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イギリスのヒースロー空港での、旅客機テロ計画で犯人グループが24人も逮捕と報じられました。7人の実行犯が1人ずつ英国発米国行きの旅客機に乗り込み、大西洋上で自爆テロを実行するという、想像を絶する、大規模な計画だったというではありませんか。
仮に1機だけに絞っていたら、テロは成功していたのでしょうか。恐ろしいことです。
“ウルトラダラー”を書いた手嶋龍一氏は、テレビで、これに関し、『アメリカでさえ、防げなかっただろう、まして日本なら、完全にムリだ』 というような衝撃的な発言をしていました。
日本には、Eメールや電話の盗聴など、諜報活動に強い制約があるし、タテ割り行政では、対応できないためだそうです。イギリスの、テロと戦ってきた歴史や失敗の教訓が、今回の逮捕につながったという分析でした。
本書は9・11テロの首謀者といわれるビンラディンの人物像と、テロの背景に迫ります。フランス最高の諜報機関が依頼し、3年を費やしたという大作です。スイスではビンラディン一家の圧力で発売禁止になったそうです。
そもそもあの規模のテロ活動というものは、かなりの組織でなければ不可能なことはわかりますが、いったいその莫大な活動資金はどこから出ているのか。さらに、ブッシュとビンラディンが石油利権や金融ネットワークで、つながりがあるというではないですか。
本書を要約すると、
@アメリカはテロ以前から、企業のパイプライン建設のため、アフガニスタンの地理的重要性に目を付けてタリバンと極秘に交渉していた。空爆までもほのめかす強い調子で。その交渉失敗がテロに結びついた可能性が高い。
Aビンラディンはアメリカ軍駐留を許しているサウジに対して、強い非難を浴びせているが、ビンラディンを育て、活動を可能にしているのはサウジのオイルダラーである。そしてその関係はテロ後も続いている。
BFBIは明らかに様々な機関によるイスラム過激派への捜査を妨害していた。
C世界中にイスラム過激派の豊富な資金源がある。それは、ニセのNGO組織から正規の企業まで数多い。しかもそこには西側政府の要人たちがかかわる多岐にわたる利権も存在する。
これらのことが実に細かく、図や資料などで主張を補強しながら述べられています。ベストセラーとなっていましたが、まるで専門書のようで、決して読みやすい一冊ではありません。
私のような、のんびりしているごく普通の日本人には、にわかに信じられないほどの規模の、利権や犯罪のネットワークが世界には存在していることに驚かされます。ハンチントンの 『 文明の衝突 』 とは違った意味で、衝撃的です。
日本での、いわゆる盗聴法は、反対の声が吹き荒れました。私もあやし気な法律だと思っておりましたが、テロが起こってから、政府や警察の無策を批判するわけにもいきませんね。
日本のテロ対策は『途上国レベル』 (手嶋氏)だそうですから、テロリストに本気でねらわれたら…。ただでさえスパイ天国などと言われ、今日は、実際に、自衛官の自殺も詳しく報道されました。
こうして記事にして、危機をあおるのは本意じゃありませんが、だからといって、日本とは無関係だとはとても言えません。今のところ、いろいろ本を読んで勉強し、判断するしかないのでしょう。
http://tokkun.net/jump.htm
『ぬりつぶされた真実』ジャン=シャルル・ブリザール、ギョーム・ダスキエ
幻冬舎:330P:1680円
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