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いよいよ小泉政権もクライマックスを迎えるわけですが、8月15日に靖国神社参拝が、“必ず行く” と言った公約ですし、これだけ騒がれますと、外国からも注目が集まります。
しかしどうなんでしょう。靖国問題は、私も注目だけはしていますが、そもそも小泉政権の本質とはあまり関係ないとも感じます。
靖国に行くなと、中国や韓国が内政干渉をし、それに呼応して、国内のメディアや野党が盛んに取り上げ、問題をどんどん大きくしてしまっています。小学生でも、『靖国』は知っていますが、これが大きくなればなるほど、そういう勢力の思うつぼ。
国論を二分させるし、麻生氏はじめ、次の総理をめざす他の政治家も、何らかの解決策を公表せざるをえなくなっています。また、中国や韓国の歓心を買って、日本でアピールしようというような政治家まで出てくる状況。完全に国益をそこなっているといえないでしょうか。
本書は小泉政権というのは、何を狙って、どのように動いてきたかを、実につぶさに観察、分析している一冊です。小泉政権誕生の下地ができる、小選挙区制導入当時の政界分析から始まって、じっくり書いてあります。
『官邸主導』 という書名があらわすように、小泉政権最大の特徴は、政策そのものよりも、政策の立て方、いわゆる政治手法にありそうです。
道路公団や、郵政の民営化、医療改革、三位一体改革などは、どこまで本気なのか、正直、私にはつかめないのですが、これら、すべてを抵抗勢力、おもに竹下、小渕、橋本派の大派閥つぶしと見れば、非常に分かりやすい話にならないでしょうか。族議員の利権や支持母体を叩きつぶしているという構図です。
人事にもはっきりそれが出ていますよね。本当に誰にも相談しないで、すべての閣僚を決めるのだそうです。もちろん派閥の推薦は一切受け付けませんから、ますます派閥は弱体化しますし、抵抗勢力は徹底して、ポストから“干す” そうです。亀井氏らから“ヒトラー以上” の独裁者と非難されるゆえんです。
適材適所というより、官僚の権力や、それにぶらさがる族議員つぶしと見ればすっきりいきます。田中真紀子氏らを送り込まれた、外務省などはたまったもんではありませんね(笑)。党の税制調査会や総務会といった、しばしば首相官邸とぶつかってきた組織までも、今や完全に弱体化しました。
自民党や官僚のドンと言われていたような人々を、どんどん追い出し、政策決定のじゃまになる制度を骨抜き、破壊し、すべてを官邸主導のシステムに変えていきます。逆に首相が信頼をおく、竹中氏や中川秀直氏、与謝野氏などは急速に発言力を強めている印象を持ちます。
確かに、公約とおり、公共事業に頼らず、景気を回復させ、不良債権を減らしましたし、何と言っても、北朝鮮に拉致を認めさせた功績は、高く評価されるべきでしょう。これでやっと子どもを含む日本国民が、北朝鮮の実態を知ることになり、国防意識を高めましたから。
ただ、本書は、小泉内閣における、権力構造の変化に焦点を当てており、アメリカ追従姿勢、イラク派兵や、アジア外交、また、それ以外のさまざまな政策の評価・分析はほとんどありません。従ってそれを期待される読者には向きません。私ももう少し、そこらを読んでみたかったのですが…。その評価は歴史家に譲るということなのでしょうか。
『 君主論 』 を以前ご紹介しましたが、小泉首相は、良くも悪しくも、日本の政治家には珍しく、政治や権力というものの本質を理解し、非常に権力闘争に長けた政治家であるという印象を持ちました。政策通とはとても言えないようですが(笑)。
http://tokkun.net/jump.htm
『官邸主導』 清水真人
日本経済新聞社:409P:1995円
■■ 信長好きですし、そうなるのでしょうが、塾講師としては、危機的な状況にあると思われる日本の教育。かなめの文部科学大臣をころころ代えたのが気に入りません。権力闘争に利用して欲しくないところでした。賛同いただければ、クリックをお願いします。m(__)m ■■
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