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2007年02月10日

『コロケーション英単語ー単語と単語の結びつき』LSC研究会 金谷憲



コロケーション英単語 桐原.jpg




私は自分の授業では、生徒に覚える単語を指示し、暗記用の単語集プリントも渡しますし、その単語テストはレベル別に何種類も作っていますので、基本的にはこういった暗記用の単語集を使いません。

ですが、どうしても市販のもので、どれかを薦めて欲しいと言われたら本書かなという一冊です。ただし、あくまで 英語学習の補助が目的で、最高レベルではありませんし、CD付きでないのが残念ですが。

受験生の心理としてはどうしてもベストの一冊を望みます。“これさえやれば大丈夫!”という単語集が欲しいのですね。そうでしょ? 当然、出版する側もその意気込みで作っていますので、結果的に膨大な情報が詰め込まれますが、果たしてすべて完璧に覚えられる生徒はどのくらいいるでしょう。

学校や塾で強制的にやらされれば話は別ですが、一人で覚えきってしまう生徒は、かなり少ないでしょう。

どんなすばらしい単語集でも覚えきることができないのでは無意味ですね。これまでご紹介してきた単語集はどれも申し分のない受験英語の情報が詰まっていますし、内容も良く練られています。

多くの時間をかけて、すべてを覚えれば、単語力だけはいきなりトップレベルの受験生に仲間入りですが、果たして時間対効果はどうでしょう。


暗記スピードに自信のある人以外は、明らかに“やりすぎ”になっているはずです。

どういうことかといえば、社会人が英検やTOEICのために英語を勉強をするのであれば、時間をかければかけるだけ得点力UPにつながりますから、何の問題もないのですが、受験生の場合、英語に時間をかけるということは、すなわち他の科目の勉強時間を奪っていることにもなります。


ターゲット ” や “速読英単語 ”は覚えたけど、古文単語はダメ、とか歴史の勉強が遅れているとなってはいけないわけです。各科目ごとの攻略法だけでなく、受験勉強全体のスケジューリングを誤っている人が非常に多いですね。

なるべく能率良く単語を覚えるには、英文解釈や長文読解のテキスト、あるいは過去問で使われている単語を中心にすべきです。ただ、いわゆる難関大学を現役で合格したいという生徒にとっては、それだけでは単語の数が不足しかねませんので、単語集を使うのが良いでしょう。

その点で、本書は量が適切ですし、コロケーションという語のつながりを重視した編集になっていますので、非常に使いやすく、最後まで覚えられる確率が他書に比べて圧倒的に高いと思います。

トップレベルの生徒には情報が少ないのですが、上で述べたような意味での推薦ですから、その点は考慮に入れた上で検討して下さい。




本書で、一番上のレベルとして挙げられているコロケーションを10ほど紹介しておきますので、これがすでに半分くらい分かる人は、易し過ぎますから、もう少し難しいものの方が良いでしょう。




This fablic wears well.  launch a satelite into orbit


burst into flames     a reign of law


win by sheer luck    the privileged classes


an abrupt change    be reinforced by the evidence


groan in pain       scatter in all directions




いかがでしょうか。本当はそれぞれの単語帳に適した使いかたというのもあるのですが、使う人の学力などにもよりますのでここでは述べません。

一つ言えることは…


単語集に限らず、受験生はどうしても背伸びした、自分の学力より上のレベルの参考書を使いたがります。特に、“○○大学に受かった先輩” が薦める参考書は要注意です(笑)し、“ブランド品” を好むのは何もファッションに限りません。

本当は自分の力や、できれば性格まで知ってくれている、信頼できる先生に相談すべきです。難しいものにチャレンジする気持ち自体は大変良いことですが、能率が悪いと感じたら、ためらわずに他のものに代えて下さい。

この時ばかりは“もったいない”などとは考えず、学力UPしてから使えば良いのですから、しまっておいて下さいね。







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『コロケーション英単語ー単語と単語の結びつき』LSC研究会 金谷憲

桐原書店:317P:918円





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2007年02月10日

『難問題の系統とその解き方物理1・2 新課程』 服部嗣夫

難問題の系統とその解き方 物理.jpg




物理の定番です。紹介してくれるのは、Pochi 先生
です。元気に復帰しております。良かった良かった。



以下がPochi 先生の解説です。

■■■


■ごあいさつ■

Pochi でございます。昨年末に入院騒ぎを起こしてしまい、教室の生徒や仲間の先生たちに大変なご迷惑をかけただけでなく、VIVAさんのブログの読者の方々にもご心配いただいたそうで、本当にすみません。

こちらでお礼を申し上げようと思いつつ、タイミングの難しさと、受験の繁忙期でごぶさたしてしまいました。どうぞVIVAさんに免じて、無礼をお許し下さいませ。



■書評■



さて、本書ですが、“難系”と呼ばれ、難関大学の受験物理においては定番となっているのがこの参考書です。

物理を基礎からじっくり勉強したいという場合には向きませんが、応用力を伸ばしたいという受験生にはバッチリです。



難関大学に向けた参考書には微積などを使って解く事を売りにしている参考書もありますが、この“難系”では、理論の説明に微積が登場する場合はありますが、問題を解くのに裏技的なものは使わず、どこの大学の入試問題であっても通用するような一貫した方法・手順を使って解説していきます。



例題を全て制覇するだけで確実に実力はつきます。



しかし注意して欲しいのは“難系”は非常にボリュームがありますので、生半可な気合だけでは持っているだけになってしまう可能性があるということです。



苦手範囲だけと限って深く勉強するのに使うというのもありますが、受験直前に手を出すのはあまりお勧めできません。やはり受験勉強は出来る限り早くから始めないといけませんね。

■■■

ということです。

P.S.その折に、メッセージをいただいた、

 buckyさん
  ysbeeさん
  milestaさん
  灘高
キムタツ先生
  はじめ



  他にもご心配いただいた方々、あらためてお礼申し上げます。








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『難問題の系統とその解き方物理1・2 新課程』 服部嗣夫

ニュートンプレス:527P:1785円

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2007年02月09日

15の春も泣かせない! 【私立高校受験(東京・神奈川)】合格驀地


当塾
のある東京・神奈川の地域は、いよいよ明日2月10日から、11日・12日の三日間が私立高校の入試です。




中3生の諸君!大学受験のセンター試験、中学受験が終わって、いよいよ明日から君たちの出番。1月にあった公立の推薦は単に内申点の結果だから、ここからが、本当の実力勝負の高校入試。




単願の人はもちろん、併願推薦や滑り止めのつもりの人ならば、ただただ、ごく普通に模擬試験だと思って受けてくれば良い。くれぐれも



面接中に寝ちゃう! とか、



ウケようとして歌を歌っちゃう! とか、





そういうバカなまねだけはするなよ(笑)。普通にやって無事に帰ってくれば合格するんだから。大丈夫だって。高校入試は、大学や中学入試に比べて、番狂わせ、つまり意外な結果というのはほとんど出ない。安心して気軽にやっておいで。





一方、私立第一志望の人、この三日間は乾坤一擲の大勝負!ここは絶対に合格したい。普通ならリラックスして、緊張しないようにと言いたいところだけど…、今回は逆だ。スポーツの試合のように…




思い切り気合入れていこう!





