
今、話題の一冊です。昨年11月ごろから、連続して報道された、“いじめ” とそれによる痛ましい自殺。あれほど報道されたにもかかわらず、今でもいじめによる自殺がなくなりませんね。
昨日、やっと『ダメな教師の見分け方(戸田忠雄)』 の記事中で言及した、あの最悪の教師がやっと逮捕されたと報道されました。ずっと姿を隠していたとのこと、許せません。とにかくこういう教員をすぐ排除できるシステムに変えてもらいたいですね。
他に、このブログで紹介した本の中で、いじめに関連したものだけでも
『遺書』 『ナイフ(重松清)』 『信さん(辻内智貴)』
『オレ様化する子どもたち(諏訪哲二)』 『みんなのなやみ(重松清)』
などがありましたし、他の書籍紹介の記事やコラムなどでも触れました。ひとりでも多くの人に知ってもらえたら、ひとつのいじめでも無くなればと思いますから…。
すべての子どもがいじめや自殺の報道に関心を払っているわけではないでしょうが、少なくとも学校の先生方やご家庭では、かなり敏感になっていることと思いますが、それでも無くならない。
いじめは、それだけ “発見” すること自体が難しいのだとわかりますね。当然、自殺までには至らないケースがほとんどでしょうから、まだまだ発見されていないいじめがあると想像できます。
本書には、筆者が相談に乗った数多くのいじめの事例が出てきますが、なるほど発覚しない、発見できないことが良くわかりますし、この種のいじめを受けたら、自殺せずとも、その後の人生にずっと残ってしまうであろう心の傷を負うことも想像できます。
著者は、児童心理司で、過熱する報道に違和感を覚え本書を執筆したそうです。特に、“いじめられる方にも問題がある”といった意見は今のいじめ問題の本質を見落としているとして反論しています。
なぜ子どもが自殺するのかを論ずるのではなく、今のいじめは自殺したくなるほど、残酷、陰湿で悪質だということを理解して欲しいという意見です。
繰り返し強調しているのは、いじめを扇動しているリーダー格がいたとしても、構図は “クラス全体対一人” というようにに持っていき、追い詰める。ターゲットは基本的には誰でも構わず移っていく。いじめに加わらなければ、自分がターゲットになるのだということです。
とにかく本書全体を通し、筆者が専門家として、いじめがどんなものかを親たちに伝え、ひとつでも減らそうという気持ちをひしひしと感じ、非常に好感の持てる一冊です。
いじめが盛んに報道された時、私は息子に “学校でいじめがあるかい” と聞きましたが、もし息子がいじめていても、いじられていても絶対に言わない。良好な親子関係であったとしても。
親に心配をかけたくないというのがあるでしょうし、何よりも自分の親に言うこと、親が学校に来ることは、いじめっ子にとっては “チクリ” ですから、必ずいじめはエスカレートするというわけです。
従って、親はいじめを知ったとしても、子どもを無視して学校に連絡をするのは非常に危険だし、学校の責任追及をしようとすれば、さらに好ましくない事態に陥る可能性が高いことも指摘します。
ではどうすべきか、実例などもあげて説明します。また、発見しにくい理由はいじめる方だけでなく、いじめられている方も言わないからですが、見つけるためのチェックリストが付いています。
□最近、よくものをなくすようになった
□親の前で宿題をやろうとしない
□学校行事に来ないで欲しい
というようなものから…最後の
□自傷行為(リストカットなど)
まで、かなりの数の、きっと行き届いたチェックポイントだと思います。さすがに数多くのケースを扱い、いじめの実態を知り尽くした人ならではの役立つ知識ではないかと感じます。
時おり、塾講師である私のところにも、主に父母からいじめを受けているという相談が来たりします。中には、学校の先生にはっきり告げた方が良いと答えることもありますが、そう簡単に判断できないことも痛感しました。
実際に自分の子どもがいじめに関係ないとしても、子ども社会を知るのに良い一冊だと思いますし、すぐに読めますので、すべてのご家庭に置いておいても良いのではないかと感じます。必要がなくなれば、誰かに譲れば良いし…。
いじめ対策のマニュアルのような一冊です。
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『教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために』 山脇由紀子
ポプラ社:138P:924円



どんな事情があろうとも、いじめは絶対にしてはいけません。
私たち大人がいじめに対して絶対に屈してはならない問題と考えます。