。母親はやがて家庭の重苦しさに耐えられずに家を出てしまいます。

こうして、何も罪のなかった少女の家族がばらばらになりそうな中で、スージーの妹、弟や友人達が、スージーに様々な思いを抱きながら、それぞれ成長を遂げていく姿が感動的に描かれています。 

喪失感をともなったまま生きてゆかねばならない人、時の経過とともに変わってしまう人の心が14歳スージーの優しい言葉で綴られています。

450ページほどにもなる長編ですが、中学生、高校生なら夢中で読んでしまうのではないでしょうか。

なんと、著者自身も大学生の時、性犯罪の被害者となり、心に大きな傷を負っているという事実。そこから生まれた美しくも重い物語です。 



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ラブリー・ボーン
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2007年09月20日

『オトナ語の謎。』 糸井重里


オトナ語の謎。.jpg

 


 “オレ的にはアグリーできかねるんだよね” と表紙にも書いてあります。

こんな言葉使っている人、職場にいますか(笑)?少なくとも私の知っている塾講師にはさすがにいませんが、オトナ語は 「ほぼ日刊イトイ新聞」 の人気コーナーだそうですから、やはり、“いるいるこういう人” という感覚があるんでしょう。


本書は、その人気コーナーをまとめたものです。何かの書評に、抱腹絶倒、絶対おもしろいと書いてあったので、読んでみました。そうですね、“とても塾講師的にはリコメンドできかねるんですが(ごめんなさい)”、 ペラペラめくっている分には楽しく読んだ、そんな感想です。


確かに、大人独特の言葉というのはありますよね。高校生や大学生がアルバイトなんかしてみると、いきなり出くわす表現です。それらを取り上げて解説している本です。

「なるはや」 「午後イチ」 「ペンディング」 などは基礎だそうですよ。それぞれに意味や使い方がユーモラスに書かれています。


例えば 『お世話になっております』というオトナ語に関してはこんな説明が。


オトナの世界はこのひと言より始まる。いわば「お世話になっております」は大人の世界における万物の始まりといっていい。使い方の基礎を述べるとすると、とにかく、開口一番、あっという間にそう述べるべきだ。

「お世話になっております」そう、たとえあなたがまるでお世話になってなくても。「お世話になっております」 むしろオレがおまえをお世話しているのだと思っても。「お世話になっております」

あなたと私は絶対に初対面であるけれど。「お世話になっております」 たとえ先方の電話に出たのがベッカムだとしても。「お世話になっております」 たとえメールを送る相手がローマ法王だったとしても。「お世話になっております!」
 ”


写すの疲れた(笑)。

いかがです?一つだけこうして読んでいる分にはおもしろいんですが、ずっと続くとちょっとね。興味がわいた方だけ(笑)、どうぞ!



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オトナ語の謎。 (ほぼ日ブックス)
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2007年09月17日

“過去にすがりつくのは現在・未来を侵害すること”  吉野秀 【読売新聞コラム】

 
当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介しましょう。

私も何度か似たような経験がありますね〜。つらいつらい(笑)。 どうぞ!



■■■■■  過去にすがりつくのは現在・未来を侵害すること  ■■■■■


約10年ぶりに知人から自宅へ電話があった。この人には社会人になった当時(22年前)、大変お世話になり、現在の私へいたる礎を築いてくれたと言っても過言ではない。

「近くにいるので、会えないだろうか」。私としては懐かしさ、そして感謝の意もあって、即座にOKした。待ち合わせの場所へ着いたら電話してくれることになったので、取るものも取りあえずすっ飛んでいった。  

昔話に花が咲く。久しぶりに会った場面の一般的パターンだが、こちらから切り出す話を次から次へとさえぎる。会ってから約30分後、とうとう知人はしびれを切らしたように話し始めた。  

「今、こういう新しい事業に関わっている。それを立ち上げるためには、資金が2000〜3000万円足りない。エンジェル(善意ある出資者)を紹介してもらえないか」。 

それまで、知り合いに著名人がいるとか、私の実家は裕福だなどと自慢の限りを尽くしていたのが嘘のようなびっくり発言。さらにこう続けた。「私は今まで他人に頭を下げたことはないけれど、今回は相当の気持ちで臨んでいる」。  