高校入試はたいてい知っている人と一緒に受験するだろ?それにほとんどの人はもうすでに公立の推薦入試を経験しているはずだから、むしろ気持ちがだらっとしてしまうことの方がまずい。あっ緊張していると感じた時は、おしゃべりしてリラックスするのも良いけれど、集中力を切らさないように。自分は今までずっと頑張ってきたんだから、




 合格しないはずがない!





という自信を持って行こう。そして受験生のみんなに、合格へ



 



  驀地!





という言葉を贈ろう。




えっ読めないって、これは、 “まっしぐら” (または“ばくち”)。





あっ、もしこういう中学生には難しい問題が出たら、

漢字だろうが、英語、数学だろうが必ず捨ててくれよ。



試験の原則はいつも





  わかるものからやる!できないものは捨てる  


いいね。




さぁ、もう今から自分があこがれの高校の制服を着て、校門をくぐり、授業を受けて、部活をやっている姿を想像しよう。ちゃんと映像が頭に浮かぶまでね。イメージトレーニングというやつだ。効果大!



もし、それがうまく行きすぎて、“うぉ〜!” なんて興奮しちゃって(笑)、眠れなくなりそうな時は、暖めた牛乳や、ココアを飲むと良い。交感神経から副交感神経への切り替えが起きやすくなって、落ち着けるはず。落ち着かない人は時事問題でもチェックしてくれ。





 genio先生のブログ  → ■ 入試に出る時事ネタ日記
 ■






では、前回同様、何回も使っているけど、これまでのところ効果絶大!だから、縁起を担いで、今日もこれ。


はいお守り








湯島 お守り お札.JPG








ほい!ついでに入れるもん!



合格グッズ3 ハイレルモン.JPG








では、元気良く…、いってらっしゃ〜い!







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2007年02月08日

『教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために』 山脇由紀子


教コの悪魔.jpg



今、話題の一冊です。昨年11月ごろから、連続して報道された、“いじめ” とそれによる痛ましい自殺。あれほど報道されたにもかかわらず、今でもいじめによる自殺がなくなりませんね。

昨日、やっと『ダメな教師の見分け方(戸田忠雄)』 の記事中で言及した、あの最悪の教師がやっと逮捕されたと報道されました。ずっと姿を隠していたとのこと、許せません。とにかくこういう教員をすぐ排除できるシステムに変えてもらいたいですね。

他に、このブログで紹介した本の中で、いじめに関連したものだけでも

遺書』  『ナイフ(重松清)』  『信さん(辻内智貴)』 

『オレ様化する子どもたち(諏訪哲二)
』 『みんなのなやみ(重松清)』 

などがありましたし、他の書籍紹介の記事やコラムなどでも触れました。ひとりでも多くの人に知ってもらえたら、ひとつのいじめでも無くなればと思いますから…。

すべての子どもがいじめや自殺の報道に関心を払っているわけではないでしょうが、少なくとも学校の先生方やご家庭では、かなり敏感になっていることと思いますが、それでも無くならない。

いじめは、それだけ “発見” すること自体が難しいのだとわかりますね。当然、自殺までには至らないケースがほとんどでしょうから、まだまだ発見されていないいじめがあると想像できます。

本書には、筆者が相談に乗った数多くのいじめの事例が出てきますが、なるほど発覚しない、発見できないことが良くわかりますし、この種のいじめを受けたら、自殺せずとも、その後の人生にずっと残ってしまうであろう心の傷を負うことも想像できます。

著者は、児童心理司で、過熱する報道に違和感を覚え本書を執筆したそうです。特に、“いじめられる方にも問題がある”といった意見は今のいじめ問題の本質を見落としているとして反論しています。

なぜ子どもが自殺するのかを論ずるのではなく、今のいじめは自殺したくなるほど、残酷、陰湿で悪質だということを理解して欲しいという意見です。

繰り返し強調しているのは、いじめを扇動しているリーダー格がいたとしても、構図は “クラス全体対一人” というようにに持っていき、追い詰める。ターゲットは基本的には誰でも構わず移っていく。いじめに加わらなければ、自分がターゲットになるのだということです。

とにかく本書全体を通し、筆者が専門家として、いじめがどんなものかを親たちに伝え、ひとつでも減らそうという気持ちをひしひしと感じ、非常に好感の持てる一冊です。


いじめが盛んに報道された時、私は息子に “学校でいじめがあるかい” と聞きましたが、もし息子がいじめていても、いじられていても絶対に言わない。良好な親子関係であったとしても。

親に心配をかけたくないというのがあるでしょうし、何よりも自分の親に言うこと、親が学校に来ることは、いじめっ子にとっては “チクリ” ですから、必ずいじめはエスカレートするというわけです。

従って、親はいじめを知ったとしても、子どもを無視して学校に連絡をするのは非常に危険だし、学校の責任追及をしようとすれば、さらに好ましくない事態に陥る可能性が高いことも指摘します。

ではどうすべきか、実例などもあげて説明します。また、発見しにくい理由はいじめる方だけでなく、いじめられている方も言わないからですが、見つけるためのチェックリストが付いています。

□最近、よくものをなくすようになった 

□親の前で宿題をやろうとしない

□学校行事に来ないで欲しい

 というようなものから…最後の

□自傷行為(リストカットなど)

まで、かなりの数の、きっと行き届いたチェックポイントだと思います。さすがに数多くのケースを扱い、いじめの実態を知り尽くした人ならではの役立つ知識ではないかと感じます。

時おり、塾講師である私のところにも、主に父母からいじめを受けているという相談が来たりします。中には、学校の先生にはっきり告げた方が良いと答えることもありますが、そう簡単に判断できないことも痛感しました。


実際に自分の子どもがいじめに関係ないとしても、子ども社会を知るのに良い一冊だと思いますし、すぐに読めますので、すべてのご家庭に置いておいても良いのではないかと感じます。必要がなくなれば、誰かに譲れば良いし…。

いじめ対策のマニュアルのような一冊です。


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『教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために』 山脇由紀子
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2007年02月08日

『Duo 3.0』鈴木陽一

 


Duo 3.0.jpg




今年のセンター試験の平均点が発表されましたね。→ 『センター試験平均点一覧

予想どおり、文系・理系とも全体的には下がりましたが、英語の平均点は筆記が131.08 リスニングが32.47の合計163.55です。昨年がそれぞれ、127.52と36.25で合計163.77ですから、全く同じようなものでした。

大学受験生諸君、もうひと頑張りです!


