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2006年12月11日

『吸血コウモリは恩を忘れない―動物の協力行動から人が学べること』リー・ドガトキン(著) 春日倫子(訳)

 

吸血コウモリは恩を忘れない 動物の協力行動から人が学べること.jpg



妙な書名ですが、本書は進化生物学や動物行動生態学の本です。専門的な研究書ではなく(著者は高名な専門家ですが)、さまざまな動物の協力行動などから、人間が学べるところはないだろうかという視点で書かれています。  

自分の子を持った時に、“ぞうさん” や “迷子の子猫ちゃん” の童謡の世界、また、“ぐりとぐら” や “バムとケロ” など絵本の世界に引き戻され、これでもかというくらい動物が出てくるのにあらためて驚きました。


また、いろいろなブログを拝見していると、犬や猫の写真がとても多く、ペットの存在感の大きさを感じます。(そういえば、つい最近も当塾で、“飼っている犬が死んでしまったので、今日は塾を休みます” という受験生までいました。)


本書に登場する動物たちの例は、書名にある、吸血コウモリの他に、チームで狩をする雌ライオン、女王ネズミをいただくハダカデバネズミ、集団でカラスに反撃するムクドリ、役割分担して獲物を追い立てるブリ、交互に身づくろいしあうインパラなどなどです。よく知られているアリやミツバチ、チンパンジーの社会も登場します。


筆者は動物の協力のパターンを

1・家族を助ける

2・貸し借りを忘れず清算する

3・ひとりでできないことはみんなで

4・仲間のためには危険をいとわず

の4つに分け、それぞれ豊富な実例で、なぜ協力をするのか説明を加えます。


動物の“環境”、“遺伝子”、“協力”、“裏切り”、“ズル”、“コストと利益” などが常にキーワードになってきます。なるほど人間社会が学べそうな知恵がたくさんあるなと感じました。私は特に動物好きというわけではありませんが、それでも本書は実に面白くよむことができました。 


実は大学入試の英語でも、動物の話題は頻出なんです。よく読解のテキストなどで、テーマを、環境や社会問題、歴史、教育などに分けていますが、なかなか“動物” というカテゴリーを設けているものはありません。 しかし、ニュートラルな話題を好む大学では本当によく出題されます。

環境や遺伝子に関心が高まってきているので、それとの関係で出されることも多いです。これまでも 『カラスはどれほど賢いか(唐沢孝一)』や『そんなバカな−遺伝子と神について(竹内久美子)』 を取り上げましたが、これらは国語の入試でも出されました。受験生も読んでおいて絶対に損は無いはずです。


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『吸血コウモリは恩を忘れない―動物の協力行動から人が学べること』リー・ドガトキン(著) 春日倫子(訳) 
草思社:205P:1680円

posted by VIVA at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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