昔の恩義を振りかざされる 「ある種の危機」 を感じた私は、適当なところでその日を切り上げた。

翌日、「昨日の資料を渡したい」と言うので仕方なくまた会った。「たかだか2000〜3000万円の資金を調達できないのはおかしい」 ならまだしも、「あなたが見込めるエンジェルにこの場で電話して、アポイントを取って欲しい」と言い出す始末。私は逃げるように帰った。  

その翌日にも連絡の嵐。「至急会いたい。近くまで行くから」「エンジェルになれそうな人に、『お世話になった先輩が至急会いたがっているので』 と伝えて欲しい」……。  

知人は過日にこう言った。「過去を大事にするから現在がある」。自分の夢や希望の実現のためには、他人の人間関係でも踏みつけにしようとする行動には唖然。私は断りと別れの意をはっきり示した。  

追い込まれた・困った時に昔の同僚・知人へ泣きを入れたり、いつまでも上下関係を引きずる人は意外と多い。「何を今さら」とも考えるのは自然で、中には「困ったときだけ言ってくるんじゃないよ」と追い払いたい心境にもなるはずだ。  

ビジネスは基本的にギブ&テイクで成り立っている。「今までどうだったのか」も確かに大切だが、「今どうなのか」 「これからどうなるのか」 を重視すべきで、いくら過去に部下だったとしても相も変わらずの先輩風はルール違反。

人間関係で、恩は受けた側がいつまでも感じるもので与えた方が押し付け続けるものではない。礼節や道義が疎かになったら最悪だ。特にマネジャーの人望の有無はここで決まる面が大きいと思う。  

過去を振りかざし、現在と未来を侵害した瞬間にビジネス資源(ヒト、モノ・サービス、マネー、情報、時間)は逃げていく。できるマネジャーは成長した後輩を讃え、求められれば近況に合わせた適切な助言を与える。それが義務であり、権利ではないだろうか。 

 

■■■■■■■■■■



ところで、空きはわずかですが、吉野先生の授業は代々木教室で受けられます。私、VIVAの英語の授業もよろしければぜひ…。


東京の代々木教室 (03-3370-4440)

横浜市都筑区にある中川教室 (045-910-1435)


現在、講師の方も大募集中です!!!



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2007年09月13日

『世界は日本・アジアをどう伝えているか-報道検証』 千野境子

 

世界は日本をそう伝えているか.jpg


安倍首相辞任のニュースには驚きました。どうしてこんなタイミングなのか、あまりにも唐突です。好き嫌いや政策はさておき、こういう辞め方はどうも賛成できないのですが、有権者はどう感じるのでしょうか。

内閣改造を終えて、所信表明演説で改革の決意を明らかにしたばかり。政治家の言葉や国会という場所をどう考えているのでしょう。一国の首相としてのプレッシャーというのは、常人の想像をはるかに超えているのでしょうが、あまりにも無責任。


本当にわかりにくい。アメリカに見放されたか、麻生さんや自民党のベテランか誰かに操られていただけのか、官僚たちとの戦いに敗れたのか、スキャンダルでもあるのか、あるいは気まぐれ…。わかりません。

小泉氏が最後に靖国神社に参拝して任期を終えたのとは対照的で、中途半端な幕切れ。“美しくない” と感じてしまいます。


他の政策はともかく、公立学校の改革には大いに期待していただけに、そちらの方がどうなってしまうのかも大きな心配です。でもこの人物が日本の教育改革のリーダーだったのかと思うとちょっと…。


きっと海外のメディアも驚きを伝えていると思うのですが、どうでしょう。

そんなことを考えている間に思い出した一冊が本書です。海外メディアに対し、いわゆる報道検証をしている本です。


毎月一度産経新聞に掲載されているものを1999年から2003年7月までのものを一冊にまとめて出版されたものです。ニュースとしては古いのが残念ですが、非常に興味深い内容で、世界における日本・アジアの報道のされ方がよくわかります。

ワシントンポストニューヨークタイムズフィナンシャルタイムズウォールストリートジャーナルといったクオリティーペーパーと呼ばれるものだけでなく、人民日報東亜日報などアジア系の新聞、さらにさらにそれ以外のヨーロッパ、アジア、南米、アフリカなどまでカバーしています。 