さて、今一番売れている単語集はこれではないでしょうか。『DUO3.0』ですね。受験生だけでなく、社会人でも多くの方が使っているようです。学校などで指定されているところも多いですね。

人気を誇るだけあって、なかなか工夫された作りにはなっていますが、どうでしょうか。

本書の解説は、『音読英単語Stage2』 でも登場願った、Jonny先生です。Jonny先生、知らないうちに会話が英語になってます(笑)。



以下がJonny先生の解説です。



■■■

DUOがなぜ売れていると言われているのかは、はっきりとはわかりませんが、受験生や単語を基本から勉強したい人にとっては、いきなり始めるレベルではないことは開いてみると分かります。

レベル別に分かれている従来の単語帳と違って、日常会話らしいような一文、仕事場で言うかもしれないし言わないかもしれない一文、その単語の意味からなんとか説明的ながらも作り上げた一文が例文として載っています。

難易度やストーリー性など関係なく、合計560文ランダムに列挙されてあり、その中から取り上げられた単語・熟語が2500以上詰まっているという感じの一冊です。


さらに各単語には類義語、派生語、対義語、よく使うようなフレーズが細かく載っているので全体の情報量はほんとうに莫大です。

この単語帳の表紙の裏には「本書の達成可能レベル」が「英検準1級」ということで、まあ納得しますし、これを全部覚えたらすごくレベルアップできることは確かだと思います。

これだけの膨大な量をひとりでどこまで続けられるかは本人の意思次第ですが、例文の英語も日本語訳も「現代英語」とうたっているだけあって、他の単語帳にありがちな、まじめな英文に直訳っぽくて硬い日本語訳が付いているものとは違って読みやすいです。

いろいろな単語帳を見てきましたが、やはり例文はあるほうが嬉しいですし、その例文が日常的な方が頭の中に入りやすいと思います。

やはり最後にどうしても気になるのが、これだけの量とレベルが詰まった単語帳をいつ読破できるかは、我慢強いほうとは言えない私にとっては多少きついかと。


■■■



そうなんですね。小さな字で書いてあって、しかも500ページを超えるボリュームとなると、相当うまく計画を立てないと挫折しかねません。その点がまず気にかかります。

何度も受験できるTOEICや英検対策としてなら良いでしょうが、“入試までに” という時間が限られた受験生はよく考えて使う必要があります。


また、レベル別になっていませんから 『英単語ターゲット1900』 をご紹介した記事のコメント欄で、灘高キムタツ先生が “最初の超基礎部分800語が使える” と教えてくださいましたが、そういう目的を絞り込んで、部分的に利用するという方法も、DUOでは難しいですね。


ただ、別売りなのが残念ではありますが、↓のCDに付いている小冊子が便利です。これには感動しました(笑)。通勤や通学中に確認できるようにとポケットに入るサイズのものが付いています。

リスニングが苦手な人なら基礎編でも良いでしょうが、一般的には復習用のナチュラルスピードの方が良いと思います。


 Duo3.0 基礎用CD.jpg Duo3.0 復習用CD.jpg


『CD Duo3.0基礎用』鈴木陽一 2940円


『CD Duo3.0復習用』鈴木陽一 1260円


いずれにせよ、上で挙げたような内容、特徴を持っていますので、大学受験というよりは、英検やTOEICなどの資格試験に向いている教材だと思います。


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『Duo 3.0』鈴木陽一
アイシーピー:559P:1260円

  

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2007年02月07日

『戦後政治家暴言録』 保阪正康

 


言録.jpg




柳沢伯夫厚生労働大臣の “女は子どもを産む機械” という発言が大騒ぎになって、国会を止めてしまいました。いくらなんでも “機械” はないだろうという気がします。当教室の女子生徒もかなり怒っていましたねぇ。


本書は、戦後の “バカヤロー解散” から、小泉首相までの政治家の暴言、失言をいくつかの種類に分析。どこがどう問題で、なぜそうした発言が出てくるのかを見てみようという興味深い一冊でした。

ところで、まず今回の “子どもを産む機械” と発言したという報道は、生徒たちにも分かりやすい形で、それこそ、言葉や社会を考える絶好の “機会” を与えてくれたと思います。

失言や暴言にはいろいろな種類があって、常に一部だけが抜き出されますが、その脈絡を見ることが必要ですね。今回の場合、発言の前後はこうだったそうです。



なかなか今の女性は、一生の間にたくさん子どもを産んでくれない。人口統計学では、女性は15才から50才が出産する年齢で、その数を勘定すると大体分かる。他からは産まれようがない。産む機械と言ってはなんだが、装置の数が決まったとなると、機械と言っては申し訳ないが、機械と言ってごめんなさいね、後は産む役目の人が1人頭でがんばってもらうしかない。(女性)1人当たりどのぐらい産んでくれるかという合計特殊出生率が今、日本では1.26。2055年まで推計したら、くしくも同じ1.26だった。それを上げなければいけない。

こ〜んなに謝るのなら機械なんて言わなきゃいいとも思いますが(笑)、ただ、これが国会の大切な予算審議をすべて拒否、世界中に女性蔑視と報道される価値がありますかね。

彼や自民党をかばうつもりはまったくありませんが、誇張した報道とこれを利用した野党の反応にはちょっとうんざり。まぁ少なくとも報道ではかなり短く、“女性は産む機械” のところだけを取り出していたことは分かります。


この発言が大きな問題となるもう一つの原因は、柳沢氏の立場。厚生労働大臣で、まさに少子化対策に関わるわけですが、女性を統計上の数字としてしか見ていないのではないか。

機械ということは、子どもを産まない女性は不良品だといわれたようだと誰かが言っていましたが、もっともな感想で、そんな人が責任者であるのは許せないという理屈です。


今度は本書にも登場する小泉首相。かつて 「人生いろいろ」 と発言して問題になりました。でも、人生っていろいろですよね(笑)。柳沢発言と逆で、このケースでは、この部分だけを切り取ってみても、暴言にも何にもなりません。

しかし、筆者はこれを戦後最悪の暴言ではないかと指摘します。どうしてでしょう。日本国総理大臣としての立場、品格の問題、さらにはその発言の前後関係を見なければわかりませんから、それを紹介し筆者の意見が述べられます。

