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2006年07月06日

『兵士に聞け』杉山隆男

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兵士に聞け

   
金正日を“北の暴れん坊将軍” などと軽口をたたき、『まさかミサイルは日本には打ち込まないだろう』 というのがのんきな国民の感覚かもしれません。が、政治家はもちろん、国防を担う自衛隊の諸君や幹部の緊張はいかばかりでしょうか。

『万一に備える』 のが彼らの役目ですから…。さらに海上保安庁のほうも同様。韓国とのEEZ の問題が緊迫して来ました。一触即発は言いすぎでしょうか。

北朝鮮のほか、イラク戦争、さらに憲法改正などで、自衛隊がますます話題にのぼることが多くなりました。当塾 の生徒でも、わずかながら、防衛大学や防衛医大への進学希望が増えています。単に就職難が原因か、それとも注目度が増したということでしょうか。

災害救助にしろ、治安平和維持活動にしろ、旅行や趣味で出かけるのとは訳が違いますね。生命の危険を承知でさまざまな任務を遂行しているのですが、日本では憲法の問題もあり、尊敬されるどころか、むしろ逆の扱いを受けてしまうことまであります。

何か事件が起きなければ、取材もされず、何をやっているのか一般国民は知るすべがありません。いったい当の彼らはどう思っているのでしょうか。

本書は自衛隊を取材したノンフィクション。600ページを超え、渾身の力作というような表現がぴったりの一冊で、取材の徹底振りが特色です。新潮学芸賞を受賞しました。決して自衛隊礼賛の本ではありません。

カンボジアPKOや奥尻島救援といった、大きな事件や救難活動の実態とその裏側を描き、自衛官らが偏見や法律上の規制に苦しんでいる姿を描きます。

また、過酷な訓練を超人的な精神力で耐え、命がけの任務に赴く、勇敢な隊員がいる一方で、金のためだけに在籍し、戦場どころか事故現場にすら行けそうにない自衛官のことも赤裸々に告発しています。

本書を読んだら、“自衛官にはなりたくない”と思う人のほうが圧倒的に多いと思いますが、その “いやなことはみんなでやろう” という発想から、ドイツはいまだに徴兵制をしいています。韓国、北朝鮮はもちろんW杯に出ている国では、ブラジルやスイス、ポルトガル、スウェーデン、メキシコ、チュニジア、トーゴ、イランなども徴兵制です。

危険な隣人を抱えてしまった今の日本。徴兵制がないのですから、誰かがその大変で、尊敬もされない任務を負ってくれているわけです。基地問題も同様ですが、“誰か” に任せるとしたら、現場の厳しい現実をよく知ることは、少なくとも一般国民の礼儀かなと思うのです。



http://tokkun.net/jump.htm


『兵士に聞け』杉山隆男
新潮社:666P:860円


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posted by VIVA at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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