話題も多岐に及んでいますので、さまざまなことがわかるのですが、筆者の意見では特にニューヨークタイムズの日本関連の記事は、事実関係から誤報が多く、この新聞をありがたがって読んでいる人はいい加減に目を覚ませと主張します。 

1999年(ユネスコ事務局長選;国旗国歌・防衛意識 ほか)

2000年(首相の東南アジア歴訪;NYタイムズの対日報道から ほか)

2001年(森首相のアフリカ歴訪;実習船沈没事故 ほか)

2002年(小泉首相の東南アジア歴訪;アフガン復興会議 ほか)

2003年(首相のロシア訪問;日本の「新外交戦略」 ほか)


ところ変われば…と申しますが、本当に世界の人はいろんなことを考えるものです。英字新聞を辞書なしで読める方なら、本書に頼らずともネットで記事をチェックできますが、それにしても、これほど広範囲に情報を集めることはかなりの手間がかかるはずです。

お薦めの一冊です。筆者は昨日・今日のニュースもしっかりウオッチしているでしょうが。続編が待ち遠しいです。




P.S. 記事を書いてから話を戻すようで、恐縮ですが、それにしても、それにしても、首相の突然の退陣で、例えば舛添氏はどうするんでしょう。やる気まんまんの期待の大臣だったのに完全にはしごをはずされてしまいました。

教育再生会議だけじゃなく、防衛問題や拉致などなど、決着の付いていないものが他にもいろいろあるのに。

日米首脳会議後の会見を見て、靖国の曖昧戦略とかいうごまかしを見て、あっ、危ないと感じていましたが、まさかこんな形になるとは…。細川護煕氏の退陣の時とイメージがダブります。


日本でも政治家の言葉が軽すぎると痛感した一日でした。



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世界は日本・アジアをどう伝えているか―報道検証
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2007年09月12日

時事問題 【2007年7〜9月】 社会定期テスト対策

 

2学期制の中学・高校はそろそろ1学期の期末テスト。

何度でもいうけれど、特に中学生、定期テストは

本番の入試のつもりで臨もう!


 


2007年7・8・9月 時事予想問題 



7/16 (@  )県中越沖地震。 

7/26 アフガニスタンで韓国人ボランティア23人が「(A    )」に連れ去られる。 

7/29 (B )議院選挙、(C  )党が大敗して与党過半数割れ。 

8/1 横綱・朝青龍に対して日本相撲協会が2場所出場停止などの処分    

  負傷中にも関わらず、故郷(D    )でサッカーをしていたことが問題化。 

8/12 川崎の(E       )で、女性が足親指切断の事故。 

8/15 (F   )年目の「終戦の日」。  

 15 (G   )で、マグニチュード7.9の大地震、日本でも小さな津波。 

8/16 猛暑が続く列島、国内最高気温を更新。 

  (H    )県多治見市と(I    )県熊谷市で最高気温が40度9分 

  気温が35度を超えた日を「猛暑日」と呼ぶ←原因は(J      )現象   

体温が高くなり、めまいやけいれんを起こしたりする(K  )症の被害 

8/21 メキシコ・ユカタン半島にカテゴリ5の(L     )「ディーン」上陸 

8/22 夏の甲子園決勝 (M  )北が優勝 

8/25 世界陸上が(N    )で開幕 

8/28 安倍改造内閣本格始動

   【主な大臣】 (O    )大臣 舛添要一 

          (P    )大臣 遠藤武彦←何もやらずに8日で辞任 

9/3 (Q  )川でイルカ騒動(イルカは通常淡水では生きられない) 

9/6〜7 暴風雨をもたらしたのは台風(R  )号 



 ★今回も絶対、当てますよ。でも、ごめんなさい。多忙につき、答えは自分で調べて下さい。今回は簡単ですよね。



   当教室の生徒諸君は、きちんと答えを持ってくること!いいね。




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2007年09月09日

『新 ほんとうの英語がわかる―ネイティヴに「こころ」を伝えたい』 ロジャー・パルバース 


新・本当の英語がわかる.jpg

 


本書の前作、『ほんとうの英語がわかる』 を少し前にご紹介しました。そちらもお薦めですが、続編の本書もなかなか興味深い一冊です。

筆者は英語の専門家でもありますが、同時に作家でもあります。本書では4人の登場人物の英会話を追い、その英語の解説と同時にあるストーリーができています。それを追いながら、英語の理解を深めようというねらいです。