次に、故渡辺美智雄氏。彼はいくつもやっていますが…、例えば 

「日本人だと破産は重大に考えるが、クレジットカードが盛んな向こう(米国)の連中は、黒人だとかいっぱいいて、『家はもう破産だ。明日から何も払わなくてもいい』。それだけなんだ。ケロケロケロ、アッケラカーのカーだよ」

これはひどい。政治家であろうとなかろうと、明らかな差別発言ですね。でもこういう人を日本人は政治家、しかも与党の大物議員の一人に選んできたということは知っておいた方がよいですね。

与党、野党で言えば、かつての日本社会党は、村山総理が誕生する前は、非武装中立でしたが総理大臣になるやいなや、安保肯定、自衛隊は憲法違反ではない、とまるっきりこれまでと逆のことを言い出して、その後の選挙では大敗北します。これまでの支持者にとっては許せない暴言だったわけです。

野党ならしても良い発言が、総理大臣としてはできない発言があることを端的に表しています。つまりウラでは正論だったものが、オモテでは暴言となるということですし、その逆もあります。

その人の立場が変わると、発言の表と裏を変えなければいけないとも言えそうです。

上の区分けは私が勝手にやったものですが、本書では6種類に分けて分析しています。 目次を紹介しておきましょう。


■■■

第1章 戦後日本のオモテの言論、ウラの言論

第2章 戦前の官僚体質の残る暴言(吉田茂―バカヤロー発言の内と外;池田勇人―中小企業の倒産などやむを得ない;清瀬一郎―男女共学は廃止すべきだ;岸信介―野球場や映画館は満員だよ;佐藤栄作―私はテレビと話す。新聞記者諸君は帰ってください)

第3章 田中角栄以後、森喜朗以前(田中角栄―隣りで毎日毎日、ガンガンと製カン工事をやるよ;中曽根康弘―日本列島を不沈空母にする;藤尾正行―日韓併合は韓国にも責任がある;渡辺美智雄―日本人は破産というと重大に考えるが米国の連中は黒人だとかいっぱいいて、ケロケロケロ、アッケラカンだよ;森喜朗―日本は天皇を中心とする神の国)

第4章 小泉政権下の暴言・失言の怖さ


■■■


暴言・失言の類は、発言する人の立場、状況、聞く人の立場によって入れ替わるということがわかります。つまり個人によって大きく異なるということです。

正直、私も本書を読んで、筆者の主張すべてに共感するわけではありませんが、こうして暴言、または、そう呼ばれたものを分析し、そこから社会や時代を見てみるという試みは大変おもしろいし、有益だと思います。




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2007年02月06日

『子どもたちが地球を救う50の方法』アース・ワークスグループ編


子どもたちが地球を救う50の方法.jpg




今日の東京の気温も予想では16度!確かに暖かかった。2月ですよ、まだ。寒くなくていいなぁ〜と喜ぶ以上に、やっぱり地球の温暖化だろうと不安になりますね。

ただ、そうは言いながら、私も恥ずかしながら、使っていない部屋の電気を消したり、ゴミの分別に気を遣ったりはしますが、生活の利便性を犠牲にしてまで環境に配慮しているとは言えません。


昨日、ご紹介したゴア氏の本『不都合な真実にも、最後に我々ができる温暖化防止策がいくつかまとめられています。それらは何も目新しい指摘ではなく、やはり簡単に言えば、個人の節電や節水などの行動が中心です。


つまり、大人も子どもも、専門知識はなくとも、ある程度は知っている内容で、あとは実際に行動に移すかどうかということがポイントになっているわけです。



そこで本書です。こちらは子ども用に書かれた一冊で、さまざまな環境問題をわかりやすい例をいくつも挙げて解説するだけでなく、環境を守る行動を起こすように強くうながします。

子どもたちが、利便性を犠牲にせずとも、あるいは少しのがまんでできることがこんなにあるのかということに感銘を受けました。

環境問題や生活のムダをまず、“知っているかな” という形で問いかけ、“きみにできること” さらに “たしかめよう” と導いてくれます。


例えばトイレの水を一回流すと20リットルから27リットルの水が流れるそうです。ご存知でした? 確かにトイレを清潔に保ちたいので、ふんだんに水を流したいのですが、それでも20リットルというのは多すぎるように思います。

そこでトイレのタンクの中にビンを沈めておくと、一回あたり、少なくとも4・5リットルは節約できる…。一日に何回トイレに行き、家族が何人で…、というふうに計算するとすぐにお風呂一杯分くらい節約できそうです。なるほど…、すぐにできます。


最後には環境実験もいくつか付いていて、再生紙の作り方などを教えてくれます。小学生以上全員に配ってもらいたいような一冊でした。


ただ、私はおそらく一昨年に読んだと思うのですが、今検索してみますと、ネットではこの黄色の本は入手しにくく、続編でしょうか、下の赤と青が出ています。それぞれ書名の頭に “日本の” “21世紀の” と付いています。


 


21世紀 赤.jpg        21世紀 青.jpg       




私は未読ですが、ご参考までに…。





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P.S.今日は柳澤伯夫大臣の、発言問題を取り上げようと思っておりましたが、相互リンクの ysbee さんの環境問題に対する熱意に打たれ、予定変更。


ゴア氏に関するすばらしい記事です。どうぞご覧下さい。


   特集「地球温暖化とアル・ゴア」 (英語も勉強できますよ!)


 公式サイトでは映画の模様なども紹介されています。

  ⇒ 『不都合な真実







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『子どもたちが地球を救う50の方法』アース・ワークスグループ編
ブロンズ新社:164P:1223円



 


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2007年02月05日

『不都合な真実〜切迫する地球温暖化、そして私たちにできること〜』アル・ゴア(著) 枝廣順子(訳)



アルゴア 不都合な真タ.jpg




環境問題に関しては、『リサイクル幻想(武田邦彦 著)』 が衝撃的で、周りの人にも薦めていましたが、本書もそれに劣らぬインパクトのある一冊です。映画にもなっています。

先日ラジオで偶然、本書の翻訳をされた枝廣氏のお話を聞き、関心があったのですぐに読んでみました。またつい先日は、ゴア氏本人がテレビで本書と同じ内容を解説していてびっくり。来日中だったのですね。


地球温暖化が初めて、公に話題になったのは1988年ですから、そろそろ20年になろうとしています。しかしながら、本書で明示されているように、地球の温暖化は改善されるどころか、どうやら悪化の一途です。

ご存知のように、ブッシュ米大統領との選挙にきわどく敗れたゴア氏ですが、環境問題にこれほど熱心に取り組んでいること、全く知りませんでした。本書には、ゴア氏の活動紹介とエッセーなども含まれていますが、温暖化に関して、ものすごい情報量があります。

世界に温暖化の深刻さを訴えるには、うってつけの一冊で、すばらしい本だと思いますが、ちょっと複雑な気分になるのは、温暖化の最大の原因は何といっても…、アメリカ。

ブッシュ政権になり、アメリカは京都議定書を批准しませんでしたが、その同じアメリカの超大物がこのような本を出すとは…。それがアメリカ的という気もしますが(笑)。

実は当教室でも、以下のような記事を2005年の夏にメルマガに載せていました。ぜひお読み下さい。

■■■

 
    “二酸化炭素”買います!

