吉村氏の著作は読んだことがなかったのですが、先日、氏がお亡くなりになった折、よくおじゃまする、
HIRO。さん、 tani先輩、 milestaさん のブログ。みなさん、吉村氏逝去に言及されているではありませんか。
実は、“あっ出遅れた。きっとおもしろいだろう。” と思い、早速、その著作、数冊を購入し、最初に手にしたのが本書です。
実際に、いきなり、期待以上に大変興味深い一冊でした。ついついやめられずに、一日で読んでしまいました。
最初の『「破獄」の史実調査』から、引き込まれるように読みました。どんな厳重な警備体制を敷かれた刑務所からでも、必ず逃げてしまう、伝説の脱獄犯を扱った作品、『破獄』 執筆の裏話です。おもしろい上に、じ〜んと来る良い話でした。
また、ちょうど昨日ご紹介した、真島節朗先生の 『 「浪士」石油を掘る 』 で、幕末のいきいきした歴史を読んだ直後で、どうしてこんな小説が書けるのかと、驚嘆していたわけです。
そこに実にタイムリーに本書に当たりましたので、桜田門外ノ変、生麦事件 ほか、その時期の資料を、小説家がどのように、入手、分析し、自分の味付けでそれを料理し、ストーリーを作るかということがよく分かり、しばし興奮がおさまりませんでした。
司馬遼太郎氏が一冊本を書くのに、トラック一杯分の資料を読むと聞いたことがあります。仮に、誇張が入っているとしても、吉村氏も、司馬氏同様、少なくともそれに匹敵するくらいの、時間と情熱をかけなければ、満足のいく歴史小説は書けないということでしょうね。
資料によって、記述に矛盾が生じた時など、その溝を埋める作業は、作家の全想像力、集中力を注ぎ込むものなのだと良く分かりました。歴史作家の原稿に“締め切り”があるというのは酷だ、とすら感じます。
また、十分に調査をしたり、取材に走り回ったりすることができるだけの、生活や家庭がなければ、歴史作家というのは、とても選択できる職業ではありませんね。特に吉村氏は細部にこだわる作家だそうですから、よけいそうなのでしょう。
吉村昭氏、初体験、初心者の私が言うのもおこがましいのですが、歴史小説に興味のある方にはぜひお薦めしたい一冊です。本書に出会うことができましたのも、上に挙げましたような諸先達のおかげです。ありがとうございました。
私は“吉村昭中級者”めざして、地道にがんばります。
http://tokkun.net/jump.htm
『史実を歩く』 吉村昭
文藝春秋:214P:714円
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ふ〜。どうすりゃいいんでしょう。キムタツ先生に相談です(笑)。
1位にしていただきました。本当にありがとうございます。■■ gooブログ 【本を読もう!!VIVA読書!】の写しです ■■
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