実際の受験勉強や資格試験に役立つというような、勉強をするための本というより(もちろん勉強になりますが)、日本語と英語の奥深さを知る教養書と呼んだ方が良いかもしれません。

英語学習者の正しい考え方を豊富な例文で実に丁寧に示してくれています。不思議な魅力を持った本でした。生徒より先生向きと言えるかも知れません。日本人にはわかりにくいと思われる例を挙げ、なぜそういう意味になるのか、その背景、ニュアンスの違いなどの解説が親切です。


目次です。

 短い単語

 長い単語

 皮肉、嫌味、冷笑

 イントネーション、なまり、方言

 擬音語・擬態語、頭韻、英語の音色

 英語のていねい表現

 微妙な表現とニュアンス 


いくつか本書から拾ってみます。以下のような表現が、日本人にはわかりにくいだろうということで、その意味などを解説してくれています。

He is a great little actor. (彼はすばらしい俳優だ)

Well, one way or another. (まぁ、一応)

You ain’t seen nothin’ yet. (お楽しみはこれからだぜ)

Get a life. (しっかりしろ、いい加減にしろ)


いかがでしょう。確かに、あまり教科書には出てこないような表現だと思います。ニュアンスで分かるものもありますが、知りたい!という方にはお薦めします。ただし、上で書きましたように、参考書というより教養書のおもむきです。



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新 ほんとうの英語がわかる―ネイティヴに「こころ」を伝えたい 新潮選書
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2007年09月05日

『体験的本多勝一論』 殿岡昭郎


本多勝一論.jpg

 


つい先日、大学時代の友人と話していた際に話題になったのが本多勝一氏でした。相変わらず、根強いファンがいるものですね。氏の著作では、これまで 『新アメリカ合州国』 を取り上げました。おもしろい一冊でした。


本多氏の名前は、大学生以下の世代には、もうちょっとなじみではないかもしれませんが、いわずと知れた元朝日新聞のスター記者で、ベトナム戦争時に関する著作で国際的にも名を知られているジャーナリストです。

南京大虐殺の告発のレポートを送ったことで、日本中のエリート層から大変な注目を浴びました。いわゆる市民派とか左翼と呼ばれる人々からは崇められ、反対の側からはののしられることが多い人物です。

攻撃がものすごいのか、カツラをかぶりサングラス。顔も出さなければ、誕生日も明かさない、今となっては伝説上と言ったら言いすぎでしょうが、本当に正体不明です。ニュース23の筑紫哲也氏などと、“週刊金曜日” を運営していました。


筆者はまだ、本多氏が名声の頂点にいたころから、その著作のいかがわしさを指摘しました。

殿岡氏がある雑誌に掲載した本多批判が、本多氏の逆鱗に触れ、とうとう提訴、裁判で名誉毀損や謝罪広告などを請求されました。

訴えられたのは昭和59年で、最高裁判所の判決が平成10年だそうです。人生の何分の1か、かなりの長期間に渡って本多氏と戦いました。

しかし結果は3戦3勝、すべての裁判所で完全勝利をつかんだのですが、本書はその経過を明らかにしたものです。いったい本多氏というのはどういう人物か、その報道姿勢の問題点、裁判に至った経緯、公判でのやり取り、さらにその間の双方の動きなどをつまびらかにしています。


殿岡氏本人は、大新聞社の大記者相手の裁判にほとほと疲れ果てた様子ですが、非常におもしろく読めました。裁判の様子や、本多氏の作戦の展開などがまるで小説を読んでいるかのようで引き込まれました。実に執念深い戦いぶりです。


以下が目次です。

第1部 裁判提起まで(本多勝一氏との争い;前哨戦(1)東京学芸大学への公開質問状
前哨戦(1)本多氏と堤『諸君!』編集長との文書合戦)

第2部
 裁判始まる(人違い裁判?;くい違う争点)

第3部
 証人尋問(証人席の本多氏;対比の妙、硬派・村田氏VS.軟派・筑紫氏;剛直の堤氏)

第4部
 録音テープをめぐる攻防(いわれない“改竄”の汚名;本多氏の謀略;最終弁論)