ロシアが批准したことで、今年から京都議定書が発行し、各国に温室効果ガスの削減が義務付けられました。新聞なんかは、“日本が世界をリードする!”なんて大はしゃぎしていますが、これ大丈夫でしょうか?

まずは、世界の二酸化炭素CO2排出量の割合を見てみましょう。(2000年)


第1位:【アメリカ:23.1%】

第2位:【EU:12.7%】

第3位:【中国:11.5%】

第4位:【ロシア:5.9%】

第5位:【日本:4.9%】

第6位:【インド:4.4%】


【アメリカ】 二酸化炭素排出の超大国アメリカは、京都議定書を批准していません。つまり知らん顔です。(あれ?)

【中国・インド】 先進国ではないということで削減義務はありません。(えっ?)

で、残された国に課せられる、1990年からどれだけCO2を減らすかというノルマですが、  
        EU:8%  日本:6%  ロシア:0%

【EU】 確かにEUのノルマは厳しく、取り組みにも熱心なようですが、EUは旧東ドイツはじめ、古い設備を使っていた東欧諸国を合算できるため、省エネするどころか、新しい設備に建て変えるだけで削減したことにできるのです。

つまり数字のトリックで、実際はこれまで以上に燃料を消費しても、効率が良くなったということで、減ったことにカウントできるようです。(うそ?)


【ロシア】 ノルマが甘いだけでなく、91年のソビエト崩壊によって、一時は90年当時の半分しかエネルギーを使わないほど経済状況は最悪になりました。いまだに余裕しゃくしゃくで、それが批准を決断させた一因だとか。(うっ!)


【日本】 もうこれはいけません。2000年時点で、減るどころか90年より、7.6%も増加してしまっていて、ノルマを合わせると14%近くも減らさなければなりません。(ガーン!)

二度のオイルショックを経て、設備や車、電気製品はすでに世界最高の省エネ規格になっていますし、原子力発電も使っています。車やエアコン、がまんするしかないのか…、このままじゃ“京都”をもつ日本だけが…

で、どうするか?削減枠の余っているロシアなどから買わなければならないルールです。ある計算によると、少なくとも買う量は1.3億トン、1トン当たり1000円としても、1300億円という高額です。増税?(く〜っ!)


◎京都議定書に関しては、まだまだ細かいお話がたくさんあるのですが、スペースの都合でかなり簡略化した説明になっています。まだ自由研究のテーマが決まっていない生徒諸君、ぜひぜひ、環境問題を取り上げてみて下さい。


■■■


ゴアさん、ブッシュをまず…、お願いします(笑)。

さて、「ゆでがえる現象」 というのをご存知でしょうか。

カエルを熱いお湯に入れますと、ビックリして飛び出しますが、水の状態からゆっくり、徐々に加熱していくと、カエルはその変化に気付けず、やがてゆで卵のように、ゆであがって死んでしまうという話です。

本当かどうか知りませんが、実にうまく、カエルではなく、人間の行動一般を表わしていると思いませんか。特に地球温暖化に関しては、ぴったりの比喩でしょう。

本書はものすごい量のデータと、また映画化されただけあって、写真なども数多く使われています。美しいと同時にショッキングなものばかりで、温暖化に関する限り、まるで百科事典のようです。

私は専門家ではありませんので、学術的に本書がどの程度の評価に値するかを判断できませんが、我々に何かをしようと決意させるには充分な重みがあるように感じます。特に今年は記録的な暖冬で、人々の関心も高いですし、日本ではタイムリーな時期に出されました。

ほんの少しでも、何かしてみませんか。



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『不都合な真実〜切迫する地球温暖化、そして私たちにできること〜』アル・ゴア(著) 枝廣順子(訳)
ランダムハウス講談社:325P:2940円


 



 

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2007年02月05日

『中学入試出る順漢字3500』


中学入試出る順漢字3500.jpg


 

さぁ、東京、神奈川の中学受験は今日でほとんど終わりですね。本当に最後の最後になりましたから、疲労もストレスもピークでしょうが、スポーツと一緒で、自分が疲れている時は相手も疲れている。

精神力が試されていると思って、どうか頑張りぬいてもらいたい!


さて、本書も中学入試でる順のシリーズですが、このシリーズはどれも評判が良いようですね。以前、伊藤先生に 『中学入試でる順算数計算900』 を解説してもらいました。

今回は代々木校のaya先生にお願いしました。


以下がaya先生の解説です。


■■■

漢字が得意だという小学生はあまりいないと思います。大人でも少ないですが。

漢字を覚えるには毎日、コツコツ練習するしかないのですが、問題量が多い場合や難しすぎると最後までやらずに途中で投げてしまいます。 効率よく、飽きずに勉強できる問題集を探してみました。

出る順漢字は書き取り、読み、共に見開きで50問です。このぐらいでしたら毎日無理なく解けると思います。

それすらも面倒という場合は、「入試問題でチェック」を解いて下さい。出題された有名中学の名前も載っていますので、入試問題にチャレンジする気持ちで問題が解けると思います。

目次に学習予定日と実際に挑戦した日を書く欄がありますので、それを活用して下さい。くれぐれも計画倒れにならないように、余裕を持って計画を立てるようにして下さい。

漢字の読み書きだけではなく、部首、四字熟語、同音・同訓異義語、送りがな、画数などの問題もありますので、これを一冊解き終えたら入試対策は万全といえるでしょう。

入試直前になったら、直前チェックでわからない漢字を確認してみて下さい。 漢字は一問の配点が少ないです。しかし、一点が合否を分ける可能性もあります。入試だけではなく日常生活でも漢字は使いますので、しっかりと練習して下さい。


■■■ 



塾用教材と違って、一般書籍の家庭学習用の算数計算問題集は、計算を書くスペースが少ないことが難点の一つだと指摘しました。漢字に関しては自分なりにいくらでも工夫ができますので、そういう心配はほとんどありませんし、実際に本書も使いやすそうです。


ただ、私が受験生に注意しているのは、


誰にでも合う参考書というのは、逆に言えば誰にとってもベストではない!


