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2006年08月05日

『人生と投資のパズル』角田康夫

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投資と人生

小学生で分かる人もいれば、東大生でも分からない人もいる。まずはそんな問題です。

■■ 問題 ■■

ここにA・B・C の3つの箱があり、どれかひとつに百万円が入っています。どれか当てれば百万円もらえます。あなたは仮にAを選んだとします。

それを見た、答えを知っている人が、
『 C の箱には百万円は入っていません。AかBのどちらかです。箱をBに変えますか?』 と言われたら、あなたはBに変えますか? それともそのままAにしますか? 

■■ 正解 ■■
『Bに変える』

AかBの二つに一つだから、『AもBも確率は2分の1だ』 と考えてはいけません。

なぜならこの場合、Aに百万円が入っている確率は “2分の1ではなく、3分の1” が正しく、そして、一方、Bの方の確率は “3分の2” になっていて、明らかにBが有利です。

どうして?Aは2分の1じゃないの? という人は、数をずっと多くして考えてみて下さい。例えば宝くじで…。

■■■
ジャンボ宝くじで1等の当たる確率は1千万分の1くらいだそうです。これは、さいころを振って連続9回、1が出る確率と同じくらいです。やってみて下さい。ほぼありえません。

縁起でもないのですが、あなたが、“交通事故で1年以内に死んでしまう確率” の方が、ジャンボ宝くじに当たる確率より、はるかに高いのです。

さて、あなたは、当たれば1億円のジャンボ宝くじを1枚だけ買いました。確率は1千万分の1ですから、まず当たりません。

そこへ、当選番号を知っている人が、↑のクイズと同様、次々にはずれを省いていき、最後の1枚とあなたの1枚となった時、

『あなたの持っている1枚か、最後に残ったこの1枚が、1億円の当たりくじです。変えますか?』 といわれたら…

あなたの持っている宝くじは、じっと待っているだけで、当たる確率が1千万分の1から2分の1に上がったでしょうか? 

もしそうなら、あなたに1億円当たりそうですが…。

いいえ、あなたの確率は1千万分の1のままで、もう一枚が1千万分の999万9999です。そんなチャンスは絶対にさっさと変えなければなりません。

ところが、こんな時でさえ、人間というのはやはり最初に自分で選んだ宝くじを手放すのは、惜しい気がしてなりません(笑)。

箱の例でも、あなたの取ったAの当たる確率は、たとえC がなくなったとしても、3分の1のままで、Bが3分の2になることがわかりますよね。

ところが実際に、これを生徒に試してみますと、誰一人、Aを変えようとしません。これは、“自分が最初に下した決断は正しいと信じたい”、という心理が働くためなのです。

そうです、我々人間は常に合理的な判断をしているではなく、極めて感覚的で不合理な動機で動かされるものです。

行列ができるラーメン屋さんはおいしいだろうとか、高いものだから安心だろう、が代表例ですね。あっ、ついでに、大手の予備校だから成績が上がるとか(笑)。

マーケティングや心理学、あるいは金融工学などでこのような問題を扱いますが、この分野の経済学でノーベル賞が出たことでがぜん注目が集まりました。

売る方は巧みに我々の心理をついてきます。賢い消費者でいるためには、なかなか気が抜けません。本書にはこうした、パズルというか、クイズ形式というか例題が多く引用されています。 

読むには、確率の考え方を理解することはある程度必要ですが、実際の生活に即したアドバイスも多く、投資をするかどうかは関係なく、消費者として生活している人々に多くの示唆を与えてくれるものです。

以前ご紹介した、チャルディーニの書いた『 影響力の武器 』 も大いにお薦めできますが、その社会心理学に共通する部分が多く含まれていました。興味のある方には、お薦めです。


http://tokkun.net/jump.htm


『人生と投資のパズル』角田康夫
文藝春秋:222P:735円


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posted by VIVA at 23:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
すみません、どうしてもこの問題が分からなくて。
A・B・C3つ有ったとして、この時点で選べば3分の1、Cは違うと言われたら、A・B二つで2分の1にはどうしてならないかが、お手数掛けて申し訳無いんですが、分かりませんでした;;

例えば「これを見て」と言うので、Aは違うよという意味も含まれてこの答えを知ってる人が発言したのだとすると、答えは確立ではなく、Bで決まりになってしまいますし。。。

うーーん、大変申し訳無いんですが、どうしてなんでしょうか??;;
Posted by 嵐 at 2006年08月11日 16:55
コメントありがとうございます。私もかなり迷いましたが、宝くじの例でもダメでしたら、ぜひ実験してみてください。10個くらいの中に当たりをひとつ入れて…。えらそうに書いておりますが、私も実験をしてはじめて納得した次第です。

あるいは http://blog.goo.ne.jp/tokkun-book にあるコメントをご覧下さい。
これからもよろしくお願いします。
Posted by VIVA at 2006年08月11日 17:25
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