第5部
 判決下る(地裁判決;完全勝利;高裁判決;最高裁判決) 


センセーショナルな週刊誌の書き方に対し、政党や政治家、また出版社が訴えるということを耳にします。つい数日前にも、民主党の議員となった、“さくらパパ” こと横峯良郎氏さんが、賭けゴルフなどを報道した週刊誌を訴えると伝えられましたね。

しかし実際は、その後の裁判の経緯が細かく報道されるのは大きな事件だけで、名誉毀損などの裁判の詳細がいちいち伝えられることはまれです。つまり訴えるということ自体がポーズかなと思わせるようなものばかりです。


おそらく本多氏の提訴もそういう意味合いがあるのですが、本多氏の執念がすごいのです。筆者の主張は、本多ルポルタージュはルポの名を借りた、政治宣伝であるというような内容です。

本多氏を好きな方もそうでない方も、あるいはまったくご存じない方にもお薦めできる興味深い一冊だと思います。 



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体験的本多勝一論―本多ルポルタージュ破産の証明
            殿岡 昭郎
            日新報道
            
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2007年09月03日

『女性はどう学んできたか―卑弥呼から江戸庶民の女まで』 杉本 苑子


女性はどう学んできたか.jpg




9月、新学期の始まりですね。
当教室の夏期講習も終わったわけですが、毎年のことながら、受験生はみんなよく頑張っていました。もちろんそれに応える講師陣も真剣そのもの。みなさんご苦労さまでした。


やっと終わった一休み、といきたいところですが、ふと気が付いてみると大学センター試験まであと4ヶ月半、中学入試も5ヶ月を切ってしまいました。


やれやれやっと秋らしく、涼しくなったなどと世間がほっとしている一方で、徐々に緊張感が高まるのが受験生ですから、ゆっくり本を読む時間もなかなか確保できないでしょう。


いったいなんでこんなに勉強するの(させられるの) と思っている諸君におもしろい一冊を紹介しましょう。書名通り、女性がどのように学問と関わってきたかについて言及した本です。


歴史学者が書くと小難しい研究書になりそうなテーマですが、著者の杉本苑子氏は言わずと知れた歴史小説家。吉川英治氏氏に師事しており、直木賞など多くの賞を受賞していますね。

想像力を駆使して、日本史や国文学に興味がない人でも楽しく読める書に仕上げています。配列は年代順ですが、章ごとに違う人を取り上げているので、興味のある章から読むことも出来ます。


目次です。

第1章 女王ヒミコは、外国語がペラペラだった?嘘ォ、信じられないわ。 

第2章 女帝は飛鳥・奈良朝の専売にあらず。江戸時代にもいましたよ。 

第3章 いよいよ花ひらいた女帝の世紀。そしてその、明と暗。 

第4章 時代の生証人ケヤキの厨子。しかし彼は黙して語らず。 

第5章 猛勉強した光明皇后。その師はなんと、則天武后! 

第6章 漢詩が得意な内親王、坊さんキラーの皇太后など、世はさまざま。 

第7章 女がひっぱる女の足。本箱は壁に向けて置くのが安全よ。 

第8章 娘に着せる正月小袖、生首一つで買えるかなあ。 

第9章 女の子の教育はおッ母さんの受け持ち。子供は遊ぶひまもない。 


“女がそんなに勉強してどうする” というような親ごさんは、今ほとんどいなくなったと思います。申し上げるまでもなく、女性が学ぶことは、現代では当たり前ですが、日本の教育制度がととのって、「教育を受ける権利」 が保障されてから、わずか半世紀ほどですよね。 


しかし、さらに歴史を振り返ると、三世紀半ば頃、きっとまだ日本独自の文字のなかった時代に邪馬台国の女王・卑弥呼は、民衆の上に君臨し、なんと隣国・魏の言葉に堪能だったとか。本当でしょうか。 


あの聖武天皇の皇后・光明子は、中国の女傑・則天武后の著した書物を、そして紫式部は漢籍を読んでいたらしい。女性と学問の通史とでも言えば良いのでしょうか。

受験に役立つ一冊というのではありませんが、秋の夜長に想像力をかりたてられる、楽しめる良書だと思います。 



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女性はどう学んできたか―卑弥呼から江戸庶民の女まで (集英社新書)
            杉本 苑子
            集英社
            
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