という点です。aya先生の指摘どおり、1点が合否を分ける入試では、受験勉強の効率は極めて重要です。すべてのポイントだと言っても良いくらいです。

低学年のうちや、すべての基礎となるものの勉強であれば、共通のテキストで良いのですが、受験が近付くに連れて、志望校の出題傾向に合ったようなものに代えなければなりません。

中学受験では特に、過去問が重要です。専門家のいる塾に通っている場合は大丈夫でしょうが、そうでない場合はそのことをはっきり認識して選んで下さい。また、できるだけ早い時期に、一度過去問を確認しておくことは絶対に必要です。



 


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2007年02月04日

『国語ベストチェック-中学受験用』日能研教務部編


国語ベストチェック 中学受験用.jpg



中学受験生の皆さん、ひと段落ですか。それとも、まだ少し続きますか。最後の最後です。頑張っていきましょう!


さて、以前、伊藤先生に、『算数ベストチェック』 を解説してもらいました。こちらもなかなか評判の良いテキストのようです。


今回はK先生に解説をお願いしました。


以下がK先生の解説です。


■■■


代々木教室で国語と社会を教えておりますKです。

今回は中学受験を念頭においた独習用の参考書を紹介しようと思い、あらためて生徒の皆さんが一人でそれを手に取った場面を想像してみました。

「解答が一つに定まらないものだから苦手」、「どうして間違えてしまったかよく分からない」といったことは、国語の問題についてしばしば言われるところです。

しかしながら、評論なり小説なりに対し、何かしら独自の見解を示さなくてはならないというのであれば、多様な思考の可能性、それを言語化するための様々な方法など、悩みは尽きないかもしれませんが、入学試験をはじめとして、問題として与えられる「国語」は、解答の正否を定めるための明確な判断基準が定められることを前提に設問が作られているはずです。


出題者の誘導が見え隠れする選択問題、空所補充問題はその最たる例だといえるでしょう。 したがって独習用の参考書に望むべくは、設問に何らかの解答を与えるだけでなく、その前提となった判断の基準を示すことではないでしょうか。


なぜそのように考えるのかがきちんと示されていなければ、たまたま答えが出せたとしても、その先に控える試験に対応するための学力の向上という点では意味がありません。


塾教員の存在意義とは、まさしく一緒にテキストを読み、解答にいたる道筋を生徒のみなさんと徹底的に議論できるという点にある訳ですが、独習用参考書を用いて一人で勉強するとなると、まず解説がどこまできちんと論拠を示せているか、そして生徒の皆さんがそれを理解できるかが重要になってきます。


突然大人のものの考え方で正解を出されても、戸惑うばかりで得るところは少ないでしょう。 こうしたことを考慮した上でここで紹介した参考書は、設問の形式で必要とされている考え方を追うこと、解答の正否だけでなく、解答する上で判断の規準となる文章の構造や論理展開に目を向けるようにしてくれることが期待できます。


テキスト前半が漢字や慣用句といった知識事項の学習に費やされているため、問題数が少ないのが玉にきずですが、章の始めにある導入ページはそこで学ぶべき事項が良く整理されており、学習に向かう前の心づもりを得られるのではないかと思います。


■■■


K先生のテキスト解説、授業は実に厳格かつ的を射ています。

受験生諸君、参考にして下さいね!




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2007年02月03日

【中学受験】 いよいよ国立中学・都立・区立中高一貫校




いよいよ中学受験も大詰め。高校や大学受験と違って、すぐに結果が出ますので、ここ数日、我々、塾講師にとっては、“超”緊張の連続です。さいわいこれまでのところ、続々吉報が届けられ、互いの努力が報われたと感じています。



連絡を待っている間、なかなか電話がないと、今度は、“超”心配でいてもたってもいられません。まぁ当然か。


もちろん、ま〜だまだ終わりではありません。今日は早稲田、慶応中等部らの付属校や海城、浅野、豊島岡女子、横浜共立などの私立人気校だけでなく、筑波大駒場、学芸大付属や、お茶の水などの国立中学の試験がスタートします。


それに加えて、個人的に注目しているのが、都立や区立の中高一貫校なんです。まだ進学実績が出ていないのですが、非常に人気は高いですね。


 →【中高一貫の倍率】 (伊藤先生のブログ)



公立らしく “適性検査” という変な名前(笑)が付いていますが、要するに入試。今までブログで、教員や公教育の問題を書いてきましたが、すでに変わろうと必死の努力を積み重ねている公教育関係者も多いんです。


その中でも、2003年末、当教室のメルマガ で注目校として取り上げた、両国高校にはエールを送りたいんです。今年の倍率は10倍くらい。もちろん普段は試験を課す学校ではなく、それに挑む生徒を応援するんですが(笑)、その折の教頭先生に対するインタビューを読んで、“がんばれ両国”と感じたわけです。


私も自分の家が近くにあれば、息子にも受験をさせたかも知れません。今日はまずその当時の記事をご紹介しますので、ぜひお読み下さい。伊藤先生が取材したものです。



■■■

  【都立両国高校:伝統校の更なる飛躍】(竹内教頭先生インタビュー) 

◎今月の注目校は100年の歴史を誇る下町の進学校『都立両国高校』です。都内どころか全国から、『公立の中高一貫校』の成否に注目が集まっています。重責を担う竹内教頭先生に、当教室の伊藤先生が直接お話をうかがいました。


●中高一貫校への移行に伴い

6年という期間の中で、全人教育を目指し、大学卒業後、社会に出ても活躍できる人材の育成に努めます。単に学力をつけるだけの教育に留まらず、部活動、学校行事にも力を入れますし、総合的学習の時間でもプレゼンテーションを中心に組み込んでいきたいと思っています。

進学重点校よりも、中高一貫校の方がより計画的な教育が可能と思いますし、一貫校になっても、高校からは募集を行ないます。内部進学者と高校からの入学者の進度差は、1年間で追いつけるようにします。また、来年度入試から、一般受験では内申点を見ずに、当日の学力試験の点数だけで合否を決める枠も用意します。


●教員の配置

中学、高校と完全に分離してしまっては意味がありませんので、中学、高校と繰り上がり指導できる教員の配置を考えています。今いる教員たちはみんな一つの目標に向かって真面目に努力していて、このことは自信を持って申し上げることができます。


●目標

大学現役合格率の向上、国立大学現浪合わせ、100名以上の合格者を安定して出すことを目標とします。全都立高校の中で、国公立大学の現役合格率は4位以内を維持します。

そのために、3年生には志望校別の個別授業を行なっていますし、成績中位、下位者に対して月曜日から金曜日まで補習を行なっています。来年度からは、高校2年生の数学の授業では習熟度別授業も行ないます。また土曜日にも隔週で1年生と3年生を対象に補習を行なっています。


