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2006年12月20日

先生の読書3(田辺聖子 サリンジャー 一志治夫 速水敏彦 坂本多加雄 秦郁彦 チャルディーニ)

 


心に残る、忘れられない一冊” のシリーズも今回で最後です。本当なら一冊ずつ読んで記事にしたいようなものばかりです。


今日も気に入っていただけると良いのですが…。どうぞ。




【舞え舞え蝸牛】 田辺聖子 著 (文藝春秋 935円)


舞え舞c纓牛.jpg



思い出に残ると言うよりも、私の人生を変えた一冊とも言える本です。この本と出会わなければ、今、古文を教えてはいないでしょう。中学生の時、図書室で読み、古典の面白さを知りました。

内容はシンデレラと似ています。皆から落窪と馬鹿にされている美しい姫が、少将に見初められ、侍女の阿漕らの働きにより、幸せになる話です。残念ながら廃盤ですが、この小説の原作である「落窪物語」を新たに翻案したものに「おちくぼ姫」があります。多少内容は違いますが、この本も面白いので是非お読み下さい。



 


『影響力の武器』 ロバート・チャルディーニ 著 (誠信書房 3465円)


影響力の武器 チャルディーニ.jpg



“人は何によって動かされるのか” を徹底的に解き明かします。かなり昔に読みましたが、最近になって売れ始めたようで、じわじわと良さが広まっているのでしょう。高が知れた私の読書の中ですが、本書は同種の本の中で比較を絶してすばらしいと感じた一冊でした。


心理学者ですから、学問的な考察がなされているのですが、例証や実験が豊富で具体的。その上それを見事に体系立った形でわかりやすくまとめ上げています。こじつけの論理は一切見られず、その文章力によるものか、読めば必ず心理学(人間行動学)の基本が身に付くように書かれており、しかも実社会で活かせるような工夫が一杯です。


各章の終わりにまとめがほどこしてあるのも大助かりです。 高級品がはやったり、ラーメン屋さんに行列ができたり、川に飛び込む阪神ファンの心理までもよくわかります。




【兎の眼】 灰谷健次郎 著 (角川文庫 599円)


兎の眼 灰谷健次郎.jpg



海の物語』を読んだ後、灰谷健次郎の他の作品を無性に読みたくなり、代表作と言う触れ込みからこの本を手に取りました。非常に個性的な子供たちの中でともに成長していく教師の姿、子どもと大人が常に対等に書かれているなど、共通している部分が多く、一気に読みきってしまいました。

学校や生徒達の生活環境の設定や、生徒と教師の言動などは少々現実離れしているものの、良い邦画を観たあとのような澄んだ気持ちになれる作品です。(1979年に映画化もされました。)
 



【ライ麦畑でつかまえて】 J.D.サリンジャー 著 (白水社 550円)


ライ麦畑でつかまえて JDサリンジャー.jpg


学生時代に読んだこともありますが、最近になり読み直しました。青春時代に誰もが味合う孤独感がユーモアたっぷりに描かれています。落ち込んだり進路に迷った時、読んでほしい作品です。


  


【他人を見下す若者たち】 速水敏彦 著 (講談社現代新書 720円)
 


他人を見下す若メたち 速水敏彦.jpg



タイトルとこの本の帯に書いてあった「自分以外はバカの時代!」という強烈なキャッチコピーに惹かれ購入しました。今、いじめや自殺が社会問題となっていますが、そういったことが起きやすくなっている社会背景が描かれています。

「自分に甘く、他人に厳しい」「すぐにいらつき、キレる」「悪いと思っても謝らない」と本の帯に書かれていますが、この本の中には、かなり具体的に若者がこのようになった理由が書かれているので、今の時代が便利になっていても、決してよい方向には向かっていないような印象をもちました。

個人的には「嫌なことは吐き出す」という感情の方が最近は増えているように思えます。この本から、現在の日本人が失った何かを発見できると思います。


 


【昭和史の論点】 坂本多加雄秦郁彦半藤一利保坂正康 著 (文春新書725円)


昭和史の論点.jpg



満州事変2・26事件、太平洋戦争などを中心に昭和時代を討論・検証する一冊です。国際社会で暴走し、翻弄され、打ちのめされた日本。今からほんの半世紀ほど前のお話です。



【魂の森を行け】
 一志治夫 著 (新潮文庫 460円)


魂の森を行け 一志。夫.jpg


副題に3000万本の木を植えた男とあり、植物生態学者であるその人、宮脇昭氏の人生を綴ったものです。環境保護を早くから唱え、本物の自然とは鎮守の森であると現在も自然の再生に尽力し活躍されています。氏の生き様や信念、情熱には圧倒されます。



 


以上です。


 


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posted by VIVA at 13:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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