
環境問題に関しては、『リサイクル幻想(武田邦彦 著)』 が衝撃的で、周りの人にも薦めていましたが、本書もそれに劣らぬインパクトのある一冊です。映画にもなっています。
先日ラジオで偶然、本書の翻訳をされた枝廣氏のお話を聞き、関心があったのですぐに読んでみました。またつい先日は、ゴア氏本人がテレビで本書と同じ内容を解説していてびっくり。来日中だったのですね。
地球温暖化が初めて、公に話題になったのは1988年ですから、そろそろ20年になろうとしています。しかしながら、本書で明示されているように、地球の温暖化は改善されるどころか、どうやら悪化の一途です。
ご存知のように、ブッシュ米大統領との選挙にきわどく敗れたゴア氏ですが、環境問題にこれほど熱心に取り組んでいること、全く知りませんでした。本書には、ゴア氏の活動紹介とエッセーなども含まれていますが、温暖化に関して、ものすごい情報量があります。
世界に温暖化の深刻さを訴えるには、うってつけの一冊で、すばらしい本だと思いますが、ちょっと複雑な気分になるのは、温暖化の最大の原因は何といっても…、アメリカ。
ブッシュ政権になり、アメリカは京都議定書を批准しませんでしたが、その同じアメリカの超大物がこのような本を出すとは…。それがアメリカ的という気もしますが(笑)。
実は当教室でも、以下のような記事を2005年の夏にメルマガに載せていました。ぜひお読み下さい。
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“二酸化炭素”買います!
ロシアが批准したことで、今年から京都議定書が発行し、各国に温室効果ガスの削減が義務付けられました。新聞なんかは、“日本が世界をリードする!”なんて大はしゃぎしていますが、これ大丈夫でしょうか?
まずは、世界の二酸化炭素CO2排出量の割合を見てみましょう。(2000年)
第1位:【アメリカ:23.1%】
第2位:【EU:12.7%】
第3位:【中国:11.5%】
第4位:【ロシア:5.9%】
第5位:【日本:4.9%】
第6位:【インド:4.4%】
【アメリカ】 二酸化炭素排出の超大国アメリカは、京都議定書を批准していません。つまり知らん顔です。(あれ?)
【中国・インド】 先進国ではないということで削減義務はありません。(えっ?)
で、残された国に課せられる、1990年からどれだけCO2を減らすかというノルマですが、
EU:8% 日本:6% ロシア:0%
【EU】 確かにEUのノルマは厳しく、取り組みにも熱心なようですが、EUは旧東ドイツはじめ、古い設備を使っていた東欧諸国を合算できるため、省エネするどころか、新しい設備に建て変えるだけで削減したことにできるのです。
つまり数字のトリックで、実際はこれまで以上に燃料を消費しても、効率が良くなったということで、減ったことにカウントできるようです。(うそ?)
【ロシア】 ノルマが甘いだけでなく、91年のソビエト崩壊によって、一時は90年当時の半分しかエネルギーを使わないほど経済状況は最悪になりました。いまだに余裕しゃくしゃくで、それが批准を決断させた一因だとか。(うっ!)
【日本】 もうこれはいけません。2000年時点で、減るどころか90年より、7.6%も増加してしまっていて、ノルマを合わせると14%近くも減らさなければなりません。(ガーン!)
二度のオイルショックを経て、設備や車、電気製品はすでに世界最高の省エネ規格になっていますし、原子力発電も使っています。車やエアコン、がまんするしかないのか…、このままじゃ“京都”をもつ日本だけが…
で、どうするか?削減枠の余っているロシアなどから買わなければならないルールです。ある計算によると、少なくとも買う量は1.3億トン、1トン当たり1000円としても、1300億円という高額です。増税?(く〜っ!)
◎京都議定書に関しては、まだまだ細かいお話がたくさんあるのですが、スペースの都合でかなり簡略化した説明になっています。まだ自由研究のテーマが決まっていない生徒諸君、ぜひぜひ、環境問題を取り上げてみて下さい。
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ゴアさん、ブッシュをまず…、お願いします(笑)。
さて、「ゆでがえる現象」 というのをご存知でしょうか。
カエルを熱いお湯に入れますと、ビックリして飛び出しますが、水の状態からゆっくり、徐々に加熱していくと、カエルはその変化に気付けず、やがてゆで卵のように、ゆであがって死んでしまうという話です。
本当かどうか知りませんが、実にうまく、カエルではなく、人間の行動一般を表わしていると思いませんか。特に地球温暖化に関しては、ぴったりの比喩でしょう。
本書はものすごい量のデータと、また映画化されただけあって、写真なども数多く使われています。美しいと同時にショッキングなものばかりで、温暖化に関する限り、まるで百科事典のようです。
私は専門家ではありませんので、学術的に本書がどの程度の評価に値するかを判断できませんが、我々に何かをしようと決意させるには充分な重みがあるように感じます。特に今年は記録的な暖冬で、人々の関心も高いですし、日本ではタイムリーな時期に出されました。
ほんの少しでも、何かしてみませんか。
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