●カリキュラム

教育課程の見直しを検討委員会で進め、来年6月に発表します。大学入試問題に対応できるようにするために、新学習指導要領を超える内容も指導していくことになります。


●教育論

教育は情熱と情熱のぶつかり合いです。子供たちには、勉強にしろ、運動にしろ、極端に言えば命にかかわるほどの体験をして欲しい。そこからかけがえのないものが生まれるはずです。子供には『一生懸命になれ、真摯になれ』と教えたいと思います。

ただし、教育改革には親の協力が不可欠です。学校に丸投げするのではなく、しつけ、生活、学力等、目を行き届かせ、参加していただきたい。そのために学校を開放することが大切だと思っています。


■感想■ 伊藤先生

現在、すでに都内有数の進学校としての地位を確立しているにも関わらず、理想の教育を求めて、あえて中高一貫校へ移行されることに、両国高校の並々ならぬ熱意を感じました。

学校の教育活動を知ってもらうために教員らが、中学、塾に対してPR活動を行う姿勢や、開始のチャイムと同時に授業を行なうというごく当たり前のことを目標として実践している姿は非常に特徴的です。

補習なども利用し学校でもしっかり勉強させることから “両国” でなく “牢獄高校” だと冗談をいう生徒もいるそうですが、都立初の中高一貫校(来年度からは白鴎)を何とか成功させようと、先生方が一丸となって、前を向いている印象を受けました。

竹内先生の教育観は、ここではご紹介し切れませんが、生徒だけでなく、身内の教員にも厳しく、父母にも明確に協力を求めるなど、実に堂々たるもので、素直に感動しました。

校訓である『自律自修』の精神を失わず、時代の変化に応じ、学校を運営する姿に期待したいと思います。中高一貫校に移行し、どのような実績を残すのか、結果が出るのは随分先の話になりますが、楽しみにしています。

◎竹内先生わざわざ貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました。

■■■


いかがでしょう。百マス計算の陰山英男先生 のように、マスコミに登場したり、本を書かなくとも、従ってなかなか我々の目に止まらないのですが、問題意識の高い、良識を持った先生は応援したいですね。きっと他にもたくさんおられます。


まぁ、“教員”がニュースになるのは何か問題を起こした時だけですからね。どうしても“教員(公務員)=悪” という図式に取りがちです。内心忸怩たる思いをされているのではないかと拝察いたします。


立場上はっきりとはおっしゃらないでしょうが、この当時2003年には、すでにゆとり教育とは思えないような教育観で、公教育を改革しようと必死に取り組んでいらしゃる姿勢に感銘を受けました。


とにかく、ここ数年ゆとり教育に振り回されてきた日本の教育界。生徒やご父母はもちろんですが、何とかしたいと思ってその職責を果たそうと行動されている先生方にもエールを送りたいと思います。



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2007年02月02日

神奈川県立・東京都立高校 前期選抜/推薦入試合格発表  



神奈川県立高校と東京都立高校の一次選考、および推薦の合格発表が続いています。試験前日にも書きましたが、相変わらず、実に予想が難しい入試でした。


その原因は何といっても、“絶対評価” の通知表(内申書)ですね。

“学力試験を課さない人物本位の入試” と言っても、こちらで合否結果を追っている限り、やはり内申書の “数字” が大きく物をいう入試です。つまり内申書の点数で下の子が合格して、上の子が落ちるということはめったにありません。

従って、こちらの模試で同じ学力の生徒でも、比較的評価の甘い中学出身の受験生はみな推薦に有利で、相対的に厳しい評価の中学は不利になります。つまり絶対評価の学校間格差がそのまま入試結果に直結する制度です。

教育委員会も何とか是正しようと、学校間の格差を公表していますが、やはり完全に平等にするのは無理です。毎年この制度には不満を表明していますが、今回も同じ高校を受験したA中学の人はみな合格し、B中学の生徒はほぼ全滅などという本来あるはずのない、しかしすでにめずらしくなくなった現象が、うちの塾でも見られます。


このこと一つとっても、即刻、絶対評価はやめるべき だと思います。

まぁでも、終わったことですから…

合格した人、おめでとう!気を抜かずにこれからも勉強してくれよ!

残念だった人、受験前に言ったように大丈夫だろ?仕方ない。

気にするな。さぁ学力勝負だ!


■■■

さて、まだまだ入試は続くのですが、今は中学・高校・大学が入り乱れて試験や合格発表です。記事を書いたついでに、せっかくですから…

 スットコ君を一つ 

大学入試を終えた生徒が塾に帰ってきました。自分の解答を記入した問題用紙を持って塾に帰ってきました

講師 『 おう、どうだった、どんな問題出た?

生徒 『 う〜ん、難しかった 

講師 『 そうか、ちょっと問題見せて 

生徒 『 いやですよ、できてないから 


講師 『 君のできよりも、問題自体が見たいんだよ 

生徒 『 採点しないで下さいよ〜。絶対出来てないから!

講師 『 わかったよ。じゃあ最初の問だけ見せて。う〜ん、どれどれ、

       結構出来てるんじゃない? 

        
おお、すごい!ここは全部正解だね 』


生徒 『 あっ先生、やっぱ最後まで採点して下さい! 



■■■


  さぁ、ゴールまであとわずか!



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P.S. 激励、ご心配をいただきました方々、先ほど連絡がありまして、おかげさまで、私VIVAの息子は巣鴨中学(二日)に合格いたしました。コメントをいただいた方々、ほんとうにありがとうございました。まだ少しありますが、充分です(笑)。謹んでご報告させていただきます。

posted by VIVA at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2007年02月02日

『中学入試でる順算数計算900』

 


 中学入試出る順算数計算900.jpg 



東京の私立中学、男子御三家といわれる中の一つ、麻布中学の昨日の入試問題で、およそ10年ぶりに、純粋な計算問題が一問出されたのが話題になりました。それを見ただけで、怒って涙ぐんでいた受験生までいたそうで…。(話題になったといっても当教室の算数担当の先生たちの間ですが…)


そこで、代々木校の伊藤先生 にお願いして、塾ではなく、“家庭学習” でお薦めの算数計算用のテキストを紹介してもらいました。


以下が伊藤先生の紹介文です。


■■■

算数の基本は何と言っても計算力です。算数が鍛えられているかどうかの判断は計算の仕方を見れば、おおよそ分かるものですし、入試で合否を左右するのも結局は計算力と言っても過言ではありません。

分かった!やったことある!って思って正しく解いても計算で間違ってしまっては元も子もありませんね。

計算といっても入試問題に出題される計算問題は学校の教科書レベルからはかけ離れています。パターンも幾つも分かれており、それぞれの解法というか計算の仕方を覚えなければなりません。


また、ただ覚えても、正解にまで到達させなければ意味がありません。 普段の授業でも口を酸っぱくして言っているのですが、計算は『速く、正確に』できるようにするためにも、やはりそれなりの問題数と解説・解法が書かれたものが必要になってきます。

そういった点で、本書は適切ではないかと思います。 計算の仕方を覚えるだけでは計算力は付きませんから、毎日の繰り返しの練習が絶対に欠かすことは出来ません。一日数問で構いませんから、継続して練習するだけで大きな力となります。本書以外に、日能研ブックスの『マスター1095題』も毎日の練習にはお薦めです。


大切なことは間違った場合の対処の仕方です。

小学生に限らず、中学高校生でも計算が苦手、ケアレスミスをすぐしてしまう・・・と言って先天的に自分は計算に向いていないと言わんばかりの生徒もいますが、必ず原因はあるのです。

その原因を自分で把握し、あるいは指摘され、普段から意識して練習することで、ほとんどは解決するものです。

生徒それぞれ状況は違うでしょうが、少なくとも中学受験に必要な計算力、計算パターンを知る上で本書は役に立つ一冊だと思います。


計算練習をする際のアドバイスとしては、毎日少しずつでも継続して練習すること、間違った問題は必ず原因を把握すること、そして正解が出せるまで計算し直すということを守って下さい。

■■■


他もきっとそうでしょうが、当塾で使っている計算練習用のテキストと市販のものの一番単純な違いは、計算スペースの違いでしょうか。どうしても書店で売っているものは計算スペースが狭く、あるいは全く無いので使いにくいという点が挙げられます。

復習するにも途中式をきっちり書いていないと間違えたときの原因が特定できませんから、伊藤先生がおっしゃるように、いつまでたっても同じ間違いを繰り返すハメになります。

もしご家庭で計算ドリルのようなものをする時には、そこに注意して下さいね。間違えの原因が、例えば…


計算する順番が違っているのか、約分や通分のミスなのか、あるいは小数の扱いにあるのか。


それを自覚できるようにならなければ、練習効果は半減するということです。


まぁ、算数における計算力や、国語における漢字などの言葉の知識は、問題形式に限らず、すべての基礎ですし、科目に限らず、継続した努力は避けて通れません。

なるべく効率の良いテキストをご紹介できればと思っております。




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P.S.昨日、今日と、東京都立および神奈川県立高校の推薦入試の発表があって大忙しです(笑)。


『中学入試でる順算数計算900』
旺文社:104P:945円


 


 

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2007年02月01日

『頭は必ず良くなる』 日垣隆(池谷裕二・岸本裕史・佐藤達哉・和田秀樹+有村美香)


頭は必ず良くなる『日垣隆』.jpg




東京・神奈川の私立中学受験生のみんな、一日目どうだったかな。緊張したと思うけど、終わってみればどうってことないでしょ。昨日も書いたけど、休みなく続くと思うから、今日の手ごたえが良くても、あまり良くなくても、もう終わったことは考えないで、明日、あさってと頑張っていこう!


さて、刺激的な本を出し続けている日垣氏ですが、本書は受験生や教育関係者に広く薦められる一冊で、4人の方との対談集です。日垣氏の著作は、以前に、『情報の「目利き」になる!メディアリテラシーを高めるQ&A』をご紹介しました。


そこで自らの仕事に対する姿勢などを余さず書いています。対談の時は相手のことを直前に猛勉強するらしいのですが、本書では日垣氏が教育や脳の専門家相手に、その勉強ぶりが発揮されているように感じます。


非常に分かりやすく、またテーマもきちんと整理されていますので、よくあるような、“寄せ集め” 的な読みにくさもありません。対談の相手とテーマは以下の通りです。



池谷裕二 “記憶力を高める方法” 

       “脳は使えば使うほど” 


岸本裕史 “見える学力、見えない学力”

       “基礎学力を伸ばすには”


佐藤達哉 “性格は変えられる?”

       “頭の良さは測れるのか”


和田秀樹 “試験勉強は役に立つ”

       “褒められて高い木に登ろう” 




池谷氏は話題の脳学者ですね。拙ブログでも『最新脳科学が教える高校生の勉強法』、また糸井重里氏との共著『海馬』を取り上げました。本書でも小学生の時の脳の発達の仕方、鍛え方、歳をとってからの脳の働きについて述べています。


以前、 『小3までに育てたい算数脳(高濱正伸)』をご紹介しましたが、なるほど脳に対する刺激をいうことを、教師や親も、もっと日頃から考えるべきだと改めて思いました。


岸本氏は残念ながら最近亡くなられましたが、教師を40年間勤めた後、学力コンサルタントとして知られています。テーマの『見える学力、見えない学力』は氏の大ベストセラーの書名と同じです。


教育問題のエキスパートらしく、ゆとり教育の問題点や、学級崩壊や詰め込みに関して、あるいは家庭学習やしつけのポイントなどを教えてくれています。教育政策と現場の変化などもわかります。


佐藤氏は心理学者で、頭の良さや、性格などの研究をしています。著作も多数あります。いわゆる頭が良いとか、性格に関する誤解などを心理学的な側面から指摘します。本書ではIQについての誤解などを取り上げています。


和田氏は肩書きだらけですが(笑)、以前『受験に強い子をつくる!わが子を「勝ち組」にするための必勝受験術』 を取り上げました。本書でも、受験や教育問題に関して、精神科医として、また教育者として、さまざまな視点から示唆に富む指摘をいくつもしています。


ご自分のエピソードや外国の教育事情、また心理学的な側面からのいじめ、さらに効果的な学習についてのアドバイスなどです。



日垣氏は、はっきりものをいう性格ですから、読み手によっては反感を持たれることもあるようですが、私は、氏の手抜きをしない書き方が気に入っています(笑)。


対談というと、時に片方だけが中心となる意見を語ったり、かみあわなかったり、突っ込み不足だったりすることがよくありますが、本書は編集がうまいのか、どの対談もすんなりと頭に入ってきますし、要点がおさえてある印象です。


本書をメモを取りながら読むのが効果的かと思いますが、やはり4人それぞれのページ数に限りがありますので、お読みになって興味を持たれたら、その方の著作を読んでみたらよいのではないでしょうか。


もう一人、すべての対談に母親代表でしょうか、アシスタントでしょうか、インタビュアーとしてTBSのアナウンサー、有村美香さんが参加していますが、でしゃばりすぎず、かといってお飾りでもなく、うまくかみ合っていました。




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